第九十八話
アミール達やファビオ達への扱いに対するヨハンの問いに答えたルイリは、
「まあ、そんなわけで美胡さんを雇うのはちょっと無しかな」
と、美胡への勧誘問題についての結論を話すと椅子代わりに座っていた階段から立ち上がって背伸びをすると、
「…フランクさんはいつ戻ってくるんだろうね…。早く戻ってきてくれないと勝ち目なさそうなんだけど…」
と、言ってフランクが向かった王都の方角に視線を向けたのである。
そんなルイリにヨハンは、
「全速力の往復でもここから王都までとなると一週間はかかるでしょう。…事態が急速に悪化しすぎましたね…」
と、言って話し掛けたのである。
それにルイリは、
「…フランクさんに王都に向かわせるのはちょっと早かったかな…?もう一日遅らせて今の状況がわかった状態になってから出発してもらう方が良かったかな…?」
と、言ってフランクを出発させる日を間違えたかもしれないと言ったのである。
ルイリのこの発言にヨハンは、
「もうこうなったらフランクが早く帰ってくる事を祈るしかないでしょう」
と、言ってもう諦めるしかないだろうとルイリに告げたのであった。
これにルイリは、
「…祈るしかしかないか…」
と、言ってヨハンの言葉を受け入れる事にしたのであった。
そんな暗い雰囲気になっているルイリにヨハンは、
「…そういえば美胡さんとはずいぶん早く打ち解けたように感じるのですが…何か共通点でもあったんですか?」
と、尋ねて話題を変えたのである。
これにルイリは、
「え?ああ、共通点ね、うん…」
と、言い、続けて、
「…これはヨハンさん達にも話してなかった事なんだけど、私の母が瑞穂の人間だったんです」
と、話したのである。
これにヨハンは、
「…ルイリさんの母が瑞穂の?…という事はルイリさんはエクバート人と瑞穂人との混血、という事ですか?」
と、言ってルイリに確認をしたのである。
このヨハンの問いにルイリは、
「ええ。私の髪の毛と目が黒いのもその為だね。瑞穂人はほとんどが黒髪黒目だって話だから」
と、説明したのであった。
そして続けて、
「それで私の母の故郷と美胡さんの故郷が一緒って事で早く打ち解けたんだよね」
と、言ってヨハンに説明したのである。
ルイリのこの言葉にヨハンは、
「そういう理由でしたか。そういえばルイリさんの母上はもう亡くなられていましたよね?」
と、言ってルイリに尋ねたのである。
これにルイリは、
「ええ、十年以上昔にね。…まあそんなわけで美胡さんと早くに打ち解ける事が出来たというわけですよ」
と、ヨハンに説明したのであった。




