【第77話】 食べられた私
おはようございます。
投稿です。
私に吹き飛ばされ、豪快にミケにぶつかるタロ。
「テニ!?」
そこまでは見えた。
今は暗闇と激痛。
息ができない!体が動かない!
全身の骨が砕かれ続ける。
そして襲ってくる焼けるような激痛。
ああ、体が溶けているんだ!
魔力を開放したいが、ここで開放すると、ミケが、タロが……。
「しぶといなぁ、まだ生きている?まあ、普通はじわじわ溶かして、苦しめて楽しむんだが、今回は早めに死んでもらおう、感謝しろよ?本来なら弄んでから喰うんだからな?ひひひっ」
周囲の内部筋肉が一気に魔力を帯び、縮まる。
声も出ない苦しさ。
ダメだ、もう魔力を使う気力が湧かない、意識が……。
何もかも激痛と苦痛、恐怖で動けない……。
ここで終わりか?
諦めかけた時、ブウン、と何かが振動した。
王断鳳道?
明らかに別の魔力が剣から俺に流れ込んできた。
なんだこれ?
剣自体の魔力か?
王断鳳道に意識を向けた瞬間!
周囲が銀色に染まった!
『ガチャに呼ばれたとはいえ、今回の主殿は世話が焼ける』
そこまでは覚えていた。
私は死んだのだろうか?
時間の感覚が分からない。
「早く!酸の中和を!」
この声は?どこかで聞いたことのある声。第三使徒?
「なんだ、この毒は!」
「魔力を流せ!第四使徒!かーちゃん呼べ!」
「もう呼んでいるわ!」
「テ、テニは助かるの?ねえスケルトンさん!」
「見るな!邪魔だ獣人族!向こうに行ってろ!」
「チビども!ありったけの毒を注入だ!刺し続けろ!」
「テニサマ!」
「ファーさん!お母さん来るまで、魔力を流し続けて!第一使徒!あなたが一番テニお姉さまに近い!」
……どこだここ?
私……俺は上空から自分が救出、介抱されている姿を眺めていた。
あの蛇族から、助け出された?
誰に?
どうやって?
不思議な光景だ。
俺、死んじゃうのかな?
半分溶けてるし。
あれ、元に戻るのかしら?
じっと皆を見ているけど、誰一人俺に気が付かない。
ファーファでさえ……あ、なんか悲しくなってきた。
この状態でも泣き虫弱虫スキルは有効か?
よく見ると、倒れている俺の横には右にひのきの杖+3、左に王断鳳道。
大地に刺さり、発光している?
王断鳳道はボロボロで、今にも崩れ落ちそうである。
そして足元に横たわる……大きく切り裂かれた蛇族。
絶命しているな。
何があったのだろう?
それに群がり、ポリポリ食べている蟲たち。
「残スト大変ダカラ、綺麗ニ食ベヨウ!」
「ウン、ソウダネ、デモコノ鱗固イヨ!」
ガリガリ。
「固イ鱗ハ持ッテ帰ッテ、第三使徒ヤ皆ノ防具ニシヨウ!」
「オオ、ソレガイイ、武器モ作レソウ!」
「テニサマ、大丈夫カナ?」
「大丈夫ダヨ、コノ蛇ノ毒ヲ僕達ガ食ベテ、デキタ毒デ、テニサマヲ刺ス!」
「ドウナルノ?」
「毒ガ中和サレ、テニサマ元気ニナル!」
「オオ、ナラ美味シクナイケド、頑張ッテ食ベナケレバ!」
あの……優しく刺してね?痛いのやだよ?
ポリポリ。
蛇族はもう半分もない。
次回サブタイトルは 【第78話】 バンさん再び です。




