【第97話】 でた(真打)
お早うございます。
投稿です。
「気にするな、タロくんの素直すぎる言葉に皆が撃たれただけだ。俺もハッキリNOと言えなかったし」
「ソレハ『スキル』ノ影響デス、ファーファハフォローガオ役目ナノニ!」
俺は、ファーファの頭部をポンポンと撫でた。
金属質なのだが、冷たくないファーファ。
「お、温かい、このまま王都を目指そうか?」
「ソウサレマスカ?」
どうする?狼亭にはもう近づきたくない、たとえ誤解でも。
気まずいというか、逃げ出したし!
いや、それはできないな。
「できないな、市があると言っていた、蛇族の襲撃があるかも」
怖いし、イヤだけど、逃げるのはもっと嫌だ。
ミケやタロくんをそのまま?
できるわけない!
「他ノ使徒ヲ呼ビマスカ?」
他の?
ああ、あの後どうなったかお話が聞けるか。
いや、それよりもこれだけの魔力の放出、色々と調査に来るかも知れない。
まあ、いざとなったらジャンプ・アップでまた逃げよう!
「……そうだな」
ファーファを見る。
ゴーレムだけど、なんかしょんぼりしているように見える。
きっと大後悔しているのだろうな。
「いや、いいよ、二人でもう少し歩こう?」
そう言って私は、ファーファの移動脚の一つを掴んだ。
「!……ハイ……」
「手繋ぎデートみたいだね」
「!!!!!!!!!!!」
周囲は岩が転がり、大きな窪みがいくつも出来上がっていた。
まるで噴火口みたいな地形だ。
そこをファーファと二人で、転がるように歩く。
「デートと言うより登山だね」
「……ヒャイ、ソ、ソウデスネ」
再び歩き出す俺とファーファ。
ぷしゅーと魔力が抜けていくのが分かる。
邪神との戦いでかなり緊張していたみたいだ。
気持ちが戦闘マインドから通常マインドに切り替わる。
「溜息デスカ?テニサマ?」
「うん、ひのきの杖+3、壊れちゃったし」
あ、なんか泣きそうかも。
周囲は大惨事、元の地形はわからないほど。
全て、私が原因。
オークの里でもそうだった。
禁足地とはいっても、当分アロウザさんのお墓には近寄れないだろう。
狼亭に向かう?
私、獣人族の村に向かっていいのかしら?
「これじゃ、帰りたくても帰れないよ……どこへ行こう……このまま王都に向かったって……」
あ、だめだ。
涙が……。
「しくしく」
「ナ、泣カナイデクダサイ!テニサマ!テニサマガ、イメージスルト魔力ハ抑エラレマス!」
「本当?今まで抑えようとしたけど?」
うう、その場限りの慰めなんていいよ!イメージってなに?
「世界ヲ止メルノデス!今ノテニサマナラデキマス!」
ファーファが自信をもって断言する。
世界を止める、とは?気持ちが少しだけ動いた。
「止める?動き?時間のこと?」
「魔力ヲ止メルノデス、今マデノ戦イノ中デ大量ノ魔力ヲ扱ッテキマシタ。テニサマハ思ッテイル以上ニ熟練者デス」
ほんとおぉ?あっやしいっんですけどぉ?
「止めるとどうなるの?」
「魔力ノ存在ヲ隠シ、ヨリ魔力ト仲良シニナリマス、ソウデスネ、全属性ガテニサマニ従イマス。ヨリ熟練者ニナリマス!」
なんだそれ?本当かなぁ。
夢のような機能なんですけど?
それに、全属性って、私、全属性ではないの?
「それ、出来た人いるの?」
「……マレ、デス」
ほらね。そんなに都合にいいこと簡単にできるわけないよ!
「テニサマノ魔力ハ、抑エルニハ大キスギルノデス」
「できる?ぐすっ」
「デキマス!」
ま、ファーファが言うのなら。
「サア、テニサマ、涙ヲ拭イテ!」
「う、うん、グスッ」
どうしよう?うまくいくのかしら?この私の内側の魔力、計り知れないんだけど。
世界を止める?わけ、わかんないよ!
でも、周りの迷惑考えるなら……。
「なにを泣いているのです?」
「!」←私。
「!」←ファーファ。
「どうかされましたか?」←聖女クルルン。
「「聖女クルルン!」」
「はい、そうですが」
なななななんでここに!?
次回サブタイトルは 【第98話】 あん!? です。




