表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
錬金術師の傭兵団 ~古強者は死に場所を求めて世界戦争に再臨する~  作者: 結城 からく


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/106

第48話 英雄宣言④

 呪槍の一閃が影の矢をまとめて薙ぎ払う。

 生み出した隙を利用して、ミハエルが勢いよく駆け出した。


「ここで待っていてくれ! なんとか止めてくる!」


「分かった、頼んだぞ」


 ミハエルは刃影軍もとへ接近しつつ、停戦を求める説得を強行する。

 絶えず襲いかかる影の矢を凌ぎながら叫んでいた。


「やめろ! 争う気はないんだッ!」


 影刃軍は攻撃を繰り返す。

 ミハエルの言葉は届いているだろうが、それでも魔導器による射撃を行っている。


 兵士達からは恐怖と憎悪を感じる。

 その反応から察するに、ミハエルが国を離れることは周知されているようだ。

 おそらくは根も葉もない噂も加えて流れているのだろう。

 故に向こうからすると、ミハエルは邪悪な反逆者であった。

 説得を聞かないのも当然の反応だ。


 降り注ぐ影の矢が鬱陶しいので、地形操作で土の天井を作って防ぐ。

 さすがのミハエルも、遠距離から俺達を守れるほどの技能はない。

 徐々に刃影軍へと詰める彼の背中を見て、俺はユエルに指示を送った。


「しばらく様子見するぞ。英雄ミハエルのお手並み拝見といこう」


「承知しました」


 これはミハエルの試練だ。

 よほどの事態にならない限りは援護するつもりはない。

 何より彼自身が任せろと言ったのだから、それを信じるのが俺達の責務であろう。


 突進するミハエルに影の攻撃が雪崩れ込む。

 矢では通用しないと判断したのか、今度は大地を這う無数の蛇となって襲いかかっていった。

 影の蛇は不規則にうねり、緩急をつけた動きで進んでいく。

 あまりの密度で足の踏み場もない状態となっていた。


 そこにミハエルは躊躇いなく跳び込む。

 呪槍の連撃で無理やり進路を切り開いていった。

 千切れ飛ぶ蛇に噛まれるも、気にせずに攻撃を繰り出している。

 多少の傷は許容し、一気に突破することを決めたらしい。


 俺はミハエルの戦いぶりを分析する。

 体内を巡る魔力は活性化し、高速で傷を治癒していた。

 時間経過と共に動きの冴えが向上している。


(呪槍と完璧に適合している……ひょっとするとレドウィン以上か?)


 先代の使い手であるレドウィンは、呪槍による攻撃を毒のように扱っていた。

 或いは突き刺して相手の魂を引きずり出して喰らう。

 一連の戦法から自他ともに認める攻撃型の槍使いであった。


 対するミハエルは防御型に該当する戦士だ。

 生死の狭間から呪槍との一体化で蘇生した彼は、新たに再生能力を獲得している。

 魂の結びつきも強固であるため、不死性という観点ではレドウィンを凌駕していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ