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悪魔=(?)=天使

主任室。

大机の対面にある通常サイズのテーブル、その両サイドにソファー調の長いすが一列ずつ。

その奥に流れる血(?)の滝(カイン一回目参照)。

その椅子にヘカーテ主任、カイン。対面、プリンシパリティ、大天使。と言う並びで座っている。

大天使が口を開く。

「あー・・・さて・・・今回はすまなかったな。カイン。ヘタしたら消滅刑かもしれなかったぞ」

「そーですねー」

「貴様!ドミニオン様に対して・・・」

「いいから!お前座ってろ!・・・んん゛っしかし、だ。なんにせよガミジンを問答無用で

根拠なく斬ってしまったこちらに非があるにせよ、天使を手にかけなくてよかったな!

ということにしよう!」

「そーですねー・・・なんていうk」

「そうしていくのが得策でしょうな。カインも納得したようです」

立ちかけたカインを強引に口を押さえながら座らせる主任。


この状態から三時間ほど前の話。

人間界、カインは複数のガミジン、そしてプリンシパリティと一悶着を起こしかけていた。

『カイン!やめとけ!天使に手をかけるな!』

『うるせー!あの脱走者だってもう何人も天使食ってるんだ!たいして違わねーよ』

『お前は死神だ!悪魔なんかじゃない!』

『・・・』

「この悪魔め!ほ、本性を表したな!」

『!!』

片手持ちの細身の剣のようなカインのナイフ。カインはガミジンと聞こえない会話をしながらも

無意識に構えていた。プリンシパリティはここでようやくカインの内在する戦闘力を思い知ったのか

憤怒の中に少し警戒にも似たおびえを感じていた。

『こいつ・・・隙がまるでない・・・。飛び掛ってたら真っ二つにされてた気がする・・・。

あ、悪魔怖い・・・で、でも』

カインの腰が沈む。プリンシパリティが来ない。そう判断したカインは踏みこんで一振りで

斬る気になっていた。

『カイン!やめろ!やめるんだ!』

今まさにカインの足に力が入りかけた瞬間!


「そこまでだお前ら」


突如としてその場が光に包まれる。その瞬間もう一人の天使が現れた。その天使はプリンシパリティ

以上に光に包まれ白金に光る鎧に包まれながら端整な顔立ちをした男だった。

位置はカインとプリンシパリティのちょうど真ん中。視線はカインを見ていた。

しかし、睨んでいるとかではなく、まるで友人のいさかいを仲裁するような眼差しだった。

「・・・ドミニオン・・・」

「は、ははぁ!」

とっさの感想は共通してボーゼンとしたが現れた人物を把握した時の感想は真っ二つだった。

「カイン、久しぶりだな!間に合ってよかったよ・・・。あんま冒険すんなよ、な!?」

カインはドミニオンと呼んだ人物の上に気配があるのに気づき気さくにしゃべる天使を軽く無視して

その上を見上げた。困り顔の黒ずくめのローブに大きな歯車のような輪を肩にかけた、翼こそないが

天使の持つ特有の妖気を放つ男がカインの視線を合わせた。

少し考えカインは推察した。

要するに戒厳令下の人間界でトラブルがあって(この事態のこと)それを収拾しようとあれ

(上の天使)が来たけど自分じゃ無理と判断してドミニオン(大天使)を呼んだ。ってとこか。

カインの目が半ば呆れるように天使を見る。苦笑いして顔をそらす天使。

カインの視線を目で追ったプリンシパリティも上を見て

「ソロネ様!なぜここへ!?」

プリンシパリティにも呼ばれそちらにも目を向けたソロネ。

「あー・・・話せば長いんだよ・・・はぁ」

ため息をついて少し高度を下げるソロネはゆっくりとドミニオンの傍らに降りた。

プリンシパリティは対面したソロネに礼をして跪く姿勢をとる。

「カイン~!聞いてくれよ~!ね~!」

「うお!ドミニオン!あんま近寄るな!お前の聖気はキツいんだ!肌に痛いからやめろ!

わかった!わかったから!」

無視されてたドミニオンがふざけるようにカインに擦り寄る。神々しいほどの光を放つ天使が

一匹の悪魔に擦り寄っているのが異常な光景に映っているプリンシパリティ。

だがカインの言葉を聞いてなにかしらの攻撃だ。と思い変な納得をする。

「ま、まぁ俺も熱くなりすぎだった。殺気を抑えられなかったのも事実だ。でも、一番の原因はだな」

「ああ、解かってるよ。だから来たんだ。・・・13番・・・」

カインの声に少し距離を置きながらばつが悪そうに苦笑いで答えたドミニオンが、少し間を置いて

振り返りながらプリンシパリティを番号で呼んだ。

「はい!」

立ち上がり姿勢をただし返事をするプリンシパリティ。

『13番?』

カインは天使たちの間でなにかしら会話が始まったことで取り残された気持ちになったが

同じ取り残され組のガミジン達に会話をするように思考を向けた。

『ああ、天使たちの連帯的天使間ではそれぞれの方を番号で呼ぶんだ。

我々にはたいがい、お一人で来られるので名前を用いるがな。

あの方はプリンシパリティの中で13番目ということらしい。

もっとも別に13人しかいないわけでなく、その地域での番号らしい』

『いや、まぁそれは知ってるが普通キリスト教圏の天使の間だったら12番までじゃないか?』

『ああ、それは我々も考えたが、まぁ天界の見解だからな』

『・・・ふ~ん』

どう考えても暇つぶしの世間話のように会話をしていたカインは視線を天使たちに戻す。

ソロネがこっちを見ている。ソロネのあごが上を向きまるで「あっちいけ」という合図を送ってきた。

直後「はっ!」という威勢のいい声を発しガミジン達が任務に戻るのか下、

(カインに向かって魔力の矢が飛んできた位置)に降りていった。

「あいつらは通常通り脱走者の監視に向かわせたよ。悪かったな、カイン」

ゆっくり近づいてくる天使はソロネ。

「ああ、久しいな、別にお前に止められてもよかったのに」

「はは・・・ちょっと怖かったんだ。人間界で無茶はしないだろうと思っていても

珍しくお前のガチで怒ったトコ見たからな~」

「まぁな。あれはないわ・・・あの天使なんなんだ?」

「ああ・・・あいつは・・」

「さて!カイン!」

ソロネがカインにプリンシパリティのことを説明しようとした瞬間、カインを呼ぶ大声が聞こえた。

「久々に会えて嬉しいんだけどさ!とりあえずペルセフォネ様のところに行こうか!

向こうも呼んでるみたいだよ!?」

「いてぇ!いででで!わかったから肩をつかむなって!逃げないから!逃げないから!」

「ソロネはあのガミジンを監督してやってくれ。まぁ悪く扱わないようにな」

「心得ました。それでは失礼します」

礼儀正しく礼をするとソロネはそのまま解けるように消えていった。おそらくガミジンたちの下に

行ったのだろう。

「13番もわかってるね?」

「・・・はい」

カインから離れながら無邪気にしゃべるドミニオン。しかしなにかしら薄ら寒い感じを

カインはその言葉に受けた。

『天使って時々悪魔以上に非常なことする時あるんだよな・・・その時に似てた。

あの天使なにか言われてたが終始半泣きだったもんな。俺に顔を見られないように

今は顔を伏せてるが・・・あれ泣いてるだろ。何を言ってたんだろ?わかってるって

・・・なんだ?』


そしてその場から全ての天使悪魔たちは消えた。


・・・場所を変えて・・・今である。

ドミニオンの言ったペルセフォネ様。というのはこの主任のこと。話すと長いので

ちょろっとした説明で済ますがペルセフォネとヘカーテは同一人物である。以上!


「回想と説明は終わったようだな。本題に入ろうか」


主任の部屋は特別な部屋で主任以外の心に思ったことは全て声となって聞こえてしまう。

そのせいで回想も説明も聞こえていたようだ。

「おい!もういい!」

「これもでしたね・・・」

「まぁそんな感じだな。ともあれ今回はうちのプリンシパリティがご迷惑をおかけしまして、

申し訳ございません!」

ドミニオンがテーブルに頭を下げる。悪魔に大天使が頭を下げている。

プリンシパリティは理解できなかった。が、ここは下げるしかない。しかし

長椅子にふんぞり返っているカインを見るとふつふつとプリンシパリティに怒りがこみ上げる。

しかしドミニオンになかば強引に頭を押さえられ頭を下げるプリンシパリティ。

「そうそう、はじめからそうしてればいいんだよ!(ドカッ!) いってっ」

ソレを見て高笑いするカインだったがカインの後頭部を骨の拳が襲う。

「調子に乗るな。なによりお前・・・予定者はまだ監視期間外だったはずだろ?

外(人間界)でなにしてたんだ?」

「う・・・」

その言葉に顔を上げるプリンシパリティ。

「ドミニオン、こちらこそこのバカが勝手に業務違反をしただけ、それを罰しようとしたその天使

には奨励すらしたいほどだ。こちらこそすまなかった」

深々と頭を下げる主任。カインも下げようとするがプリンシパリティを見るカイン。

天使の顔は「お前こそやっぱり悪いことしてるんじゃないか!」と書いているように感じ、

頭を下げられないカイン。主任もまたカインの頭を抑え・・・

ガシャーン!

テーブルに叩きつけた。

「いってぇぇぇ!おかしい!おかしいだろ!それ!普通に押さえれば頭くらい下げるよ!」

流石にびっくりしているプリンシパリティ。双方の緊張もどうにか解けたようだ。

ちょっとの間。頭をぶつけたカインの砕けた部分のテーブルは既に直っている。

「・・・さて、今回の件、非はどうあれ双方にある。カインは本来の業務期間以外の人間界出現」

「こちらは13番の理不尽なガミジン隊士殺害。あ、あのガミジンは特例として急遽蘇生させて

元の部隊に配属させました」

「へ~そうか」

カインのその安心した表情に微笑むドミニオン。

『・・・?・・・』

プリンシパリティはそのカインの悪意のない顔が不思議でしょうがないといった表情で見つめていた。

その表情に気づいているのはカイン以外の二人だけだったが。

主任は立ち上がって椅子を回り込み、後ろから何かを取り出しながらしゃべる。

「今回、カインの予定者のエリアに奇しくも脱走者がいる。と言う事態。

コレがどういうことか解かるな?カイン」

「ええ。やっぱお鉢が来たんでしょ?」

「嬉しそうだね~カイン」

「ああ!、いや、はい!そうですよ。ちょっとした小遣い稼ぎですから!戒厳令なんか敷いても

世間知らずの役立たずに任せてたらできる仕事もできやしない」

「!貴様!それはだれのことを言ってるんだ!?」

「あれ?解かりやすく例えたつもりなんだけど?そんなに鈍いのか?お前?」

「き、貴様・・・!」

ズドン!

およそ刃物が振り下ろされたとは思えない音を立ててカインの傍らにカインの身長ほどの刃を持った

大鎌が突き刺さっている。カインの服の肩は削れている。冷や汗が一気に吹き出るカイン。

表情はプリンシパリティを挑発した瞬間で凍っている。

挑発に乗りかけたプリンシパリティも自分の視線にいきなり大鎌が現れて声も出ないまま

冷や汗を噴出していた。

「んん゛!カイン、確かに今回戒厳令を敷くまでに至った事態になってしまったのは天界としては

甚だ恥ずべき事態だが、それもまた運命かもしれない。今は一刻も早く脱走者を捕殺することに

全力を向けたい。プリンシパリティはその使命に純粋すぎた上にカインのことを知らず、

カインの妖気をそのまま悪魔と判断して襲い掛かった。という経緯になる。

実際カインは業務以外での人間界への現出。そう思われてもしょうがあるまい?」

「・・・」

反論できず大鎌の抜かれた長椅子に座りなおすカイン。修復はされていない。

「そこで・・・カイン、プリンシパリティ。目を瞑れ」

「え?」「は?」

「いいから!ほら13番!」

ドミニオンに促されると断れないプリンシパリティはさっきの挑発を思い出して一度カインを睨む。

その視線に気づきカインもプリンシパリティを見るが

ゴツッ!

殴られたカインを見て目を瞑るプリンシパリティ。

「早く瞑れ。それとも目をくりぬこうか?」

「はいはい!」と目を瞑るカイン。

ここから二人の心の声

『ん?腕を持たれた?なにしてんだ?あ、なんか掴まれた?いや、縛られ・・・え?』

少しほくそえんだドミニオンが声をかける。

「よし!二人とも開けていいぞ」

「!!」

「!なんじゃこりゃあああああああああああああ!!!」

「おそらくこれが、今回一番最良な方法だ」

「これは我々がお前たち二人の今後の学習のためにと考えた方法だ!感謝しろよ!13番!カイン!」

声が出ないプリンシパリティ・・・絶叫の後ボーゼンとするカイン。

脱走した悪魔はどうなるのか?カインは死神の業務がこなせるのか?

それの答えは二人の腕に縛られた『何か』にある。のかもしれない・・・。

                                     つづく

とりあえず続きです。

人間の話になりはするんですがなんか悪魔しか出てきませんね・・・。

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