5話
遅くなりました。
「……さてと、それじゃあ、ステータスポイントとスキルポイント振っていきますか!」
街へと帰ってきた俺はご機嫌にメニュー画面を開く。まあ、振り方は決まってるんけどね……
およそ数秒で完成したステータスがこれだ。
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シャープ Lv4 EXP58/100% クラス:剣士
ステータス
HP 10/10(初期10)
MP 10/10(初期10)
ATK 47(初期45、装備2)
MAT 5(初期5)
DEF 12(初期2、装備8、セットボーナス2)
MDF 8(初期2、装備4、セットボーナス2)
AGI 4(初期5、銅の剣-1)
ステータスポイント(0)
スキル
鑑定 Lv8/10 EXP3/100% 消費MP1
[対象の効果を確認できる。レベルアップでテキストが詳しく表示される]
集中 Lv10/10 EXP100/100% 消費MP0 (パッシブ)
[戦闘中に確率で対象にクリティカルダメージを与える。非戦闘中ではある程度の冷静さを確保できる。レベルアップで効果が上がる]
スラッシュ Lv7/10 EXP27/100% 消費MP5
[対象に(ATK+Lv)×2の攻撃力の物理ダメージを与える]
スキルポイント(6)
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まあ、これしかないよね。
別にまだ足りてないステータスもないし、とりあえずは火力上げていれば良いよね。
「よしっ!ステータスも振り終わったし、いよいよあの蝶の羽でも売っていきますか!」
メニューを閉じ、地図を頼りにあの腹立つピエロのところへと向かう。
「いらっしゃぁい。」
にやにやと笑いながら話しかけてくる。
「すいません、これを買い取って欲しいんですが……」
「えーっとぉ?いぃち、にぃ、さぁん……全部でたったの42枚だねぇ?」
……たった?え、42枚ってたったなの?
「もうちょっとまとめて持ってきてもらえるとありがたいんだけどねぇ?まぁ、いいけどぉ。」
いや、まとめてって何枚なの!?
……落ち着け、イラついたら負けだ。
「……えっと、いくらで買い取って頂けますか?」
「うーんとぉ……君って本当に剥ぎ取るの下手くそなんだねぇ。これなんか破けちゃってるよぉ。こういうのは買い取らないからぁ……全部で100Cだねぇ。」
下手ですみませんね!
こちとら初めての剥ぎ取りだったんだから、仕方ないじゃん!
ていうか、そんなに言うならお前の剥ぎ取ったのはさも完璧なんでしょうねぇ!?
「……分かりました。買取お願いします。」
必死にイラつきを抑えながら、お金を受け取る。
「まいどありぃ。……あ、そうだぁ」
店を出ようとした時、急にピエロに呼び止められた。
「実はちょっと頼みたいことがあるんだけどぉ」
……それ俺に言うの?
あんなに煽っておいて?
俺がやるとでも思ってるの?
無視しようと思い、足早に去ろうとした時、
「ちゃんと報酬もあるよぉ」
と後ろから声が聞こえた。
……話だけでも聞いてみようかな。
「……何ですか?」
「最近、ここら辺で同一犯の窃盗事件が頻発していてぇ、君にはその犯人を捕まえてもらいたいんだけどぉ、できるぅ?無理かなぁ?」
……いいよ、やってやんよっ!
「……分かりました。良いですよ。特徴みたいなのってありますか?」
まあ何回も窃盗を成功してるんだし、そう分かりやすくは無いんだろうなぁ。
「えっとぉ、全身ピンクだからぁどんなに君の目が悪くても流石にすぐ見つけれると思うよぉ。」
あの子常習犯なの!?
まあ、あの手際の良さは只者じゃ無いとは思ってたけど……
「分かりました。それで、その報酬って何ですか?」
報酬はやっぱり一番大事だよね。
「そこら辺の詳しいことはあの依頼板を見てちょうだぁい」
そう言って前方にある板を指さした。
「がんばってねぇ」
まあ、この序盤のクエストだからそんな時間かかるものじゃ無いんだろうけどね……
そう思いながら、依頼板を見に行く。
「あ、これかな?」
視界に一枚の紙が目に入った。
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窃盗犯を追え! 依頼主:地図屋
ここ最近、広場の周りで窃盗事件が頻発しているんだけどぉ、誰か犯人を捕まえてくれなぁい?
犯人は全身ピンクでいつも東公園のまわりでターゲットを探しているよぉ。
報酬
・冒険者見習いの武器
・100C
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武器が手に入るの!?
それならちゃちゃっとやってやりますか!
こうして初めてのクエストが始まった。