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英雄領主様の奮闘記  作者: 篠原2
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第十三話

ヨハンとフランクの視線に続く形でルイリも運んできてもらった荷物に目を向けると、


「え?武具と保存食ですよね?少しずつゆっくり運び込めばいいんじゃない?」


と、二人に尋ねたのだが、そんなルイリにヨハン、フランクの二人から衝撃的な言葉が告げられた。


「…実はですねぇ…」


そう言ってヨハンが荷物を降ろしていく。

そして続けてフランクが、


「…ここに当面の活動資金として500万エラあります。さすがにこれをこのままというのはちょっと…」


と、言いながら保存食の下に隠していた大量の現金をルイリに見せたのである。

そしてその大量の現金を見せられたルイリは顔をひきつらせながら、


「…え?今500万エラって言った?」


と、二人に聞き返したのである。

そして二人はその言葉に声を揃えて、


「「はい、言いました」」


と、返答したのであった。

その返答にルイリは頭を抱えて、


「じゃあさっき二人はこの、ここにある荷物を全部ほっといたまま私のところまで来たの…?」


と、二人に尋ねたのである。

それに二人は、


「周囲に人の気配が全くしなかったので少しの間なら大丈夫かな、と思いまして」


「それにヴィクトリアが突然猛スピードで走り出していってしまったので私達も焦ってしまって…」


と、答えたのである。

これを聞いたルイリはなんとも言えない表情でヴィクトリアに目を向けたのだが、彼女の愛馬は我関せずといったような感じで呑気に草をムシャムシャとやっていたのであった。

その様子にルイリははぁ、と溜め息を吐いて、


「…わかりました。それなら急いで荷物を館内に運び込みましょう。人の気配がしないとはいえ、いつまでも誰も来ないとは言えないからね。…あ~あ、これからの作業予定が変わっちゃったな…」


と、話して今日これからの作業予定を大幅に変更せざるを得ない状況に嘆きながらもヨハン、フランクの二人に荷物の館内への運び込みを指示したのである。

そしてこの指示にヨハンとフランクの二人は、


「わかりました」


「それでどこから運び込みましょうか?」


と、ルイリの指示に従うと同時にどこから館内に運び込めばいいのかを尋ねたのである。

その質問にルイリは少し考えて、


「……そうね…荷物は食料が大半だし全部厨房に運び込みましょうか。あそこは階段も無いから普通に出入りが出来るし」


と、話してとりあえずの搬入先を決めたのだった。

これにヨハンとフランクも、


「了解です」


「それでは早速運び込みましょう」


と、言ってルイリの言葉に応じたのである。

そしてルイリは荷物を厨房に運び込む為に、


「おいで、ヴィクトリア」


と、ヴィクトリアを呼んでその背中にもう一度荷馬車を装着させ、厨房への扉の近くまで荷物を持っていく事にしたのであった。

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