【第8話】裏切りの森3
お早うございます。
投稿です。
今回はファーファの設定を、ちょっとだけ公開です。
俺はファーファを地面から掘り起こした。
ボロボロである。
おかしい、ファーファって、こんなに脆かったか?
盾役じゃなかったのか?
そういえば、今回、出会った時点で酷い状態だった。
何があった?ファーファ?
「ファーファ、何があったの?こんなに脆く……もっと頑丈だったじゃない!」
……涙が更に出てきた。
「……」
ファーファは何も言わない。
だけど、掘り起こしている手から、何かが伝わってきた。
何だ?これ?
それは膨大な時間の流れ。
ファーファが歩んできた過去。
「旅?」
あ!?
「ファーファ、俺を……私をどうやって見つけたの?!」
「……」
「簡単にこの世界に、戻ったんじゃないんだね?ファーファ!?」
ボロボロッと崩れていくファーファ。
え?一気に壊れ始めた!?
「あ!?あ……ああ!……だめ!壊れないでっ!」
金属製のファーファのボディーが、お豆腐のように崩れた。
さ、再生!補強?修理?治さないと!
う、動け!星雲の如き魔力!
世界を滅ぼすとまで言われている、魔王の力!
い、今こそ、その力!示して!発揮して!
壊し、滅ぼす力を、再生に!
「な、治って!元気になってぇ!」
(テニサマァ……ドコ……)
!?
(私ハ……死者ノ世界ニハモウ帰レナイ……テニサマハ……コノ、世界軸ヲ『ループ』スルノ?ソレトモ新シイ世界軸ニ渡ラレルノ……?)
こ、こいつ、ファーファ、俺を捜し回って!?
な、なんだこれ?色々な世界が!?
ファーファは死者の世界から、生者の世界に渡る能力を使って、あらゆる世界を旅していた。
一体、どのくらいの年月を彷徨ったんだ?!
魔王の魔力がファーファを包み込む、それと同時にファーファの記憶?記録?が俺に流れ込む。
(違ウ、ココノ世界軸ニハイナイ……次ハドコヘ……)
世界線の縦軸と横軸を渡り歩くファーファ。
転移する度、その身体に負担が掛かり壊れていく。
これは……ファーファなんで?何でそこまでして俺を探すの?
ファーファ、俺、自分で言うのもナンだけど、そこまで価値のある人間とは思えないよ。
母親や周囲の人達の言葉が蘇る。
あ!記録の中のファーファと一瞬、意識が繋がった?
《価値?基準はなんです?》
え?
《テニは、私が一番欲しかったモノを与えてくれた》
え?そんなことしたっけ?ファーファの欲しかったモノ?
《追放され、地の底に落とされた私。あなたはその私に……》
ファーファ?!
君は、ガチャのゴーレムじゃないの?
君はいったい?誰なんだい!?
《……ナイショデス》
ここで目が覚めた。
「え!?」
ん?
寝ていた?
意識のピントが合わない。
えーっと、ここ、どこだっけ?
時間感覚が?
「ファーファ!?]
次回サブタイトルは 【第9話】再生と眷属 です。




