第七十八話
ルイリの放つ矢の範囲の拡大によって上半身だけをカバーしていればよかったこれまでから、下半身を含めた全身に範囲が広がった事でファビオは完全に対応の限界を向かえたのである。
「うおお!!矢が、矢が防ぎきれん!クソっ、クソー!!!」
ファビオはこう叫びながら必死で矢を切り落としていたのだが、ついに矢の一本がタイプツヴァイの左足のふくらはぎを掠めたのである。
こうして次は右肩を掠め、さらに次の矢は右足の太ももの内側を掠め、そしてついに次の矢が左足の脛に直撃したのである。
「うおっ!?左足が!?」
と、叫ぶファビオ。
そしてそう叫んで無防備になった瞬間、今度は左足の太ももに直撃して左足が破壊されたのである。
こうしてバランスを崩してさらに無防備になったタイプツヴァイに次々とシャスールの矢が襲い掛かり、タイプツヴァイは胴体部分以外があっという間にハリネズミのようになって機能停止したのであった。
「クソっ、まだだ!動けツヴァイ!!」
そう叫んでなおも戦おうとするファビオにルイリは、
「そりゃそれだけ矢が刺さってたらどんなゴーレムでも動かなくなるでしょ…」
と、半分呆れながら話したのである。
そしてルイリは続けてファビオに、
「さてと、ファビオ。これで私の三連勝だね?」
と、問い掛けたのである。
これにファビオは、
「まだ終わって無い!まだ戦える!」
と、叫んだのであるがルイリは、
「それならバラバラにするだけだね」
と、言うとシャスールの武器を弓矢から刀に変えるとタイプツヴァイに近付いていき、タイプツヴァイの頭部と四肢を切断していったのである。
こうして完全にバラバラになったタイプツヴァイ。
この状態まで持っていったルイリは、
「さて、ここまでバラバラになったらもう無理でしょ?負けを認めなさい」
と、言って改めてファビオに負けた事実を受け入れるように伝えたのであった。
ここまできてファビオはようやく、
「…クソ…三連敗かよ…化け物が…」
と、言って負けを認めたのである。
これにルイリは、
「それじゃとりあえずゴーレムから降りてもらおうか?それで正式に負けを認めてもらわないと」
と、言ってファビオにゴーレムから降りるように言ったのである。
これにファビオが、
「…ふぅ…わかった、降りるよ、降りればいいんだろ?」
と、言ってタイプツヴァイから降りると、ルイリもシャスールから降りたのである。
そうして向き合った二人は、ファビオが、
「…ここまでやられたらしょうがない。死ぬほど不本意だが負けを認める」
と、ルイリに告げ、そしてルイリは、
「ええ、私の勝ちです。約束通り、あなた達全員を部下として迎えます。よろしくね?」
と、言ってファビオに手を差し出したのである。
これをファビオは、
「…まだ気持ちの整理がつかんが…とりあえずわかった」
と、言いながらその手を取ったのであった。




