第二十八話
厨房に戻ったルイリはすぐに温めていたチャパティとスープ二種類の様子を確かめるとまだ寝ているヨハンとフランクを起こす事にしたのである。
「おーいヨハンさん、フランクさん、朝だよー。起きてー」
「「…うーん…」」
「起きてー、朝食出来るよー」
「…うーん……ふわぁ……うぅ、おはようございます、ルイリさん…」
「…むー……くあ~…あぁ……あ、おはようございます、ルイリさん…」
「はい、二人共おはよう。昨日の残りだけど朝食がすぐに出来るから早く顔洗ったりしてきてね」
「「…はーい…」」
こうしてヨハンとフランクを起こして顔を洗いに行かせたルイリはその間に温めていたチャパティとスープ二種類を皿によそうとその三皿を見て、
「…うーん、これだけって言うのもなぁ…」
と、呟くと保存食の山に目を向けたのである。
「何か無いか…あ、チーズ…そうだ」
保存食の山を見たルイリはそこで見たチーズを手に取ってさっきまでチャパティを温めていたフライパンでチーズを温め始めたのであった。
「このチーズも置いておいて味変に使おう」
ルイリはそう話しながらヨハンとフランクが帰ってくるまでチーズを温め、ちょうど良いとろけ具合になったところでチーズをフライパンごとテーブルに持っていくと先に持ってきていたチャパティやスープ二種類と同じようにテーブルに置いたのである。
ルイリがそうしたところでヨハンとフランクが帰ってきて、早速朝食を食べ始めたのであった。
この日の朝食は昨日夜の時点で今日の予定を決めていた為、あまり話すこともなく比較的静かな朝食となったのである。
そんな比較的静かな朝食にあってふとヨハンが口を開いたのである。
「…そういえばさっき顔を洗っていた時なんですがね…」
「ん?うん」
「何か…どこからか視線を感じたような気がしたんですよね…」
このヨハンの発言にルイリが、
「え、ヨハンさんも?」
と、答えたのである。
そんなルイリにヨハンとフランクが、
「も、という事はルイリさんも感じたんですか?」
「私もヨハンさんと同じように視線を感じたのでヨハンさんと一緒に辺りを見回したんですけど誰もいなかったので…」
と、話して二人もルイリと同じように何者かの視線を感じて周囲を見回したが誰もいなかったという現象があったと報告したのである。
この二人の言葉にルイリは、
「二人も同じ体験をしたのか…。それじゃ近くに誰かいるのかな…?」
と、頭に浮かんだ疑問を口にしたのであった。
そしてルイリのその言葉にヨハンが、
「誰かが近くにいるって…何の目的で?」
と、ルイリに尋ねたのである
それにルイリは、
「…うーん…新任の領主に挨拶に来た…とか?」
と、可能性の一つを口にしたのである。
その言葉に今度はフランクが、
「こんなに朝早くですか…?何か違うような気がするんですが…」
と、口にしてルイリの話した可能性に少し否定的な考えを話したのである。
その言葉にルイリは、
「まあ可能性の一つだから。とりあえず何かが起きるかもしれない、という心構えだけはしておきましょう」
と、話してヨハン、フランクの二人を見たのである。
そしてヨハンとフランクの二人も、
「「わかりました」」
と、答えてこの日の朝食を終わらせたのであった。




