【第86話】 同じ夢
こんにちは。
投稿でです。
相変わらず迷走中です。
「うん、ごめんよテニ、お前小さいのに、僕を庇って食べられて……テニ死んだかと思ったよ!普通、助からないもん!」
「テニ……本当にごめんなさい……あなたを助けようとはしたのよ」
うわぁ凄く暗いお顔だ。
「あいつ、すごく硬くて、俺たちの技、通用しなかったんだ」
「逃げなかったの?」
「テニ残して、逃げるなんてできない」
言い切った!?
「あれ?タロくん、弓は?」
「ははっ、折られた」
あ!
ビジョンだ!過去に感応している!
戦っている二人の姿が、一瞬、見えた!
ドラム缶よりでかい尻尾に弾き飛ばされる、ミケ。
《ぎゃうっ!……テ、テニを返せ!っこのデカブツ!》
押しつぶされ、血を吐きながら弓を放つタロくん!
《お、お姉ちゃん!こいつ、矢が通らないっ!げほっげほっ》
逃げていいのに!生き残らなければ!
「ごめんよ、テニ、俺たち頑張ったけど……そしたらさ、突然、あいつ苦しみだして」
「あいつの中から、大きな剣が飛び出したんだ」
王断鳳道!巨大化したんだ!
「その剣が大地に刺さって、魔法陣が浮かんだんだ。それで、魔昆虫やスケルトンが出てきて……」
「ミケお姉ちゃん、助かったし!もういいよ!ねっ?」
明るく答えてみたが、どうだろう?
「……本当に?でも……」
ボロボロと、大粒の涙を落とすミケ。
ぶううううん。
あ?ミケの頭に!?飛んできてとまった!
もそもそ。
「スケルトン達やそこのオークが助けてくれても、俺たち悲しくて、悔しくて、情けなくて、泣くしかできなくて……」
「キィキィ」
「そしたらさ、こいつが今みたいに俺や、ミケお姉ちゃんの頭にとまって……大丈夫だよって、皆で助けるからって……テニ、知ってる?こいつ喋るんだぜ!慰めてもくれるんだぜ!なぁブン!」
ブン!?
な、名前付けてる!
ちらり、とミケの頭でもぞもぞしている魔昆虫を見る。
あ、目、そらした!明らかに明後日の方向、向いたぞ!
喋ったらダメだろう?噂とか、評判になったら……。
「?どうしたんだよ?ブン?」
「キイキイ?」
「ええっ?!喋ってたじゃん!」
「キィ?」
「喋ってたじゃん!大丈夫って言ってくれたじゃん!」
「…………キイキイ?」
「さっきまで喋ってたじゃん!喋ってたじゃああんっ!」
泣き出すタロくん。
どこかで見た風景。
(返事してあげたら?)
(イイノデスカ?)
(子供、泣かしちゃダメでしょう?)
「泣カナイデ、喋ル、ナイショデ、オ願イ」
パアアアッ、と明るく笑顔になるタロくん。
この世界の子供たちは、虫好きか?
ん?ミケ、何か言いたげ?
「なあ、テニ、笑わないか?」
「なに?ミケお姉ちゃん?」
なんだろ?笑う?
笑うかどうかは、内容次第だよ、ミケ?
「私達、同じ夢を見るんだ」
?
「そう、俺とお姉ちゃん、蛇族に食べられる夢をずっと見ているんだ」
次回サブタイトルは 【第87話】 別世界の記憶1 です。




