【第21話】オークの戦士と魔王さま
こんにちは。
投稿です。
「死の神さま?違うよ」
「……では?」
ここは正直に!
「黄昏の破壊神ラグナローク、またの名を、魔王ア・キュウガ・テニィ」
ファーファが私に向い、恭しく礼をする。
「……?」←アロウザさん。
「……?」←私。
「んふーっ!」←ファーファ、自慢気。
「どわはっははははっ!これは笑わせてくれるっ!がははははっ!病も吹飛ぶぞ!」
突然笑い出すアロウザさん。
えええっ?!
事実ですけど……何で笑うの!?
大きな声が石室内にこだまする!
「伝説の破壊神だとぉ!?どわははははっ!」
どこがツボか知らないが、アロウザさんは涙を流して大笑いした。
「病に苦しみ、もう笑うことなど無いと思っていた……さあ死の神よ、思い残すことはもう無い!私の命灯、吹き消すがよい!」
豪快なオークさんだな。
「だから、違いますって!」
「そうなのか?」
「はい、違います!」
「不思議な童だな?」
じっとオークの戦士を見る。
歴戦の戦士らしく、大小様々な傷痕がある。
「……アロウザさんは、奴隷では無い」
「ん?ああ、そうだ、ワシは邪神の誘惑に勝ち続けた!」
「誘惑?」
「ヤツは言う!多少の悪事は誰もが行なっている、だからお前も行なえ!誰も見ていない、さあ悪事を行なえ!とワシの声であいつは誘惑するのだ!」
「それに、戦い続けたと?」
「そうだ!カムカナは邪神の声を自分の声と思った。そして毒蟲魔王カムカナになった」
「カムカナを知っているのですか?」
「あいつはいいヤツだった。だが邪神の誘惑に負けたのだ」
「そして邪神の奴隷になった?」
「そうだ……ワシは内なる声に戦いを挑み続け、勝ち続けた。だが、その呪いの声は、毒を含んでいてな、ワシは病気になった」
「病気は……」
心臓かな?傷みたいなのが、沢山見える。
他にもお腹の中に傷が……少しずつ蝕むんだね、酷い!
黒い霧は上書きできるけど、傷はどうだろう?
「何を見ている?死の神」
「病気は治りたいですよね?」
「当たり前だ!」
「では治って、何をしたいです?」
「!?」
「治っても、更にその戦いが続くのです、苦しくないですか?」
「戦うのが戦士の定めだ、苦しいが苦しくない、病が治ったら、更に戦い続ける、それだけだ」
なんか、凄いや!格好いい!?
立派……かな?
「ア・キュウガ・テニィ、死の神でなければ、お前は邪神と同じ、誘惑者か?」
「え?誘惑?」
一瞬、ボンボン!のサキュバス・シーシナさん(せくしーポーズ)が脳裏を過ぎる。
「お前と話すと、死の覚悟が揺らぐ、病を治す代わりに、魂をよこせと言うのではあるまいな?」
魂?
「あの、ごめんなさい、魂ってどう扱っていいのか分かりません!だからいりません!」
弱虫スキルが発動した!
うう、魂?なんか怖いよ!見たことないし、何だよそれ!
「まさか……旅神か?」
「え?」
「旅神は、笑顔が好きで、幸運と幸福を蒔くらしい。男の旅神はアラハバキ、女の旅神はオタフクともオカメとも言うらしいが……」
「旅神サマハ幸ト不幸ヲモタラス、旅スル精霊サマ」
「ゴーレムのファーファ、ではこのア・キュウガ・テニィはワシに何をもたらす?」
次回サブタイトルは 【第22話】第二使徒がポン! です。




