【第26話】オークの里、攻防戦!力の贈り物
お早うございます。
投稿です。
私はひのきの杖+3を更に深々と大地に挿し、力を込めた。
白銀の魔法陣が浮かび上がる。
強めの魔法陣。
石室内は、太陽が現れたくらいに眩しい!
魔王の目で改めてアロウザさんを見る。
もう、命の灯は消えかけている。
「リイン、この戦士は今まで頑張って生きてきたんだね」
「……ああ」
「ならば、安らかに死を迎えるべき?」
「……どうだろう?まあこいつは、戦場での死を望むかも知れないが……」
選択できないかな?
私には、選択肢がなかった。
あの母親を助けることも、捨てることもできなかった。
ただ、死にゆく姿を見つめるだけだった。
金も、知恵も、知識も、権力も、およそ、力に繋がるモノはなーんにもなかった。
天に祈るか?
空はただ高いだけだ。
手は届かない。
叫んでも、悲しいだけだった。
「うーん、魔力の譲渡ってできるの?」
「なんだ?突然、基本だろ?攻撃魔法は相手に破壊の魔力を渡すってことだぜ?回復は癒やしの魔力を渡すってことだ。まあテニさまクラスなら、魔力の固まりを、はいどうぞってできるかもな。この魔法陣に浮かぶ銀色の魔力、渡すのか?」
「アロウザ・グロウ・ジャイアント、ここに銀の魔力を置いていく、どう使うかはあなた次第。勝手に使っていいよ。さあ、リイン行こう、墓守の5名が苦戦している!ファーファも!」
「チッ、テニさま、気前よすぎだぜ?こんな力の贈り物!おい、デカブツ!その贈り物、大事に使えよ?戦いに使うんだったら、以前のように戦えるぜ、ただし、魔力が尽きると、命も尽きるが……」
「そうか、戦えるのか……」
「解呪に使うんだったら、呪いはその魔力で上書きできる。けど病気はそのままだ、治療が必要だ」
あの銀の魔力、どう使うかは任せた。
今からは、目の前の敵に集中だ!
数は多いけど、こいつら魔力が低い!
どうにかなる……かな?
泣き虫でもいいが、弱虫では立ち向かえない!
強くなるんだ!
石室を出た瞬間、雨の代わりに無数の矢が降ってきた。
ぶわっ、と燃え上がる私。
黒い炎が吹き出る!
ああ、あの現象だ、サキュバスのシーシナさんを助けた時の!
強者の私だ!大人の、大きな私だ!
「おわっ!テ、テニさま?と、突然、形態変えるなよ!ビックリするじゃねーか!」
「これ、無意識だったんだけど、ちょっと分かったみたい!」
降り注ぐ矢は、私にヒットする前に燃え尽きた。
いや、金属製みたいだから、融解?だろうか?
落ちた矢は、赤く発光し、高熱の水たまりみたいになっている。
周囲は?そこまで炭化していない?
これ、防御の魔法かしら?うまくいけそう?
そして、星明りに浮かび上がる異形の戦士達!
スケルトンとゾンビの混合部隊だ!
スケルトン、リアルで見ると怖すぎ!
そ、そしてゾンビ兵!
ななな、な、なにあれっ!う、動いてるぅううっ!
む、無理ですぅ!
こわいっ!
「……やっぱり、やめよう!怖いっ!」
じゅっ、と音を立て消える私の黒い炎。
次回サブタイトルは 【第27話】オークの里、攻防戦!エルフじゃないよ です。




