【第89話】 別世界の記憶3
お早うございます。
投稿です。
「え?それおかしいよ!そんな記憶ない!これから起こるとでも?」
「あれは、多分、別の世界のビジョンよ」
「え!?」
「ミケちゃんやタロくんが見る怖い夢は、別世界からのメッセージだと思う。これは活かさないといけない」
「そ、その日が来ると?」
青ざめて聞き返すミケ。
「多分、来る」
「ミケお姉ちゃん?何を見たの?」
「タロ、あの夢よ、夢で見ていたあの恐ろしい景色よ!それを現実で見たの!いや、えっと違うな、なんて言ったらいいのかしら!シーシナ!」
「別世界で市の日に襲撃があったの、それを回避するために……そう、精霊様がミケとタロに夢として教えていたのよ」
タロくんの目が丸く見開かれる。
「こ、こえーよ!あれが現実になるの!?」
まずいな、未来を恐れるのは良くないと思う。
今、この時が大事だ、市の日に奴等が来るとは限らない。
まあ、来るとは思うけど。
「タロくん、来るかもしれないし、来ないかもしれない」
だよねシーシナさん、でもそれじゃ曖昧で不安が募るだけだ!
(ガロウザ!)
(はい)
(私が言っても説得力がない、あなたが戦士の言葉で伝えて、誇り高い獣人族ならどうする、とか!)
「ど、どうしたら?」
泣きだしそうに慌てるタロくん。
「「誇り高い獣人族ならどうする?」」
綺麗にハモる声。
ガロウザさんと……誰だもう一人!?
「「お、お父さん!」」
え゛!?
お、お父さん!? あの獣人族の長!?スケルトンやゾンビと戦った?
そして私が……確か……吹き飛ばした……。
いつの間に!気配したか?マップ表示もされていないぞ!?
今はオークの里では?
「お父さん!帰ってきたの!?」
明るくなるミケとタロ。
どわああああっ!なにこのイケメンさん!?
お日様の下で見ると……すごいなぁ。
「ゴーレム殿、先の戦いでは世話になった。改めて名乗らせてもらおう、獣人族の戦士、アーロンだ。ん?この臭い、蛇族と戦われたか!?」
「ハイ」
子供たちの姿を見て、青くなるアローン。
「お前たち、助けられたな?蛇族を相手に、生き残れるほどお前たちは強くない」
お父さん、冷静な言葉ですが、それ、子供たちに言っていい言葉ですか?
そして私を凝視するアーロン。
「どこかでお会いしましたかな?私は獣人族の戦士アローン、子供達の命、守ってくれたのか?礼を言う!ありがとう、感謝する!」
この狸狼!
ゼッタイ知っているはず!体臭や魔力で分かっているはず!
私があの炎の魔人だって!
このお父さん、相当な戦士だし、気が付かないはずはないっ!
私が、なんと名乗るか試しているの?
なら、正式名称で!
「私は黄昏の破壊神ラグナローク、またの名を魔王ア・キュウガ・テニイ」
ざっ、と片膝をつき私に礼を取る眷属たち。
ファーファ、ガロウザさん、シーシナさん、ブンちゃん、綺麗に私を囲んで見せた。
驚くミケとタロ。
お父さん、笑うと思ったけど、固まった!
「テニと呼んでください、ミケお姉ちゃんとタロくんのお父さん!わ、私達、と、と、友達なんです」(たぶん)
次回サブタイトルは 【第90話】 お父さん です。




