第十八話
遅くなりました…。
早速草刈りを始めたルイリとヨハンの二人であったがあっさりと挫折してしまっていた。
というのもやはり道具無しでの草刈りは非常に疲れるという事でルイリとフランクの二人はひとまず草刈りを中断して、ルイリにとっては二度目になる草刈りや掃除に使えそうな道具探しが始まったのである。
「やっぱり厨房には無いみたいだねぇ…」
「次の部屋に行ってみましょうか」
こうして再度厨房を探した後、ルイリ達は別の部屋にも道具が無いかを見て回る事にしたのであった。
そうして厨房の次の部屋、さらにその次の部屋と探していき、計四つ目の部屋に探しに入ったルイリ達はそこで遂に小型の草刈り鎌を見つけたのである。
「やった!遂に見つけた!」
「これで作業が捗ります!やりましたね、ルイリさん!」
お目当ての道具を手に入れてテンションの上がったルイリとヨハンはその勢いで中断していた草刈りを再開させた。
「うおおん!!作業が楽!そして速い!」
「道具バンザイ!道具バンザイ!」
草刈り鎌の切れ味に感動したルイリとヨハンが雄叫びを上げながら凄まじいペースで作業を進めていく。
その結果二人はルイリが初めて草刈り作業をした時と同じ二時間で厨房から水源である小川への道の草刈りを終わらせたのであった。
「終わったー!!やっと厨房と水源の往復に苦労しなくてよくなったー!」
「水を運ばなければいけないという問題はありますが、その道が快適になったのは喜ばしい事ですね!」
「持ち運びの問題もあるけど出来れば川底も掘りたいかな。今のままだと水を汲むのに苦労しそうだから」
「ふむ、そうなると今度はスコップ等が必要になりますね」
「草刈り鎌を返しに行ってその時に探してみましょう」
「そうですね。…ところで館内の掃除は?」
「……………よし、早速草刈り鎌を返しに行きましょう!」
「…掃除は後回しになりましたな…」
草刈り後に行う作業について、どうするかを話し合ったルイリとヨハンの答えは小川の川底を深くする、という案に決定したのであった。
そして途中にヨハンが出した館内の掃除という案はルイリがあえて無視するという形で却下される事となった。
こうしてルイリとヨハンは再度草刈り鎌が置いてあった物置部屋に行くと草刈り鎌を元の場所に返してすぐにスコップやスコップと同じ用途の道具がないか探し始めたのである。
そして物置部屋を十分程度探したところで少し大きめのスコップ五つ見つけたルイリとヨハンはそこから二つを持っていくと早速小川の川底を深くするべく川底を掘り始めたのだった。