表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金術師の傭兵団 ~古強者は死に場所を求めて世界戦争に再臨する~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/106

第84話 空を落とす⑥

(なぜあの砲撃の中で生きている。どれだけ強固な防御も意味を為さないはずだ)


 魂の吸収による自己強化は砲撃後の出来事だ。

 ベイドは何らかの手段でやり過ごしたはずである。

 しかし、並大抵の手段では対抗すらできない攻撃だったのも事実だった。

 だから興味が湧いた。


 俺は瞬き一つせず、じっくりとベイドを観察していく。

 すると彼の周りに青炎が舞っているのが判明した。

 目視できないほど微細な炎だ。

 俺の魔力感知でも辛うじて捕捉できるほどである。

 ただ小さいのではなく、意図的に圧縮して目立たないようにしているようだった。


 青炎は半球状に展開しており、ベイドを覆うように漂って明滅を繰り返している。

 挙動や構成魔力を見るに、接触した他の術を焼き削ぐことが目的らしい。

 ようするにベイド固有の防御魔術というわけだ。


 ベイドはおもむろに鎧の部品を剥いで投げ捨てていく。

 どうやら魔術的な効果を失った部位を無くして軽量化しようとしているらしい。

 俺は装備を凝視することで、鎧の正確な状態や何の機能が故障したのかを見極める。

 そして、ようやく何が起きたのかを理解した。


 まずベイドは青炎の防壁を使った。

 七色の砲撃を防ぎ切るには到底至らなかったが、ある程度まで威力を落とすことには成功したはずだ。

 青炎は血統由来の特殊な属性であり、汎用性に重きを置いた砲撃に対しても耐性が望める。


 そこからベイドは全力の身体強化で耐えつつ、鎧に搭載された肩代わりの呪術で凌いでみせた。 

 彼が投げ捨てた部品にはもれなく呪術が仕込まれていた。

 所持者に降りかかる災いを一度だけ封じ込める代物だ。

 砲撃が強力すぎていくつもの呪術を消費する羽目になったようだが、ベイドはしっかり生き延びている。

 策としては成功していた。


 空間の穴から伸びる砲は融解し、次弾を撃てる状態になかった。

 さすがに連発できる仕様ではないらしい。

 ブラハなら或いは実現まで漕ぎ着けるだろうが、少なくとも現在は使えないようだ。


 刹那、ベイドが跳ぶ。

 空中を蹴って上昇し、勢いを付けながらブラハへと迫る。


 蹴り上がる際、青炎が瞬くのが見えた。

 能力を足場にして空中移動を行っているようだ。

 やはり青炎の制御が弟子の時代よりも上達していた。

 白兵戦の間合いが空にまで拡張し、いよいよ敵無しとなっている。


 ブラハはすぐさま端末を操作する。

 間もなく空間の穴からゴーレムの大群が出てきた。

 砲撃で消滅した分はごく一部で、まだ無傷の戦力を温存していたのだ。


 新たなゴーレム軍はブラハを守るように展開する。

 次の瞬間、ベイドによって残らず叩き斬られた。

 残骸が散り散りに落下して大爆発を連鎖させる。


 ベイドの動きが飛躍的に速くなっていた。

 味方の何千という魂を取り込んだ影響だろう。

 仮に七色の砲撃が再び放たれたとしても、ベイドは悠々と相殺してみせるはずだ。

 そう思わせるだけの凄みがあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ