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迷宮管理者の掟  作者: 鶴燈
第四章 - ヴェルラートへ
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ヴェルラートへ 第一節

「……回路が繋がった。準備はいいかい?」


 魔城の迷宮、管理室。

 部屋は明るいが、机に置かれたモニターの数々に遮られ、その向こうに座っているエレナの顔は部分的にしか見えない。

 しかし、自分とフラムに向けたその声には、わずかに緊張が表れているようにも思えた。


 ――相変わらず、この部屋だけは魔城の幻影が施されていない。様々な装置やら資材やらが乱雑に置かれ、床には大量のケーブルがのたくっているところも同じだ。

 ……だが、自分が最初にこの場所を通った時には無かったものが、一つ増えている。それが、自分の目の前にある、真新しい転送陣だった。


「いつでも行けますよ!」


「……同じくだ」


 ――答えながら、この後の手順を、もう一度頭の中で整理する。



 まず、この魔城の迷宮から、財宝の迷宮までの魔力回路が繋がったら――予め組んでおいた術式を用いて、財宝の迷宮の管理権限の一部を、エレナが掌握する。

 それが成功したら、続いて財宝の迷宮最深部への転送陣を生成し、この管理室にある転送陣と接続。自分とフラムがそれを使って最深部へと乗り込む。

 ……今、レウィンスが財宝の迷宮内部にいることは、クランスが調べをつけてくれている。そして、レウィンスの持っている『携帯転送機』は、クランスが数日掛けて施した細工により、使うことはできない。

 あとは、迷宮に本来備わっている機能である『強制送還』を復旧させ、レウィンスを除いたヴェルラート側の人員を、全て迷宮外へと叩き出してから、全ての出入り口を封鎖。増援の可能性も潰したところで、袋の鼠にして孤立無援となった、レウィンスを捕らえれば完了だ。



 ……それ以降のことは、エレナに一任してある。

 迷宮の管理権限がエレナに渡るから、という理由もあるが――レウィンスの処遇については、やはり身内としてエレナ自身が決めたいということだったので、その意見を尊重することにした。


「……よし、必要な権限は奪えてるね」

 モニターの隙間から、エレナがこちらを覗きこむ。

「転送陣の生成を始めるよ。計画通りに進めば、大きな戦闘にはならないだろうが……先に説明した通り、管理権限の全掌握には少し時間が掛かる。万全の備えをしていくんだよ」


「ああ、わかってるさ」


 最深部から奇襲する形とはいえ、迷宮の管理権限を全て奪うまでは油断できない。権限を一部でも奪われていれば、相手も思うようには動けないはずだが、どうあれ抵抗はしてくるだろう。


「期待してるよ、探索者。――無事に帰ってきたら、今夜は特段、豪勢な食事にしようじゃないか」


「ふふっ、楽しみにしてますね!」


 フラムが屈託なく笑って、そう返した。

 ――程なくして、目の前の転送陣に、見慣れた薄紫の光が宿る。転送陣が開通した証左にほかならない。


「……よし。数値も安定してる――行ってきな!」


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