第七十七話
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ルイリ機、シャスールがファビオ機、タイプツヴァイに弓矢攻撃を始めたのを見ていたヨハンは、
「あ、ルイリさんの必勝パターン。これは終わったな…」
と、言って二機の攻防がもうすぐ終わるだろうと呟いたのである。
一方で同じように二機の戦いを見ていたアミールはヨハンに、
「て言うか御領主様、やっぱりルイリだったじゃないか…」
と、軽く睨みながら言ってきたのであった。
これに続いてグレイも、
「…俺が尋ねた時にも違うって言って嘘吐いたな…」
と、言ってヨハンを見たのである。
そしてジャックも、
「まあ、女性で黒髪黒目の弓使いでルイリじゃない、は無理がありますよねぇ…」
と、言ってヨハンを見たのである。
これらの言葉と視線にヨハンは、
「そうなんですけどルイリさんは、英雄ルイリとして接したら猫を被る人もいるんじゃないか、という趣旨の発言をして、あえてルイリだと名乗らずに接していたんです」
と、説明したのであった。
これにアミール達は、
「…まあ確かに相手が英雄ルイリなら猫被る奴も出るだろうねえ…」
と、言ってルイリが名乗らなかった事に一定の理解を示したのであった。
また、アミールは続けて、
「まあこの国の女なら誰でも一度は英雄ルイリか英雄キャスリンに憧れるからねぇ」
と、言ったのであるが、この言葉にヨハンは、
「…あー、その…、ルイリさんの前でキャスリンさんの話題は控えた方がいいかと…」
と、凄く言いづらそうに話したのである。
このヨハンの様子を見たアミールは、
「…ん?ひょっとしてルイリとキャスリンって仲悪いのかい?」
と、ヨハンに尋ねたのである。
これにヨハンは、
「…ええ、まあ…互いが互いの名前を聞くだけで露骨に機嫌が悪くなるぐらいには…」
と、非常に話しにくそうに話したのである。
このヨハンの言動を見ていたアミール達は全員が、
(え?ルイリとキャスリンってそのレベルで仲が悪いの?)
と、英雄同士の関係性に疑問を抱く事になるのであった。
そうしてヨハンやアミール達が五英雄について複雑な思いを持ったのと同じ頃、ルイリとファビオの攻防は終わったと思ったヨハンの予想とは違ってまだ続いていたのである。
「クソっ、矢を切り落とすだけで精一杯だ!それ以外何も出来ねえ!」
ルイリ機、シャスールの矢を切り落としながら叫ぶファビオ。
一方のルイリは、
「うーん、当たらない。狙う範囲を広げて揺さぶって見るかな?」
と、言うとこれまで狙っていなかったツヴァイの下半身、特に脛から下の脚部にも矢を放つようにしていったのであった。




