【第13話】それが、そうなの
こんにちは。
投稿です。
「俺達はもう魔王ア・キュウガ・テニィさまに上書きされているし、繋がりが出来ている」
勝手に繋がりとか言わないでよ!
ん?あ、でも意識を向けると、虫達の不安や期待がもやっ、と感じる?
これが、そうなの?
「第一使徒の言うとおり、この方は俺や虫達を邪神の呪いから解放したお方、再び命を灯してくれた、新しい俺達の主、本当の魔王様だ!我らが忠誠をあなたに」
あなたに、って言われても忠誠ってなに?
「我ラガ命、捧ゲマス」
「捧ゲマス」
虫達の大合唱が始まる。
私を余所に、お話しがドンドン進んで行く……。
「こ、こ、こ、こここ困るよっ!」
勝手に主にしないでくれる?
困ると、否定した瞬間、虫達の悲しい感情が伝わってきた。
「!?」
こ、これは……!?
あ、こいつらの感情、何処かで?
この否定された時の悲しい感情、私、知っている!
ああ、母さんや小さい時、小学校で味わった、あの時の感じと同じだ!
無視され、相手にされなかった時の気持ち。
いらないと言われた時、遊ばないといわれた時、鉛筆折られた時、あの時味わった感情だ。
俺は……私だけはこの虫達を拒んではいけないんだ……怖くて面倒いけど。
ああ、もうダメだ、こいつらを見捨てることができない……。
繋がりがある、確信できる。
再生した時点で、私の眷属だったんだ!
「テニサマ?」
「分かったよ、ファーファ、リイン、お前ら皆、私の眷属!名前も付けたし」
虫達をよく見る。
勿論リインもだ。
前の姿より、サイズこそ小さいが、凶悪さは増している!?
なに?これも私の影響か?
私ってそんなに凶悪なのかしら?
私の考えを感じ取ったのか、リインが自分達のことについて話した。
「魔王ア・キュウガ・テニィさま、我々は見た目、肉食系だがもう肉は食えなくなった。樹液や花の蜜、草木の魔力を分けて貰い、生きていくようになった」
あ、あの小さな魔昆虫が言った、言葉の影響か?
これはもう、リインを第二使徒にする以外、道は無いな。
こいつを責任者にして、私はとっととこの場を去るとしよう!
うん、それがいいっ!
ここは強気で!
「リイン、今からお前は私の二番目の使徒、いいな?」
「はい」
おお、素直!即答だ!
「毒蟲魔王カムカナとその一族は滅んだ!今からはリインとその一族だ。この地の毒と薬で、この森に住む妖精や人族達を影ながら助けろ」
「影ながらですか?」
「そうだよ、リイン。表に出ると誰かが気づいて、討伐隊が来るかも知れない。だから、影で動け、病気や怪我で苦しむ妖精や人がいたら必ず助けろ」
「はい、約束します。討伐隊が来たならば、本当に逃げてもいいのですか?」
「逃げろ、生き延びろ!どうしても危ないと思ったら私を呼べ、私も危険を感じたら皆を呼ぶから」
「呼ぶ?ここには住まわれないのですか?」
「私は旅する魔王、王都を目指す。王都ですることがあるから」
こうして私は、後の生命の森を後にした。
次回サブタイトルは 【第14話】まさかのこれも、周回? です。
では短いですが、番外編をどうぞ。
番外編
「ねえ虫さん」
「何デショウ?魔王テニサマ」
「虫って、普通、鳴くのは雄、男の子だけだよね?」
「私達ハ虫デモアリマスガ、基本魔物デス、女ノ子モ鳴キマスヨ」
「え?そうなの?」
「ハイ、オ互イ綺麗ニハモッタラ、カップルセイリツデス」
「え゛!?なにそれ!カラオケ?私、音程外れるんだけど」
「外レタ者同士、カップルニナリマス、心配ゴ無用デス」
「……それでいいの?虫の世界?」
「魔昆虫ノ世界デスカラ」




