表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金術師の傭兵団 ~古強者は死に場所を求めて世界戦争に再臨する~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/106

第79話 空を落とす①

 老騎士となったベイドからはかつての面影が窺える。

 その眼差しなどは若者だった頃と変わらない。

 彼がどのような人生を歩んで来たのか具体的には知らないが、王としての風格を湛えている。

 騎士国の頂点に立つ者として、堂々と俺の前に君臨しているのだった。


 ベイドは淡々とした口調で目的を述べる。


「私はかつての師を止めにきた。それが弟子の責務だと考えている」


「余計なお世話と言っていいか」


「黙れ、今の時代を邪魔するな。お前達は過去に取り残された英雄だ。どこにも居場所はない」


 ベイドの言葉は辛辣だった。

 隣にいるミザリアが不敵に笑う。


「奇遇だね。あたしは団長さんと同じ意見だよ」


「そうか」


 彼女と再会して戦った時、似たようなことを言われた気がする。

 俺はその主張を否定するつもりはない。

 死に損なった俺達に居場所はなく、平和な時勢に耐えられなかった。

 だからこうして居場所を作ろうとしている。

 拒まれながらも懸命にこじ開けているのである。


 真っ当な指摘を受けても動揺はない。

 それくらいは自覚した上で計画を進めているのだ。

 俺はベイドを見下ろして告げる。


「何も語ることはない。止めたくば実力行使でやってみろ」


「……やはり聞く耳を持たないか」


「当然だ。覚悟を持ってこの場に立っている。簡単に説き伏せられると思うな」


 俺は全身を魔力を漲らせていく。

 老いた肉体が青年期まで逆行し始めた。

 拳を握り、胸を張って語る。


「互いに軽くない責任を負う身だ。譲り切れない部分があるのは仕方あるまい。その上で我を通したいのならば力を示すしかない。お前には何度となく教えたはずだ」


 秩序は暴力が定める。

 言葉だけの訴えなど意味がない。

 戦場を知る者なら理解していることだ。


 故にベイドは何も言い返せず、これ以上の問答が無駄であると悟った。

 彼は静かに命令を下す。


「――突撃だ。狂った遺物を叩き潰せ」


 微動だにしなかった騎士達が一斉に動き出した。

 魔導器の武器を持つ彼らは門の破壊に取りかかる。

 同時に全方位への防御魔術を展開し、こちらの攻撃を遮ることができるようにしている。


 都市内へと侵入し、一気に叩くつもりなのだろう。

 単純だが堅実な手法だ。

 魔導器の質も高い。

 あえて機能を絞り込むことで、性能の底上げを図っているようである。


 その光景を眺めながら俺は呟く。


「狂った遺物、か」


 実に的確な表現である。

 それが俺達への評価なのだろう。

 どこまでいっても遺物に過ぎないのだ。


 ならば遺物らしく振る舞おうではないか。

 そのための仕込みは済んでいる。


 俺は上空に空間の裂け目を作り、強引に押し開いて固定する。

 すると、穴から大量のゴーレムが降ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ