第三十九話
グレイに引き渡した部屋から出たルイリとヨハンは少しの間無言で歩き、グレイの部屋から離れた場所にきたところでルイリとヨハンはそれぞれに口を開いたのである。
「これでようやく人手が増えたね。それにこれからもっと増やせそうだし…」
「それよりなぜ名乗らなかったんですか?一応話は合わせましたが…」
「その方がグレイの自然な性格を見れそうな気がしたからね。変に萎縮してない普段通りのグレイが…」
「…なるほど、確かに言われてみればそうですね…」
「でしょう?そのうち名乗ることになるか、他の理由でバレることになるかはわからないけど、とりあえずはこのままでいくわ」
「わかりました。…それではバレるまでの間、私達はルイリさんをどのように呼びましょうか?」
ヨハンの問い掛けに少し考えて、ルイリは、
「…普通に領主様とか御領主とかかな?」
と、答えたのである。
この答えを聞いたヨハンは、
「シンプルですね。まあ確かにそういう簡単な呼び方の方が間違いが減りそうですしね」
と、話してルイリの案に賛成したのであった。
そうしてルイリはヨハンに、
「それじゃヨハンさん、フランクさんへの説明は任せましたよ?」
と、話すと三階廊下の掃除に向かったのであった。
そうしてルイリが三階廊下の掃除を始めて三十分ほど経った辺りでグレイが部屋の模様替えを終わらせて三階廊下の掃除に合流してきたのである。
そうしてやってきたグレイにルイリは声を掛けたのである。
「ああ、グレイ。模様替えは終わったのかしら?」
「…一応今の段階での模様替えは終わったよ」
「そっか、わかった。それじゃ一緒に掃除しよっか?」
「…わかった」
こうしてルイリはグレイと一緒に三階廊下の掃除を続けて、掃除を始めてから約一時間半が経った辺りで三階廊下の掃除が終わったのである。
「さて、これで三階廊下の掃除は終わったんだけど次の作業は何にするかな…」
「…部屋の掃除も全然出来てないんだよな…?」
「そうね、全然出来てないわね」
「…作業量多すぎないか…?」
「言ったでしょ?人手不足だって」
「…確かに言ってたけど…これ程とは思ってなかった…」
「はははっ、これでわかったでしょ?残り十四人も全員雇うって言った理由が」
「…よくわかった…」
「説得する時は頼んだわよー。…さて、次の作業をどうするかはヨハンさん達の様子を見て決めるかな。行くわよ、グレイ」
「…あいつらどこにいるんだ?」
「厨房の外で水路掘ってると思う。ほら、行くわよ?」
「…わかった」
そう言って二人は厨房の外で水路掘りをしていると思われるヨハンとフランクのところに向かったのである。




