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パパは文筆家  作者: 八木(やつぎ)
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わたしのひどい休日の話 その四

 昼ごろ、パパから電話があった。シャツの場所もわからないんだって。

 なんて情けないやつ! わたしはなにも言わないで、電話を切ってやった。となりでおばあちゃんが、おやおやと苦笑いしていた。

 わたしはおばあちゃんの手伝いをした。古タオルから雑巾を作ったり、布団や洗濯物を干したりするのを手伝った。おばあちゃんはさすがママのママだけあって、わたしががんばればがんばったぶんだけ、ほめてくれた。どっかのだれかとはおおちがい。わたしはヤル気になって、掃除もなにも徹底的にやった(こういうところ、わたしもあんがい、単純だ)。

 しかし、さすがに一軒家。団地の部屋の掃除とは広さがちがうため、必要とする力もだんちがいだ。わたしは家中濡拭き、乾拭きをおえる頃にはさすがに疲れ切ってしまった。

 休んでいると、おばあちゃんがお盆にお菓子とお茶をのせてやってきた。わたしは遠慮なくいただいた。

「ねえ、おばあちゃん、ママって、パパのこと愛してた?」

 おばあちゃんはひょひょひょと笑った。

 ヘンな笑い方……

「どうしてそんなこと聞くんかえ?」

「納得がいかないから」

 おばあちゃんはまたひょひょひょ。

「葉子は、定信にゃあえらい熱のあげようだよ。おじいが定信ぅ目の敵にしとったんも、それが気に食わんかったからじゃ」

 わたしはザラメのおせんべいをかじりながら、考えた。

 ……やっぱり納得がいかない。

「……ママは、パパのどこがそんなに好きだったの?」

「そんなもん、おばあはよお知らん。ただ、いっつもくっついとったのはたしか」

「パパ、家事とか全然しないんだよ」

「それは、葉子のせいだよな」

「……ママのせい?」

 どうして、パパがぐうたらなのがママのせいなんだろう?

 ……さっぱりわからない。

「そうだよぁ。おまえのお父さんは若い頃に家族と大ケンカして、家を出ててな。それからずっと一人暮らししてたからな。そのころはなんでも自分のことは自分でしとったそうだ。だけんど葉子と結婚してからは、葉子が喜んで定信の世話、なにからなにまで焼くもんだから、いまみたいに、無精になってしまったんだよ」

 わたしはますますわからなくなった。

 とにかくいまはお茶とおせんべいに集中した。

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