【第52話】ミケとタロ再び
お早うございます。
投稿です。
「癒やしを得意とするのですか?」
「癒やしだけではない、戦闘も得意だぞ。まぁ淫による癒やしは、聖女や勇者は嫌うが、生き物の本能に根ざす癒やしだ。魔王ア・キュウガ・テニイ、我が娘、第四使徒を名乗るぞ、よいな」
「え?」
いや、確かに繋がりがあるみたいだけど?
「そうだな、第四使徒、夕闇のシーシナでどうだ?」
「お母さま、恥ずかしいです」
「この名に恥じぬよう、技を磨くとしようか」
「お母さま?私のお話、聞いています?」
「では第一使徒!魔王ア・キュウガ・テニイ!事あらば、いつでも呼べ!」
いつでも呼べって、どっちを!?お母さん、来る気満々でしょう!?
絶対第四使徒より先に来るね!私は確信するっ!
ん?
ここで疑問が一つ浮き上がった。
「あのう、質問いいですか?」
「ほう?よいぞ、なんだ?」
「私はシーシナさんを魔力で癒やしました。そしてシーシナさんは私の眷属になった。バンさんに癒やされた私は、バンさんの眷属になったのですか?」
それでファーファが怒られると思ったのでは?
「ふふふっ、魔王の膨大な魔力を、我如きが染め上げきれるわけがなかろう?我は安らぎを送っただけだ、よいな、ことあらばいつでも呼べよ?」
そう言って仲のいい母と娘は黒い翼を広げ飛び立った。
並んで飛び立つ二人を見送っていると、じんわりと弱虫スキルが発動した。
賑やかさと華やかさが消え……なんだか寂しくなったのだ。
サキュバスのバンさんはとても魅力的で一緒にいるだけで楽しくなるような人……じゃない、サキュバスなんだ。
あんな人(人でいいや)がシーシナさんのお母さん?
いいなぁ。
「ファーファ」
「ナンデスカ?」
「あの二人、羨ましいや」
パタパタ。
ん?翼の音ではないな?
よく見ると、ファンシー&フェミニンが木の枝に干してあった。
「うわ、これめっちゃ恥ずかしいんですけど!」
初期装備の白いボロボロのワンピースは着ているけど、俺、ノーパン!?
慌てて小枝からファンシー&フェミニンを引ったくる。
「ダイジョウブデス、綺麗ニオ洗濯イタシマシタ」
「あ、ありがとう、ファーファ」なぜか赤面する私。
ん?何が大丈夫なのかな?俺、変な座り方していなかったか!?
シーシナさんの位置から丸見えだったのでは?
だから彼女、声が小さかったのでは?なんか言いたそうにモジモジしていたし!
……おわた?
パンツを手に取りじっと見る。
「改めてみると、凄いパンツだね、刺繍が凄いや、これ、マジックアイティムだから、サイズ小さくなるけど、今の私に、合っているかなぁ」
まあ、子供っぽくはないな。
もそもそと、右足を通し、左足を……ん?
ワンピース邪魔だな、上まで、よっ、と上げて……?
後ろに人の気配!?あ、油断した!?
「ねーちゃん!キャベツここにあったよ!石にひっついてい……」
「え゛?」←私。
「あ?」←タロくん。
……タロくん、久しぶり!でも、どこを見ているのかな?
「お、お、お、お前っ!タロに何見せているんだよっ!」←ミケさん。
次回サブタイトルは 【第53話】タロくんの災難 です。




