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錬金術師の傭兵団 ~古強者は死に場所を求めて世界戦争に再臨する~  作者: 結城 からく


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第26話 傭兵団の拠点⑧

 立ち止まった俺は、手のひらを地面に当てる。

 濃密な魔力の流れを捉えながらミザリアに言う。


「ひとまず傭兵団の拠点は定まった。ここでの活動を始める前に、整備からやっていこうと思う」


「あんたの得意分野だね。洒落た感じにしておくれよ」


「無理を言うな。実用性だけを重視する」


 俺は錬金術を行使し、付近一帯ノ地形操作に着手する。

 並ぶ廃墟が内側から崩れたかと思えば、瞬く間に堅牢かつ真新しい外観へと生まれ変わっていく。

 地面から手を離した時、視界内は重厚な要塞都市と化していた。

 辺りを見回したミザリアは顎を撫でる。


「悪くないね。ちょっと華やかさは足りないが」


「その辺りはユエルに頼めばいいだろう」


「あの女の感性で大丈夫なのかい?」


「少なくとも俺よりは上手くやれるはずだ」


 そう返しつつ、俺は廃都市内を散策する。

 定期的に地形操作を行うことで拠点としての基盤を整えていった。

 次々と変貌する風景を前に、ミザリアは呆れ顔で言う。


「相変わらずとんでもない規模の術だね。陣地作成であんたの右に出るやつはいないよ、本当に」


「過剰評価だ。魔力汚染がなければ、ここまで効率は良くない。さすがに休憩しながらになっていたはだろう」


「休憩したらいけるって時点で異常なんだがね……」


 話している間にも都市内の改築は進む。

 もっとも、既存の廃墟を材料に作り変えているだけなので、防衛力に関しては不十分だ。

 立地的に攻め込まれる状況はあまりないと思うが、余計な憂いを立つ意味でも早めに対応すべきである。


(まあ、ブラハに依頼すれば解決するだろうな)


 現在は樹海を占拠する"砲王"は反則的な才能を持つ。

 既に現代の技術に追いつくどころか、大きく凌駕して発展させる始末だ。

 都市防衛用の設備ならすぐに用意してくれるに違いない。


 ただ、やりすぎないように見張っておく必要がある。

 ブラハに丸投げすると滅茶苦茶な兵器を搭載される可能性が大いに考えられる。

 きっと嬉々として実験運用を勧めてくるはずだ。


 拠点として最低限の機能があればそれでいい。

 戦力的には俺達がいるので何ら問題ない。

 ブラハには具体的な要望を決めてから頼みたい。


(ついでにシュアの修理も任せるか)


 現状は応急処置で済ませている。

 当面の活動に支障はないものの、戦闘ができるほどではない。

 誰かを守って死にたいというシュアの望みを叶えるために、破損を直さなければならなかった。

 その点で言うとブラハは適任である。

 ゴーレムの知識についても堪能だったはずだ。

 拠点の改良も含めて相談に行こうと思う。

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