1話
初投稿です
VRゴーグルを装着してベットに横になる。
手探りで電源ボタンを見つけ、電源を入れる。
眩しい光に包まれ、直後、体の感覚がスッとなくなり意識が遠のいた。
目を開けると、暗く、広い空間にいた。キャラクターメイキング画面らしい。
[キャラクターを選択してください]と画面に出ている。
早くゲームをプレイしたいので、適当に終わらせようとする。
しかし、驚いたことに目のパーツ一つをとってもおよそ20種類。
さらに、色も好きなように変えることができた。
「…ここまで自由度あると流石に適当は勿体無いね」
ちょっとだけ、ちょっとだけと気づいたら1時間を費やしたキャラクターは、最終的に現実世界の自分にそっくりのキャラクターになった。
「だって自分がゲームの中にいるのってテンションあがんない?」
OKをタップし、次の画面に進む。
[職業を選択してください]と画面に出てきたので迷わず剣士をタップする。
「男は黙って剣士でしょ。剣こそ最強」
と、剣への愛が溢れそうになったので次に進む。
[名前を記入してください]と画面に出てきた。
「名前はシャープでおっけー!」
ゲームへの期待に胸を高鳴らせながら、勢いよくOKのをタップする。
[チュートリアルを開始しますか]と画面に出たのでもちろんNOを押す。
[チュートリアルをスキップするとチュートリアルをプレイできなくなりますがよろしいですか?]
確認画面も迷わずOKをタップする。
「だってゲームって手探りでやるのが楽しいじゃん?」
[それでは良いゲームライフを!]とテキストが表示され、再び光に包まれた。
次に目を開けるとそこは一大都市だった。
青く澄んだ空、賑やかな商店街、そして溢れんばかりのプレイヤー。
「………やば…」
思わず語彙力が消滅する。
このゲームの売りはズバリ『圧倒的リアリティー』
グラフィックだけではなく、職業、プレイスタイル、クエストなど、ほとんどがプレイヤーが自由に選択できる。
はっきりと言おう。
このゲームを手に取った当初、俺はこのゲームを甘く見ていた。
「いくら圧倒的とは言っても、所詮はゲーム。大したことないだろー」そう思っていた。
だが、ここには目につくもの全てに目を輝かせながら興奮し、周りから冷たい視線を浴びている俺がいる。
「いや、何事にも限度があるじゃん!?まさかゲームでこんなことできるなんて…」
あまりに興奮しすぎて警護兵を呼ばれそうなので一旦深呼吸し、人気が少ないところへ行く。
このゲームの最終目標は魔王の討伐。
一見よくある感じだが、1つの街でもこの迫力。
これが魔王城とかになっならきっと失神するだろう。
なんとしてでもこの世界に耐性をつけなければ。
などと決意をしつつ、視界の隅に表示されていたメニューボタンから自分のステータスを確認してみる。
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シャープ Lv1 EXP0/100% クラス:剣士
ステータス
HP 10/10(初期10)
MP 8/10(初期10)
ATK 7(初期5、装備2)
MAT 5(初期5)
DEF 12(初期2、装備8、セットボーナス2)
MDF 8(初期2、装備4、セットボーナス2)
AGI 4(初期5、銅の剣-1)
ステータスポイント(10)
スキル
無し
スキルポイント(10)
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「……MPちょっと減ってる?もしかして、興奮の精神的な疲労でステータスに影響したのかな?」
などと、分析していると、MPが10に戻った。
「街の中だと自動で回復するんだね」
とりあえず何もせずに次に持ち物を開く。
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アイテム 0/15 所持金 0C
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「Cはクレジットの略かな?後でここの物価とかも調べておこうっと」
次に装備の項目をタップする。
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皮のヘルメット☆0
皮の服☆0
皮のズボン☆0
皮の靴☆0
銅の剣☆0
発動効果
一式装備(皮)
DEFとMDFが2ポイント上昇
一式装備(初心者の心得)
HPとMPが毎秒50%で1〜5ポイント回復する
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「初期装備まあまあ強くない?装備できるレベルの上限とかあるのかな?あと、装備を揃えるといろんなスキルがつくんだね。この☆は装備のレア度かな?」
ある程度の基礎知識がついたところで違和感を覚える。
「…あれ?マップってないの?」
それらしい項目もなく、マップと叫んだら周りのプレイヤーからまた冷たい目線を向けられた。
「これはもしかしなくてもやらかしたね…」
こうして俺のゲームライフはチュートリアルをスキップした後悔から始まった。
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