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長崎県 動画配信者の消息について

「えー、こんばんは。ホラー考察系chの赤い狸です。今日はですね〜、視聴者さんからDMで教えてもらった心霊スポットに来ております!長崎県で有名な心霊スポットと言えば軍艦島が挙げられますが、ツアー以外では上陸禁止となっているのでね。手が後ろに回るような事は避けなきゃいけません!なので、今回は知名度は低いけどヤバさなら引けを取らない場所だと言われている顔抉り屋敷に来ております〜。視聴者さんからの情報だと明治時代から昭和中期まで非常に栄えたお屋敷だったそうで、町民に慕われていて町の顔役でもある美術商だったそうなんですね。良いなぁ、羨ましい!それがある日、珍しい姿をした仏像があると聞いて一眼見てみようと思い立ち、関西の方までわざわざ見に行ったそうなんですね。出所不明の品を見に行ったところ、それがどうしても欲しくなったそうで持ち主であった神主に頼み込んだそうだが『人の手に負えるものではございません』と断られたけど、長崎から買い付けに来たので引き下がるわけにもいかない。その美術商はあろうことか、神主を殴り殺して持って帰ってしまったそうです。ところがその像を持ち帰ってからというもの、屋敷に住む者が体調を崩すようになった。その美術商には儚げな奥方にすれ違えば誰でも振り返るような娘が7人もいたそうです。ところが、奥方や娘は相次いで床に臥してしまい、誇っていた美貌が深海魚のように滑りを持つようになり、異臭を放つようになったとの事。屋敷内には陰鬱とした空気が漂い、とうとう気が触れてしまった美術商は家族の顔に鍬を振り下ろし殺してしまったそうです。その後、美術商はその像を返しに行ったが殺して奪った事が知られたくない一心から境内に置いて帰ってきてあと、自分の顔を脱穀機に突っ込んで死んでいるのが見つかったとの事です。いやー怖いですねぇ。そんな事で今日の目的は当時の資料や手がかりになりそうな物がないか探してみようと思います!心霊写真も撮れたらイイねや高評価よろしくね!それでは中に入っていきたいと思いまーす!」

「はい、OK!」

「どう?ちゃんと撮れてる?」

「問題無し。音声も良好」

「良かった良かった。しかし顔抉り屋敷かぁ、とんでもないもの送ってきたよなぁ」

「なに?知ってたの?」

「知る人ぞ知る心霊スポットだけど、入らずに引き返す人ばかりらしいよ」

「まあ、確かに何かいそうな雰囲気はあるよなぁ」

「昭和の中頃までは続いたって話だけど、全然朽ちた感じがしないんだよなぁ。管理者とかいるんかねぇ」

「そうじゃねえか?じゃないととっくに解体されてるだろ」

「そうだよなぁ。何か手掛かりでも見つかると良いよな。んじゃ、行くか」

「おう」

「はい、ここが入り口でーす。昭和に潰れた家系なのにお屋敷は古い感じがしませんねぇ。おやおやぁ?表札がまだ残ってますねぇ!お名前は…何だこれ?こんな漢字見た事ないから読めないなぁ。読めるっていう視聴者さんはDMお願いしまーす。さあ、気を取り直して入っていきましょう。はあ〜、名家だけあって立派なお屋敷ですねぇ、まだまだ住めそうな感じがしますよ。さて、噂だと女性の悲鳴が聞こえるとか、顔の潰れた当主が現れるなんて言われていますが出てきてくれるかな?まずは玄関からお邪魔しましょう。失礼しまーす。いやぁ、夜中な事もあって暗いですね。懐中電灯は心霊スポット巡りの必需品ですね!うーん、外観は立派だけど床は腐って穴空いてますね。でも、落書きとか荒らされてる感じが無いから自分たちが一番乗りかもしれないですね。ここは…台所かな?電子機器はまだ無かったんですね。竈がまだ残ってますよ。んー、あっちは居間かな?大人数で使えそうな机が置かれてますね。おっ、箪笥だ。何か手掛かりが無いか調べてみましょう。中にあるのは通帳に…判子、保険証券。面白いものは無さそうですね〜。おっと?他の部屋は襖で仕切ってあるのに、あそこの部屋だけ洋風のドアがついてますよ。怪しいですね!うーん、当主の部屋かな?さあ、開けてみましょう!おおっと、凄い量の本ですねぇ。天井に届くぐらいに積まれてますよ。何の本かな?『ヒエロニムス・ボス全集』『宗教画から風俗画への変遷について』『仮面に関する考察〜異種民族と集合無意識の関係〜』『神と彫像』何やら難しそうな本ばかりだけど美術に関する資料みたいですね。本が崩れてきそうなので、他の部屋を見てみましょう。さて、視聴者さんお待ちかねのお風呂ですよ。お金持ちなだけあって浴槽が大きい!何でもここで奥さんと七女を殺したそうです。床に変色したところがあるけれど、血の跡なのかな?壁にも赤い染みみたいなものがありますよ。じゃあ、ここで写真撮りますか!カメちゃんよろしく!」

「あいよ〜。撮るぞ〜」

「何が撮れてるかは後のお楽しみって事で!視聴者さんにも見せるから期待しててね〜。さあ、次は2階に行ってみましょう。子どもの部屋として使っていたらしいから楽しみですね〜。ここは何番目の子の部屋なのかな?勉強机に敷かれたままの布団、衣装箪笥。野郎どもは箪笥の中が気になっちゃう感じかな?それでは失礼して…んー?何も入ってないなぁ。ちょっと布団も捲ってみようか。血の跡ぐらいはあるかも。おっ、思った通りだ!枕が赤黒くなってますよ!ここでやられちゃったようですねぇ。可哀想に…。さて、他の部屋も見てみましょう!もちろん、写真は忘れずに!」

「なあ、血の跡みたいなのは見つかったけどこれだけだと盛り上がりに欠けねえか?」

「だよなぁ。せっかく曰く付きのところを教えてもらったのにこれじゃあ撮れ高不足だよ」

「あー、こんなんだったら女も何人か連れてくりゃ良かった」

「おいおい、心霊スポットでおっ始めるつもりかよ」

「そういうお前だっていたらいたでやるじゃねえか」

「あっはっは、違えねえ」

「……」

「おい、カメちゃんどうした?」

「なあ、あそこにもドアついてないか?」

「何処だよ?」

「ほら、廊下の奥。あれ、ドアノブじゃねえか?」

「あっ、本当だ。カメラ回して」

「了解」

「えっー、他の部屋も見てみましたが、どれも一様に血の跡みたいな物が付いてました。どうやら噂は本当だったようです。とはいえ、これだけだとガッカリする人もいるかと思いますが、これを見てください!ここにもドアがあるんです!きっと凄いものがあるような気がします!それでは開けますよぉ…うわ、臭っ!何だこの臭い?腐った魚みたいな臭いがする。っていうか何だこの部屋?見てください、祭壇にお札?如何にもな感じでヤベェな。床には女物の服が8人分…ご丁寧に下着まで置いてあるよ。殺された家族と同じ数じゃねえか」

「お、おい…あれ」

「何だよカメちゃん。どうかしたか?」

「いや、あそこにあるの死体じゃねえか?」

「えっ?……うわ、本当だ!誰の死体だよ!?何で逆さ吊りになってんだ!?当主は納屋で自殺したんだろ!?」

「俺が知るかよ!とりあえず引き上げようぜ!」

「あ、ああ…そうだな」

・・・・・・

・・・

「どうする?警察呼ぶか?」

「いやいや、不法侵入で俺たちが捕まっちゃうじゃん」

「だよなぁ。とりあえず家帰って動画編集するか。写真も確認したいし」

「そうだな。運転はどっちがする?」

「カメちゃん、頼んでいい?運転はちょい無理そうだわ」

「それは構わねえけど…一つ聞いて良いか?」

「あっ?何だよ」

「お前の名前、何だっけ?」

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