【第83話】 感謝の気持ち
お早うございます。
投稿です。
今まで削除していた文章その他を、形を変えて載せる企画がスタートします。
何処から怒られたら、再度消しますが。詳細は後書きで。
皆の前で発表?
ぽんっ、と弱虫スキルが発動した。
い、いやだなぁ……し、視線が怖いよ!言葉だって……でも!
みんな私のことを心配してくれて、一生懸命助けてくれたんだ!
感謝の言葉は、ちゃんと伝えたいっ!
「みんな……ありがとう!」
出てきたセリフは、ありきたりのセリフだった。
それでも!
「当然のことだ!」
「気にするな、俺たちのミスでもあるんだ、主を守れなかった……」
それぞれの思いを口にする、眷属たち。
「あのう、テニお姉さま、そろそろ降ろしてくれませんか?私、恥ずかしいです……」
えっ?……倒れている私の唇、皆の前で奪おうとしませんでした?
耳まで赤いシーシナさん。
ちゅーより抱っこが恥ずかしい?よくわからん!
取敢えず、念話で高速会話してみるか、密着しているから感度はいいはず!
(シーシナさん、私の唇、狙ったでしょう?)
(そ、それはお母さまの命令で……ごめんなさい……)
バンさんの命令?
(テニお姉さまを目覚めさせると同時に、魔力を少しでも開放できればと……)
魔法の構造って多重構造?地層みたいな感じ?
よくわからん!
(魔力の開放?それができたから私、復活したのでは?)
(回復、生命の魔力開放と、もう一つ、性別の開放も狙ったのです……お許しを……)
(?)
なんだそれ?
(魔王さまは基本、魔力的に両性です)
(は?)
(逆に言うと、どちらでもないのです。そこで私の女性原理でテニお姉さまの男性原理を引き出すように、バンお母さまに言われて……)
?
引き出すと、どうなるんだろう?
(引き出すと、どうなるの?)
(テニお姉さまは、その大きな魔力で、テニ……お兄さまになります)
はあああああっ!?
なんじゃそりゃ?
性別自在!?
ぎろっ、とバンさんを見る。
「チッ」
と舌打ちして目をそらすバンさん。
し、舌打ちしたああああっ!?
た、たとえ使徒でも油断ならないぞ!いや、バンさんは使徒ではないけどさ!
「バ、バンさん!?何考えているんですか!?」
「シーシナの婿にと考えていたのだ。子ができれば我が一族は安泰!さらに兄弟姉妹が増えればこの森の魔族、妖精族の地位が向上する!」
魔族、こわっ!
そしてプチッ、と軽く切れた。
魔力が一気に流れ出す!
「バン、アサハカ也」
「なんだと?第一使徒!」
質問してみるか、答えの予測はしているけど。
「娘は道具か?」
一気に周囲の温度が下がった!目の前の者達は、瞬き一つできない。
動けるのはファーファのみ。
「バンさん、娘の気持ちは?シーシナさん、それでいいの?」
「……」シーシナさんは答えない。
「では、私の気持ちは?」
まあ、これが魔族のやり方なのだろうか?
いや、ここは弱肉強食の世界、強くなければ生きていけない世界だ。
より強さを求めるのは当たり前なのかな?
ならば、この策は仕方のないことなのだろうか?
「みんな、助けてくれてありがとう!感謝する!私はいろいろな意味で、もっと強くならなければいけないようだ」
「……テニお姉さま、もう、降ろしてください……ごめんなさい、許してください……」
ぽろぽろと切れ長の目から涙を落とす、シーシナさん。
「泣かないで、嫌ってないよ」
「ほ、本当ですか?」
「許すも何も、助けてくれたじゃん!」
ゆっくりとシーシナさんを大地に降ろした。
「ちゅっ、ペロッと」
「ひっ!?」
ああ、涙の味は同じだ。
俺も散々泣いたからなぁ、思い出したくもない悲しい味だ。
次回サブタイトルは 【第84話】 目標 です。




