【第82話】 復活の魔王さま
おはようございます。
投稿です。
!?
なななな何するのっ!?
あ、シーシナさん、目を閉じた!
こ、これは?
赤い、ふっくらとした唇がどんどん近づいてくる!
(呪いで目覚めないお姫様は、王子様のキスで……)
ん?誰だこの声?眠り姫?これ、この思考は……ミケだ!
顔を真紅に染め、口元を両手で多い、ギラギラした目で私とシーシナさんを凝視している!ミケって王子様好き?
などと考えている暇はないっ!
実際はパンツ一枚の魔王さまの唇を奪おうとする、サキュバスの図、だよ!
薄っすらと開く紅い唇。
真っ白い歯と赤い舌がちらりと見える。
あ、舌の先端、割れているぞ!蛇みたい!
ここで蛇族を思い出し、拡散した意識が急速に集まり始めた。
私は上空からの精神体と、地上からと肉体の目で周囲を見始めた。
まだよく見えないや。魔力がうまく動いていないのだろうか?
そして、ふっ、と夢から覚めるように、覚醒した。
陰と陽が重なったのだ!
ぶわっ、と溢れ出す魔力!
周囲の者達が後ずさる。
私は人差し指をすっ、と自分の唇に当てた。
パチリ、と目を開くシーシナさん。
「お目覚めですか?テニお姉さま?」
「ああ、ありがとうシーシナさん、迷惑をかけたね」
「いえ、眷属として当然です……んっ」
甘い吐息が鼻をくすぐる。
うわぁ、シーシナさん睫毛長っ!
あのうお鼻が私の鼻にくっついていますけど?それに吐息が!
魔力が渦を巻き、振動し始める。
溶けていた身体は大量の汗を流し、完全復活する。
ああ、もう大丈夫だ。
それでもシーシナさん、離れようとしない。
えっと私、恥ずかしいのですが?
その、あの、シーシナさん?シーシナさんの色々と柔らかいところがズシリと、体にのしかかっていますよ?
シーシナさんの唇が私の人差し指に触れた瞬間、突然眉間に皺を寄せた。
あ、このお顔、絶対人に見せないお顔、渋いお顔だ!
すっ、と身を起こし、ファーファを睨む。
「あの、第一使徒、なぜ私の足を踏むのです?」
よくやった!ファーファ!あのう、シーシナさん、そろそろどいてくれませんかねぇ?
みんな見ていますけど?
「治療感謝スル、ドケ!」
ぐりぐり。
「あううううっ第一使徒、痛いです……」
「皆ノ者!大儀デアッタ!魔王ア・キュウガ・テニイサマハ復活サレタ!テニサマ、皆ニオ言葉ヲ!」
え?
言葉?感謝の言葉だよね?
迷惑かけたし、心配も!ちゃんと伝えなきゃ!
ひょい、と起き上がると同時に、上に乗っかっているシーシナさんをお姫様抱っこする。
「きゃっ!?」
小さな私が、軽々とシーシナさんを扱う姿を見て、目を丸くするミケとタロ。
私は辺りを見回した。
ん?誰が召喚したのだろうか?それとも駆けつた?
スケルトン5人組もいるぞ?
使徒、全員集合している!
ガロウザさんは周囲を警戒しているのか、少し離れている。
まじめだなぁ、いや、武人の鏡か?
見るからに、屈強な戦士たち。
……本当に皆俺の使徒?いや、使徒じゃないバンさんやミケやタロくんのいるけど。
こんな立派な使徒たち、俺にはもったいなくないか?
次回サブタイトルは 【第83話】 感謝の気持ち です。




