【第76話】 対蛇族
おはようございます。
残酷描写があります。
ぶわっ、と広がる魔王さまの魔力。
「テニ!?何をしているの!?」
「ミケ、タロ、村へ急ごう!森は、ここは危ないっ!早く!」
焦燥感が私を包む。
上書きできたかな?
マップで確認してみる。
「!!!!!!!!!」
その赤い点は私達と重なっていた。
ヤバい!すぐそばにいるっ!
蛇族?あんなにデカい魔物が音もなく、気配もなく!?
獣人族のミケやタロだっているのに!
なぜ気が付かな……そのための邪神の瘴気か!
焦るなよ、自分に言い聞かせ、周囲を見回す。
ひのきの杖+3を握りしめる。
おかしい、いるはずなのに!
見えない、気配も感じない!
魔王サマなのに!
焦ると、泣き虫弱虫スキルがじんわり、と動き出す。
速く!早く見つけないと!
その中で、二人と目が合った。
微動だにしない?
「ミケ!タロ!どうしたの!ひゃ、早く!」
なぜ動かない!
え?もしかして動けない!?
どこにいる!?
見えるはずだ!マップには表示されているのに!
うう、涙出そう!
くっそう!負けてたまるか!
(ね、姉ちゃん、う、後ろに何かいる!)
(タロ、迂闊に動くな、この臭い蛇族だ!こいつらは私達より早速い)
え?
そいつは突然、ミケとタロの真後ろに現れた。
巨大な蛇。
その巨大な蛇の頭部には、人型の蛇が生えている。
下半身が、蛇の頭部にめり込んだ感じだ。
こいつ、本体全長何十メーターあるんだ!?
前世で見た、駅前に展示してあるリアルロボット並みにでかい!
この恐ろしい巨大な蛇は、爬虫類の感情のない目でミケ、タロを見つめる。
「ほう、獣人族、長の子か?見せしめに一匹は帰してやる、喰われたいのはどっちだ?ひひっ、おっと!動くな!魔王ア・キュウガ・テニイ!」
!?
「お前は無詠唱だが、まだまだ未熟。俺様の『忍び寄り』感知できなかったようだな?ひひひっ」
「にゃ、なんだと?」
ここは強気でっ!
「泣きながら強気か?お前の魔法は発動までに一呼吸入る。動くなよ?動けばこの二人、潰す!」
動かなかったらどうするんだ?
こいつ形は蛇だが、異形の怪物だ!
全長何十メーターあるんだよ!この化け物!
どちらにしろ速さで勝負だ!
「ジャンプ・アップか?それでも間に合わないぜ!」
「!」
読まれた!?
「お前の戦いは解析済みだ、もう貴様など怖くない」
「うそだね、怖くないと口にした時点で怖いんだよ!」
「お前、負けるぜ?俺の一飲みが早い!炎の魔力を開放するか?俺は死ぬかもしれないが、こいつら獣人も炭化だ!強すぎて制御できない?ふっ、哀れな、無駄で迷惑な力だな、え?魔王ア・キュウガ・テニイ?ひゃははははっ」
(姉ちゃん、合図する!逃げろ)
(ばか!タロが逃げろ!私が動く!)
「タロッ!走れっ!」
そう叫んでミケは振り向きざまに剣を抜き、切りかかる!
が、相手は蛇族、その剣は固い鱗にあっさりと弾かれる。
「ほう?弟を逃がすか?ひひっ、なら弟を喰おう!」
シュッ、と消えるように動く蛇族。
これは確かに速い!
王断鳳道が抜けない!もうタロが半分口に!
大地を蹴り、タロにぶつかる私!
「バカめ、最初からお前を喰うのが目的だ!」
バクッ!と食べられる私。
ベキベキッ!と口の中で骨が砕かれる。
暗闇の中、肺は潰されもう呼吸もできない。
次回サブタイトルは 【第77話】 食べられた私 です。




