【第70話】 ミケと私
おはようございます。
投稿です。
熱?
後遺症という言葉が浮かんだ。
「……ちゃんと治ったの?」
「……それがさぁ、私、右目、悪いんだよね、獣人族なんだけど小さかったし、毒が強かったみたいで治らなかったんだ」
(リイン!)
(子供のころかぁ、治療は難しいぜ)
(今でもミケ子供だよ!どうにかならない?)
(俺たちの治療では無理だろう、聖女ならどうにか治療できるかな?)
(聖女様!?治療、引き受ける?引き受けないだろう!)
(まあな、かといってテニさまの魔力は強すぎる、使徒になっちまうかも)
(う、それは避けたい)
(第一使徒の肉、あれが効きそうだぜ?多めに食べさせてみな)
(わかった。ありがとうリイン!ファーファ!)
(イツデモイイデスヨ!)
もう少しで野菜、洗い終わるかな?
終わったら、お肉の話するか。
「でさぁ、目が悪いからさぁ、狩りとか外されるんだ」
「!」
「まあ、仲間に迷惑掛けるよりは、とか思うけどさぁ、つらいよ」
「仲間外れ、やだよね」
この世界でも、やっぱりあるよね仲間外れ。
まぁどの世界でもあるか。
あ、また青虫発見!ぽいっ、と。
「なんだよ、テニ、お前も経験者かよ?あ、テニの方が酷いか?」
「え?なんで?」
酷いとは?
「テニ、ゴブリンみたいだけど、亜種だろ?仲間少なくないか?ゴブリンから仲間外れにされたりしないか?」
仲間外れかぁ、外れというか無視だったしな。
私が沈黙すると、ミケは下を向いた。
「ごめん、嫌な思い出あったんだね」
「気にしないでいいよ、今はファーファがいるし、他にも友達(使徒)できたし」
「そうなのか?いいなぁお前」
ここでミケの剣が、私の目に映った。
「あ、それで剣?弓じゃなくて?」
「ん?まぁなぁ。でも剣使っても間合いが難しんだ」
「練習しているの?」
「剣の練習はしているけど、獣人族は基本『拳』なんだ、体術主体、剣は我流」
「じゃさ、私が剣の基本教える」
「え?テニがぁ?あはははははっ」
「なに?そのお顔?その笑い声!少しなら教えることできるんだからっ!」
私の剣の師匠は、あの勇者、キルル・ランダムなんだぜ!
「おい、テニむきになるなよ!」
「だからさ、体術、教えて!バイト期間中限定だけど!」
「ふふっ、テニ、獣人族についてこられるの?満月期は不死になり、鉄をも裂く怪物よ?」
ひらり、とその時、枯葉が一枚、舞い落ちてきた。
「ん?枯葉か?」
ミケは左目で、確かに枯葉を捉えた。
私はひのきの杖+3を振って見せた。
ヒュンッ!
葉は3つに分断され、小川に落ちた。
「え?」
「どう?私の手元、見えた?」
「え?私、左目はよく見えるのに!ど、どうやったの!?私たち以上に動けるの!?」
ま、それは私、魔王さまだし!動こうと思えば、ね。
「ンッフー、テニサマハ自称魔王デハアリマセン!」
「ファーさん、テニの技は認めるよ!でもお尻丸出しで倒れる魔王様ってありか?」
「……ドウデショウ?」
ファーファ、そこは肯定してよ!ありって!
いや待て、これが噂とかになって、広がると困る!
「ミケお姉ちゃん!そのことは忘れて、お願い!」
「ふふ、分かった、もう言わないよ。この洗い物が終わったら武術の時間なんだ、一緒に稽古しよう!剣術、お願いね?」
「私こそ、体術お願いします!」
こうして私は、獣人族の体術を学ぶことになった。
次回サブタイトルは 【第71話】 消毒は大事 です。




