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見慣れぬゲーム

初投稿の為、誤字脱字があるかもしれません。

適宜、修正加筆予定です。

ゲームセンター

それは様々なゲームを集めた娯楽施設


昔は喫茶店内のテーブルゲームが置いてある所が主流で、サラリーマンがコーヒーを飲むついでに遊んで行ける場所でもあった。


時代が進みゲームのみを設置した店が増え、素行の悪い者たちが集まりやすい施設とも言われる時代もあった。


更に時代は進み、現在ではターゲット層が家族、恋人、友人、子供向けと多種多様なゲームが設置されている施設である。


純粋にゲームが好きな人が集まる場所と思われているが、デートに、待ち合わせに、時間潰しに、何となくと世の中には色々な考えで来ている人が居る。


中には悪い事を目的に来てる人もいるとか居ないとか。


頻繁に訪れる人は略してゲーセンと言う人も多く、ゲームセンター、ゲーセン、どちらでも会話が成立する事が多い。


パーソナルコンピューターをパソコンと言うように普段行かない人でもゲーセンと言う事も少なく無い。


正式名称で呼ばなくても大抵の人に通じるくらいに認知されている施設だろう。


さて、今このお店に入ってきた彼はゲームが好きで好きで四六時中ゲームに触れていたい気持ちで溢れてる人間である


(さて、何やろうかな?)


そんな事を考えてる彼を紹介しよう

須子森(すごもり) 帯人(たいと)28歳。

とあるゲーム会社に勤めているサラリーマン。

営業の外回りの合間や休憩時間になるとご飯を食べる時間を節約して少しでも遊びを優先する。

趣味は多種多様なジャンルのゲームで遊ぶ事。


家庭用ゲーム、アーケードゲーム、PCゲーム、オンラインゲームと、様々なゲームに手を出す程にゲームが好きだ。


その中でも好きな部類に入るのはアクションゲームと呼ばれるゲームである。


許されるなら四六時中ゲームで遊んでいたいと思っている程にゲームを愛している。


そんな彼が店に入ったきっかけは単純だった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


時を遡る事、帯人がお店に入る少し前。


居酒屋が並んでいるエリアの路地裏にあった小さな看板。


<ゲームあります>


主張が弱く怪しさ満点であったが扉に貼ってあったポスターがゲームセンターに貼ってあるアーケードゲーム専用のポスターだった。


ゲームショップや基盤を扱ってる店の可能性もあったが帯人のカンが「ここはゲーセンに違いない」と囁いた為、扉を開けて中に入る事にした。


扉を開けるとすぐに地下への階段が伸びていた。


初めて入るゲーセン(と決めつけて)に心躍らせ、階段を降りていく。


何が置いてあるかも分からない、そもそも本当にゲームセンターなのかも判明していないうちから遊ぶものを頭の隅に浮かべて行く。


短時間ならシューティング?


それとも格ゲーでコンボ練習?


音ゲーをワンセットやるのも時間的には丁度良いかな。


踊り場を通り、右へ続く階段を降りて行くと更に扉があった。


ライブハウスや映画館などで見る外に音を漏らさないような扉だ。


手前に引くタイプのようで、空気圧からなのか少し扉が重く感じた。


扉を開け中に入ると予想通りのゲームセンターであった。


「お、やっぱりゲーセンだ!そしたら、まずは何があるか確認からだな」


店内は少し暗い雰囲気で一昔前ゲーセンのような風体をしていた。


置いてある筐体も最新とは言いえない物が並んでいるが、見る人が見れば懐かしさに感動するだろう。


「横スクは覚えてるもんだとワンコインで数時間遊べるし、30分くらい潰すなら穴掘りゲームもありか」


店内のゲームを確認し、ここが普通のゲーセンとはちょっと違う事が分かった。


最近の明るい感じな万人向けの大手ゲームセンターのようなものではなく、入って直ぐに分かったように一昔前の個人経営のような雰囲気であった。


特筆すべきは店の奥にBARのカウンターがあり店員と思われる人物がグラスを磨いている事だろう。

そして、その後ろにはお酒と思われる瓶が並んでいた。


「珍しい。ゲーセン内でお酒飲めるって事か?」


一般的なゲームセンターはアミューズメント施設として申請登録している為、アルコール類の販売はしてはいけないのである。


ただし、飲食店としても申請している場合、販売は可能である。更に店員とお客が一緒にゲームをやらない場合に限り、ゲームバーとしては成立する。


しかし、そこには更なる落とし穴がありゲームの動画等を流すにしても著作権が発生する場合がある為、気軽に『ゲームバーを始めました!』とはいかないのである。


時代によって法律は移り変わる為、もしもコレからゲーセン経営やゲームバーを始めようとするなら最新の情報を確認した上で始める事をお勧めする。


帯人は店内の筐体を順に確認して行くと一筐体だけ少し離れた位置にポツンと設置されているのを発見した。


それは一つで100を超える複数のものが遊べる台だった。


「あー、こういうアングラなゲーム機あったな、懐かしい」


レギュレーション違いのゲームが集められた違法とも言える改造ROMやエミュレーターが搭載されたもので、時代が進むにつれ消えていったものだ。


遊べるなら何でもいいと言う人、一つで色々遊べるのは便利だと言う人もいる。


店側からしても、店舗の大きさの都合で筐体を置ききれない時や色んな人に来て欲しいと考えた時に一つ分のスペースで集客を見込めるのであればと考えていた店舗も少なく無い。


「コレって場所によって中身も微妙に違うから何が入ってるか見るのも楽しいんだよなぁ」


帯人はレバーを操作して入ってるゲームを確認していく。


その中に他のとは少し違うタイトル画面が出て来た。


それはメーカー作品のように作り込まれてる訳では無く、いかにも初めてゲーム作成しましたとでもいうような、人によっては懐かしく感じる素人感丸出しの画面が表示されていた。


「Another World」


別世界。

ファンタジー物の定番であり、昨今では当たり前のように転生したり、転移したりする現実とは違う世界。


厨二病真っ只中な人が考えそうなタイトルである。


「所謂同人ゲームってヤツかな。同人から企業になってアーケードにまでなった物もあるけど、コレは…」


デモ画面でゲームのプレイが見れれば何となくゲームの中身がわかるのだが、タイトルが軽く点滅しつつ表示されているだけなので、タイトル画面からは何のゲームかは分からない。


通常であれば貴重な1コインと時間を無駄にはしたくないと考えるはずなのに、帯人は何故か触って見たくなった。


「まぁ話のネタになるだろうし、写真撮ってプレイした結果を仲間達に流してみるか」


友人達との話のネタにする為にスマホでタイトル画面を撮り、ポケットから100円を取り出し筐体に投入しスタートボタンを押す。


『Welcome To Another world!』


少年のような声が再生され、画面が暗転していく。


そして、切り替わったのは3Dダンジョンのような画面だった。


「マジか!?あのタイトルからいきなりウィザー●リィみたいなゲーム始まるのかよ!」


想像していなかった方向のゲーム画面が出てきて帯人のテンションが上がった。


「この手のゲームだと初見殺しや理不尽が襲って来たりするが、果たしてどうなるやら…」


3Dダンジョンのようであるが左右が木に覆われており、人が作ったであろう道をレバーを操作して進めていく。


試しにレバーを横に倒すと視点が90度回転し目の前には木々が表示された。


奥の方は多少見えるものの、森の中を見ていると言って差し支えないだろう。


どうやら森の中をぶち抜いて作られた道のようだ。


「開始直後から何の説明も無しに道のど真ん中からスタートか…。一昔前のゲームタイプかプレイヤーの事を何にも考えていないタイプか…」


帯人はぶつぶつ言いつつ苦笑いした。


「まぁ超有名な配管工も説明書が無ければいきなり野に放たれてお姫様助けに走り始めるけどさ」


今でこそゲームの開始や途中に物語が入るタイプも増えてきたが従来のゲームセンターのゲームは筐体上に付いてるポップに軽い説明があったり、そもそも操作説明以外には何もなかったりするのが普通であった。


デモ画面で軽いプレイ動画を流して興味を持った人にやって貰うなどもあるが、スコアランキングとタイトルを繰り返すモノもある。


最近では専用のICカードや交通系カードがあれば初回無料!となっているものもあり、プレイヤー確保を頑張っている筐体も多い。


ゲームの視点を元に戻して進めて行くと目の前に猪が現れた。


画面の半分くらいを埋めているので、倒すべきモンスターだろう。


<猪が襲ってきた>


画面に説明が現れて渦を巻くように暗転していく。

次の瞬間、何故か格闘ゲームの画面に切り替わっていた。


「はい?」


帯人は選択式の戦闘画面を想像していた。


しかし切り替わった画面は上部に体力ゲージと中央に99の数字。


そして武器を装備した人物と先ほどの猪が対峙して立っているどこか見覚えのあるような格闘ゲームの画面であった。


呼吸を表現しているのか一定のリズムで軽く上下に動く人と猪。


帯人は画面が切り替わった後、動揺しつつと無意識のうちにレバーを左右に動かす。


所謂、動作チェックである。


「普通に動くって事は人がプレイヤーで猪を格ゲーの画面で倒せと」


レバーの次は各種ボタンを順番に押してチェックする。


初めて触るモノで説明が無いタイプは先にやれる事を確認しておかないとゲームにならずやられてしまう。


確認せずに負けて1クレを失っても、調べず突き進んだ方が悪いのである。


複数ボタンはあるものの反応したのは二つだけ。

攻撃と防御だった。


レバー左右は移動と上下でジャンプとしゃがみ。

攻撃は地上とジャンプ攻撃の2種のようだ。


動作確認している間も猪は軽い上下運動をしてながら、片足で地面を蹴るモーションだった。


アクションの少なさからコンボを決めるタイプではなく、差し合いをするタイプのようだった。


コンボゲー触れる機会が多かった帯人はコンボにならないと思いつつもジャンプ攻撃から通常攻撃と言うよくある連続攻撃を繰り出した。


ブモォォォ…


何の抵抗も無く2連撃が当たり猪が倒れた。


ちゃららら〜


<YOU WIN>


呆気なく初めての戦闘が終わってしまった。

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