【第78話】 バンさん再び
お早うございます。
投稿です。
毎日ご愛読、ありがとうございます。
あ、何か飛んできた?
巨大な蝙蝠?
あ、サキュバスのバンさんだ!
!?
目が合った!?
「魔王テニ、そこで何をしているのだ?」
え?俺が見えるの!?
(お、俺が見えるのですか?)
「私を誰だと?サキュバス・バンぞ?」
冷ややかな目で睨まれる。
切れ長の濡れた目、相手を蔑む目だ。
「本来、我らサキュバスは夜の住人なんだがな?こうも頻繁に呼び出されると睡眠不足になる!お肌が心配なのだが?」
(ご、ごめんなさい!)
「まあ、よい、しかし見事に溶けておるな、しばらくそうしておれ!」
(え?俺、戻らなくていいのですか?)
まあ、戻り方もわからないけど。
「あれに戻るか!?死ぬほど痛いぞ?暫く浮いておれ!」
(……はい……あの、毎回ごめんなさい、よろしくお願いいたします……)
艶めかしく思案のポーズを作るバンさん。
「そう、落ち込むな、魔王テニ!負けても、生きているなら胸を張れ!」
(え?負けても?)
「そうだ、負けっぷり、負けた時こそ真価が問われると思え!この若輩者!」
(ひゃい)
「まあ、我とても、頼られるのは悪くない、気分は良いぞ。次は喰われるなよ?喰われても自力で何とかせよ!よいな?魔力の創意工夫じゃ!」
そう言って、ふわり、と大地に降り立つバンさん。
「お母さん!テニお姉さまがっ!」
悲鳴に近い声。
「狼狽えるな!それでも魔王の眷属か!」
いや、バンさん、この私の姿を見れば誰でも狼狽えるというか、もう駄目だと思うよ?
そう、そこまで酷いのだ。
先日のゾンビ兵や、スケルトン戦士の方が健全に見える、いや、マジで。
映像化の際には、これモザイク必要だよ、というくらい酷いのだ。
情けない魔王さまだな、何も守れず、食べられた。
呆れられて、見捨てられるかも。
まあ、そうなっても仕方あるまい。
弱いから負けたのだ、情けない、『魔王』返上だな。いや、もともと魔王様らしくはなかったか?
ん?よく見ると、ぴったりの籠手、ぴったりの靴、ファンシー&フェミニンは無傷だ!
異様な光景だな。
ああ、可愛い眼鏡は壊れている……お気に入りだったのに……。
え、ということは、もう文字が読めない!?
そんなぁ、ファーファのガチャで、また出てきてくれるかしら?
お気に入りのマジック・アイテム、ごめんよ、可愛い眼鏡。
と思った瞬間、眼下に横たわっている私の溶けたお顔の目から、涙が流れた。
「!!!!!!!!!!!!!」
「テニサマァ!テニサマァ!」
聞いたこともない叫び声を上げるファーファ。
ごめんよ、ファーファ。
情けない魔王サマで。
「お、お母さまっ!」
「狼狽えるな、シーシナ、陰の再生、治療を施してみよ」
「わ、私がですか!?」
「そうだ、良い機会だ魔王の陰、肉体を再生して見せよ」
「む、無理です!できません!」
?
なんだそれ?肉体の再生?
ちらり、と上空を見るバンさん。
「本来、魔王ならば無意識でも回復するものじゃ!」
(……本来、そうなんでしょうけど……)
魔王の肉体再生?サキュバスシーシナさんが?
変な儀式始まらないだろうな?なんか怖いぞ!
次回サブタイトルは 【第79話】 バンさんに叱られる です。




