【第54話】ファーファは抗議します!
お早うございます。
投稿です。
ギギギッ、と重い音を立て開くドア。
「テニサマ……」
ファーファを見ると、気分が落ち着いてきた。
眼鏡は外して、枕元にある。
頭には……包帯?
「あ、あのう、手当は?トラ子さん?」
「ああ、私だよ」
「あ、ありがとうございます、ご迷惑を……」
「いいさ、困っているときはお互い様さ、それに家のチビ共が原因だろ?」
静かに私を見る、ファーファとトラ子さん。
「ファーファ、怪我は大丈夫だよ、心配した?ファーファは大丈夫?」
無意識でも魔王がぶつかったんだ、壊れていない?
「ダイジィウブ……」
「杖と剣は中に保管?」
コクコク。
激しく頷くファーファ。
「ごめんよ、ファーファ。ファーファ、あれから何があったか説明して!」
大体タロくんやミケが無礼?あの二人が?
私は知っている、あの二人は元気で優しい獣人だ!
少なくとも一周目はそうだった!
まあ、タロくんにはじっくりと、見られたかも知れないけど。
「タロサマト、ミケサマヲオ呼ビクダサイ。ファーファダケノ説明デハ、偏ルト思イマス」
そして、私の前に並ぶミケタロ姉弟とファーファ。
腕を組み仁王立ちのトラ子さん。
で、三人の話を纏めるとファーファにぶつかった後、私はダウン。
その倒れた私の、あられもない姿を凝視し続けるタロくん。
タロくんの話だと、ここで我に返って助けようと近づく。
ファーファの話だと、触ろうとしたのであの『手』は絶対不埒な手だと思い、タロくんを遠ざけようとしたらしい。
で、ファーファが蹴る前にミケが「向こういってろおおっ!」とタロくんを投げ飛ばし、私に向って「タロを誘惑するなっ!寝たふりして!」と、その他諸々罵声を浴びせたらしい。
で、ファーファが切れてドゲシイイイッ!とミケを蹴り飛ばした。
……カオス?
話が続くと……更にカオスな展開が待っていた。
「ミケタロー遅いな?小川か?焼きそば出来るまで、まだ時間あるよな?俺達、見てきてやるよ!」
そう言って席を立つオーク達。
ドゲシイイイッ!
「いまオークの悲鳴が聞こえなかったか?ミケタローも遅いな?」
そう言って探しに向うエルフ警備員。
ドゲシイイイッ!
「帰ってこない?」
不審に思ったトラこさん、森の小川に行くと、私を守って戦闘態勢のファーファと遭遇。
落ち着かせてここまで私を運んだと。
「で、でもなんでオークやエルフの警備員までも蹴っちゃったの!?」
「……」
ファーファ、無言。
ちょっと、いやかなり怒っている?
チラリ、とトラ子さんを見る。
トラ子さんの、視線を感じたからだ。
「オークやエルフは……ゴーレムが女の子を襲っていると思い、そのゴーレムを攻撃したんだ」
「えええええええっ!?」
「盗賊、野盗が最近よく使う手でね、ゴーレムを悪用するのさ」
「ファーファハ抗議シマス!ファーファハ泥棒ナンテシナイ!意味無ク子供ヲ襲ッタリシナイ!」
私の横で蹲るファーファ。
まるで泣いているみたいだ。
……なんか腹立ってきた!
確かにオークもエルフも、私を助けようとしてくれた?けど、けどぉ!ファーファを盗賊扱い!?
「……トラ子さん、そのオークやエルフの警備員は何処に?」
次回サブタイトルは 【第55話】狼亭の災難 です。




