【第63話】 テニお姉さま?
お早うございます。
投稿です。
「お姉さまって、シーシナがどう見ても年上でしょう?」
「ミケ、静かに」
「なにお母さん?」
「シーシナ、テニちゃんに助けられたのかい?」
「!」
トラ子さん、色々知っているみたい。
「いいかいミケタロ、獣人族は年齢と力で上下関係を判断する。魔族のシーシナは魔力で上下を判断するんだ」
「ならお母さん、テニの魔力はシーシナより上なの!?信じられない!」
ふははははっ!上なのだよ!私は多分、世界ランカーだと思う。
「獣人族から見れば、小さなテニをお姉さんと呼ぶのは変だけど、魔族からしたら当然なんだよ、よく覚えておくんだよ?いいねミケタロ!」
「「はい、お母さん」」
この時、私はミケタロに猛烈に嫉妬した。
羨望?なんだこの文字?
心に浮かび上がった文字だ。
いいなぁ優しいお母さん、ちゃんと叱ってくれるお母さん。
コンビニでオニギリ盗んでこい、なんて絶対言わないよなぁ。
まあ、泥棒はイヤだと言って逃げ出したけど。
「オークの里で邪神さまが暴れたって話だ、この村からも食料や資材を送っているし、お父さんも応援に行っている……激戦と聞いたけど?みんな大丈夫だったのかい?」
お?トラ子さん、旦那様のことお父さんって言うんだ。
「はい、被害は少なかったと聞いています」
「そうかい」
「その中で私は、テニお姉さまに助けられました」
「ええっ!?テニ、強いの?そうは見えないけど?」
ふふふっ、タロくん!人は見かけによらないんだよ!
「あ、そうか!ファーさんが頑張ったんだね?」
え?タロくん?そっち?
「ンッフー」
……まあ、ファーファも凄く頑張っていたし、そういうことにしておこう。
「テニも戦場にいたの?本当?なんか泣きながら逃げ回っていそう!」
「うっ、ミケお姉ちゃん私も頑張って戦ったんだよ?」
ミケの評価、容赦なし?でも、これは半分以上当たっているかも?
「明日は今日より忙しいよ!オークの里の復興で森の住人が動いているからねぇ、皆お腹空かせて来店しそうだ」
う、明日大丈夫かな?
「まあ、忙しいから人手が増えるのは嬉しいけど、バンに相談なく決めていいのかい?」
「はい、働くって言ったら喜びます!明日から、よろしくお願い致します!」
と、言って私を濡れた瞳でチラ見するシーシナさん。
……この瞳の意味は?
「オークの里かぁ……ねえ、シーシナ!戦場はどうだったの?」
「シーシナお姉ちゃん!お父さん、見た?活躍していた?」
「これ!戦場は死の世界だよ!好奇心で聞いてはいけないよ!」
お?トラ子さん、怒った?
「母ちゃんだって聞いたじゃん!どうだったの?シーシナお姉ちゃん?」
「タロくん……戦場は殺し合いだよ、私は魔族だけど戦いは好きじゃない」
「そうなの?じゃ、ファーさんもいたんだよね?何かお話ししてよ!」
「タロサマ、戦イハ弱ケレバ負ケマス、デスガ強イトイッテ生キ残レルワケデハアリマセン」
「あ、お父さんも似たようなこと、言っていた!それ獣人族の伝承にある!」
伝承?ん?シーシナさん?
「戦士は強くなければいけません、そして強いだけでは生き残れません、地に落とされた運命の女神、その末妹レンの言葉ですね」
次回サブタイトルは 【第64話】 末妹の女神蓮 です。




