表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

97/122

第97話 クチノッタ島4

「まずはワシから! 『ウォーターボール!』」

「次はあたしね! 『マジックシールド!』」


 シモンが作った水の玉を、イザベルのシールド魔法で(おお)(かこ)む。


「これで仕上げじゃ! 『ファイアーボール!』」


 シモンが作った火の玉が現れ、シールドの中の水を沸騰(ふっとう)させ水蒸気(すいじょうき)に変化させた。


「それじゃあ、ニコラちゃん、ジャクリーヌ、いくぞい!」

『せーの!』


 シモンとイザベルはタイミングを合わせ、火の玉と水の玉を左右に放った。それは、洞窟(どうくつ)の壁を沿って円を描くように動き、ミノグランデを左右から(はさ)み込むように(せま)っていった。


「こんな目立つ真似(まね)をして、オレ様によけろと言っているようだ!」


 ミノグランデがスッと後ろに下がり、2つの玉を交わした。


「どりゃぁぁあ!」


 2つの玉がぶつかる寸前(すんぜん)に、待ち構えていたジャクリーヌが水の玉を包んでいるシールドを叩き割る。

 ドカーン、ぶつかった2つの玉は大爆発を起こし、ジャクリーヌの剣の衝撃(しょうげき)により、その爆発(ばくはつ)は全て前方のミノグランデへと向けられた。


「よし! 今だ!」


 ミノグランデに(せま)爆風(ばくふう)に、勇者が風の力で起こした追い風を送る。爆風(ばくふう)威力(いりょく)を増し、ミノグランデに直撃(ちょくげき)した。


綺麗(きれい)に決まったようだな!」


 パシーン、後列で魔法職の2人が、前列で戦士職の2人がハイタッチを交わす。


「ニコラちゃんの風の力を加えて、以前の2倍近く威力(いりょく)が上がっておるはずじゃ! これで(しま)いじゃよ!」

「いや、そうはいかないかもしれないわ!」

「どういうことじゃ?」


 そのとき、爆発(ばくはつ)で起こった(けむり)が消え、中の様子が見え始めた。


「なんだと!? あれを喰らって立っているだと!?」


 (けむり)の中から現れたミノグランデは、傷をおっていたがその場に立っていた。


「やはり、そういうことだったのね! 一旦作戦を練り直す必要があるわ!」

「そうじゃの! ヤツも回復のため、しばらくは動けんじゃろしな!」


 シモンは勇者とジャクリーヌを呼び寄せ、イザベルの前に集まった。


「それで、なにがわかったというんじゃ? イサベルよ?」

「さっきの爆発(ばくはつ)、ぶつかる寸前(すんぜん)にシールド魔法がでていたの。ほんの一瞬(いっしゅん)だけどね」

「なるほどな。それでダメージを軽減(けいげん)されて倒しきれなかったのだな」

「ちょっと待つのじゃ! それはおかしくないかのう! ミノグランデのヤツが、魔法を使えるわけが無いじゃろて」


 全員で悩んでいる間に、ミノグランデの傷はどんどん回復していく。


「皆さん、そんなに悩んでどうしたというのですか?」

「おおっ! ロレンツォ戻ったのか!」


 ロレンツォは、薬師(やくし)フランコを(なわ)(しば)り上げ戻ってきた。


「2体相手とは、皆さんも苦労されているようですね」

「そうなんだ! あのミノグランデというヤツが、硬い上に自然回復のスキルを持っていて大変なんだ!」

「!? ちょっと待って! ロレンツォさん、今2体相手って言わなかった?」

「ええ、たしかにそう言いましたが……それがなにか?」


 ロレンツォはイザベルの言葉に首を(かし)げている。どうやら意味が通じていないようだ。


「あたしたちは、あの牛の化け物1体と戦っていると思ってたんだけど、そうじゃないのね?」

「なるほど、そういうことですか! 皆さんには、あそこにいる魔術師の魔物の姿が見えていないのですね。まあ、隠蔽(いんぺい)(たぐい)の魔法使っていますから、仕方がありませんね」

「あの方向ね! 『マジックキャンセル!』」


 イザベルは、ロレンツォが指差す方向に魔法解除の呪文(じゅもん)(とな)えた。すると……


「本当におったわい! デカいゴブリンの魔術師がのう!」


 そこには、大きな錫杖(しゃくじょう)を持ち袈裟(けさ)のようなものを着た、青肌の大きな魔術師ゴブリンが立っていた。


「ちなみに、牛の化け物は自然回復のスキルなど持っていません。あの魔術師が、回復呪文をかけていただけのようですね。魔術師を抑えつつ、牛の化け物を倒すのはいかがでしょうか?」


 勇者たちはロレンツォの提案に顔を合わせて(うなず)くと、勇者とシモンはミノグランデに、ジャクリーヌとイザベルは魔術師に向かっていった。


「2人が魔術師を抑えとる間に、ワシとニコラちゃんでミノグランデを倒してしまうぞい!」

「うん! わかった!」


 勇者とシモンは、様々な魔石の力とシモンの魔法を連携(れんけい)させて戦うが、なかなかミノグランデを倒し切ることができない。


「くっ! こやつ予想以上に硬いのう! せめてここが外であればよいのじゃが……」

「あれっ? 急に明るくなってきたよ!」


 シモンが悩んでいると、洞窟(どうくつ)の中が突然明るくなった。


「わあ! 月だ! 月が見えるよ!」


 勇者が空を見上げると、まん丸から少しだけ欠けた月が少し赤みがかった白い色をして出ていた。


「なんとここは、上が空いておったのか!」


 月にかかっていた雲が無くなり、月の明かりが洞窟(どうくつ)の中に差し込んだのだった。


「それじゃあ、ニコラちゃん! アレを試すとするかのう!」

「アレだね! わかった!」


 シモンはそう言うと、杖を構えながら(ねん)じ始めた。


「なんだ? いきなり暗くなったぞ! きさまら、なにをした!」


 空に雲が集まり月の明かりが(さえぎ)られ、再び暗くなった。ミノグランデはなにが起こったのかわからず、(あせ)っているようだ。


「いくぞい! 『ライトニングボルト』!」

「いけ! (いかづち)の力!」


 ピカッ! ずずーん!! 辺り一帯が激しく光ったかと思うと、轟音(ごうおん)と共に2つの(いかづち)が降り注ぐ。


「ぐわぁぁああ!!」


 2つの(いかづち)を同時に受けたミノグランデは、美味しそうなローストビーフになった。

お読みいただきありがとうございます!

続きが気になる、面白い!と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします!

このページの下にある、

【☆☆☆☆☆】をタップすれば、ポイント評価出来ます!

ぜひよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=818740172&size=135  ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ