【第108話】 上昇する渦
お早うございます。
投稿です。
「乾燥終了、聖女クルルン、オ着替エ手伝ウ」
「え?いいのですか?その魔王キュウガは?」
「パンツ、ワンピースノミ、第一使徒ハ今後ノタメ、聖女クルルンヲ手伝ウ」
「ファーさん?今後とは?」
「ソノウチ、テニサマブラ必要!」
そう言ってファーファは私の胸を見た。
「タブン」
たぶん?
あ、なんか傷ついたぞ!そして腹立った?
中身は男の子なんだけど、改めて『タブン』とか言われると闘志に火がつく!
「あのう……ぶら?とは?」
不思議そうに聖女クルルンが訪ねる。
「女性用胸当テデス」
「あ!」
チラッ。
「……」
「ああああっ!聖女クルルン!無言で目ぇ逸らしたぁっ!!」
「な、なんのことでしょう?さあ、早く焼きそばを!ユキ達が心配しています!」
「誤魔化していませんか?」
「さあ、早く!行きましょう!」
さっさと着込んで、このまま押し切る気だ。
まぁいいけどさ。
「……そうだね」
うう、ここは誤魔化されてやろう。
ちゃちゃっと服を着る私。
そして狼亭まで、魔力のお話をした。
今、私は賢者への道ができているそうである。
なんだそりゃ?
「そもそも賢者ってなに?頭のいい人?」
「より以上の魔力を扱える個体です」
?
「魔力を使えるだけ?」
「そうです」
?
「ただし、より正確に、より緻密に、あらゆる属性を自分の魔力に応じて使用するのです」
?
「歴史上、いろんなタイプの賢者がいたと伝わります」
「どこに伝わっているの?」
「そうですね、各種族、王都図書館、王族、色々です」
ふーん。
よくわからん!
「質問!その賢者の位置に頻繁に接触、接続していれば、魔力の制御がうまくなるの?」
「はい、ですが賢者の位置に魔力を持って行くには、多くの魔力とより正確な魔力制御が必要ですよ」
「矛盾していない?」
「渦、と思ってください」
「うず?」
「廻りながら上昇していく渦です、イメージ湧きませんか?」
うーん?スプリングみたいな感じなのだろうか?
「ループではいけなのです、賢者の位置との往復だけではいけないのです!」
わからん……さらに疑問。
「賢者の位置に行くだけでも凄いこと?たとえそれが一回だけでも?」
「そうです、でもそれで満足しては次がありません」
「次?」
「大賢者ヘノ道デス、伝説ノ道デス。ソノ先ハ……」
面白そうだが、めんどくさそう……第一俺、魔王だし。
魔力の制御がうまくできれば、まずは、それでいいや。
!?
ここで聖女クルルンと目が合った!
「いい匂いっ!」
「な、なんですの!?この匂いは!?」
「これ、ファーファが熟成したお肉なんだ!行こう!」
「は、はい!急ぎましょう!」
!?
聖女クルルンはサッと私の手を取り、走り出した。
次回サブタイトルは 【第109話】 優しい手 です。




