【第67話】 みんなで実食!とシーシナさんのぶっこみ!
おはようございます。
投稿です。
そこに焼肉係のシーシナさん、焼き立てのお肉を大皿一杯に乗せて持ってきた。
軽くほほ笑むお顔は、頬、紅く高揚している。
美味しい食べ物って、すごいなぁ。みんなニコニコだ!
「テニお姉さま、配ってよろしいでしょうか?皆様、お待ちかねですが?」
「いいよ!」
獣人達の目が私に集まる。
注目されると、自然に身体が動き始めた。
私は、ひのきの杖+3を強めに握りしめ、とん、と大地を突いた。
突くと同時に朝日が昇り始める。
ギラギラと輝く太陽が、凄い速さで姿を現した。
雲や森の木々、遠くの山々、皆、朝日に打たれまるで燃えているようだ!
周囲の鳥が囀り飛び立ち、辺りが一斉に動き出す。
あまりのタイミングの良さに、獣人族たちが息を呑む。
すると、シーシナさんがいきなり口を切った。
「これはわが主、魔王ア・キュウガ・テニイさまの振舞である!」
え?
固まる私。
と、周囲。
ひいいいいいいっ!
その紹介やーめーてーぇえええっ!
な、なんてこと言い出すのおおおおっ!?
泣き虫弱虫スキルが発動した!
俺を見て、魔王なんて思う獣人族、一人もいないよおおおおっ!
確かに俺、魔王だけどさぁ!
それにお肉集めたの、ファーファだよ!
シーシナさんカッコいいけどその紹介はなしだよっ!
それに!ほらっ!
周囲の獣人達が騒ぎ出した!特に子供たち!
……え?僕より、ちっちゃいよ?あの女の子……
……え?あの子、魔王さまなの?
……自称だよ!
……泣きそうなお顔だよ?どうしたのかしら?
……お着換え途中で、倒れた子?
……そうそう、運ばれてきた!
……え?まっぱって聞いたけど?
……タロくんをゆうわくしたんだって。
……ゆうわくってなに?
……さあ?
噂って、面白おかしく広がっていくんだね……
……でも、お肉、おいしいね。
……うん、おいしい!元気出る!
……ちっちゃい魔王様に感謝だね。
あまり気にしていない?
「テニサマ、獣人族ハ、オ肉ガ美味シケレバ、ソレデイイヨウデス」
「……そんなものかな?」
俺、気にしすぎ?
「ソンナモノデス」
まあ私としては『これは私の友人が何年も年月を掛けて、集め熟成した肉、心して食せ!』とか言えたらいいんだけど(もちろん!炎の大人バージョンで!)、うう、弱虫スキル発動で何も言い出せないよ!ごめんよ、ファーファ……。
「皆!いいかい!この肉は祝福された強い力の肉だ!よく噛んで食べるんだよ!決して欲張って食べるんじゃないよ!大人も子供も!」
おお、そんなに凄いお肉なの?トラ子さん、素直においしい!でいいんだけど?
(ファーファ、みんな、喜んで食べているよ!うれしいね!)
(……ハイ)
ん?お母さん達の会話が?
「今日の狩りは、うまくいきそうだな」
「ああ、朝からこんな、力の贈り物を食べれるなんて!」
かなり好評だな。
「小っちゃい魔王様に感謝だな」
「人族かしら?」
「ゴブリンみたいだが?こんな凄い食い物、今日の狩りはうまくいくぞ!」
食べながら、狩りとゴブリン(私)の話で盛り上がる獣人族達。
まあ、いいけどね。
狩りか、ミケも行くんだろうか?
「ミケお姉ちゃん、お姉ちゃんも狩りに行くの?」
「私は狼亭で手伝いだよ!タロは行くけど」
え……タロくん?大丈夫かな?あのイノノ相手に?
次回サブタイトルは 【第68話】 静かに動き出す世界 です。
最強パーティー、名前だけ登場です。
あ、ネタバレはやめたほうが、いいのかしら?




