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錬金術師の傭兵団 ~古強者は死に場所を求めて世界戦争に再臨する~  作者: 結城 からく


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第82話 空を落とす④

 ベイドが走り出し、結界の下から抜け出す。

 すぐさま熱線が襲いかかるも、彼は長剣で受け流した。

 熱線は地面を焼くばかりで何の被害も出せていない。

 ゴーレム軍が四方八方から連続で発射するが、ベイドはそれらを軽々と凌いでみせる。


 上空からの爆撃も、魔力の斬撃で対処する。

 破片は避けるか切り払ってやり過ごし、常に動き続けることで集中砲火を受けないように意識しているようだった。


 ベイドは加速する。

 誰よりも素早く疾走し、跳躍してゴーレムの一体に刺突を食らわせた。

 彼は刃を引き抜くと、すぐさま次の個体へと仕掛ける。


 ベイドから魔力の斬撃が飛び、ゴーレムの関節部を的確に破壊する。

 そうして動きを鈍らせてから追撃を叩き込んでいた。


 ベイドの刃を受けたゴーレムは活動を停止する。

 傍目には大きな損傷がなく、故障するほどではないように思える。


 気になって魔力の流れに注目すると、内部の重要な箇所だけが破損していた。

 それで機能面に致命的な影響が出ているようだ。

 ベイドは最低限の攻撃で意図的に活動停止に陥らせているらしい。

 高度な魔力感知に咄嗟の判断力、そして狙いを完璧に実現させる剣術を兼ね備えなければ成立しない芸当だ。


 俺はベイドの戦う様を見て高揚感を覚える。


(実戦の中で極限まで洗練された力……凄まじいものだな)


 若い頃より強くなっている。

 ベイドは全盛期を更新し続けているのだ。


 しかもまだ全力を出しておらず、消耗を抑えて戦っている。

 俺との対決を視野に入れているからだろう。

 彼にとってブラハのゴーレム軍は単なる通過点なのだ。


 分析する間にもゴーレムが次々と破壊されていく。

 圧倒的な実力を持つベイドが先陣を切り、それに合わせて他の騎士達が援護を行う。

 次第に連携が噛み合うことで、絶望的と思われた形勢が逆転しつつあった。


 飛行するブラハは悔しそう笑う。


「がはは、やるではないか。さすがは大戦を生き抜いた英雄……侮れんのう」


 ブラハの背後で、空間の穴から巨大な金属の筒がせり出す。

 そこから砲撃が放たれた。

 七色の雷光に包まれた砲弾が数百の粒子に分裂し、幻想的な光景を魅せながら地上へと注がれる。


 刹那、拠点を覆う結界が強化された。

 危険を察知したシュアが気を利かせたのだろう。

 それほどまでの威力を秘める砲撃ということである。


 七色の砲撃間もなく地上に炸裂した。

 漆黒の爆炎が拡散し、周囲から音を消し飛ばす。

 そして何も見えなくなった。

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