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アイテムボックスしか使えない俺が異世界最強になった話  作者: スリーキャッスル
プロローグ 〜其の者異界の地に降り立ちて…
4/4

第4話 魔法の息吹き 〜魔法あるんだってさ


ギルドの採用試験に合格した後、ギルド長は無一文の俺たちに今月の給料の半分を前払いしてくれた。


アイナさんはその様子を渋い顔で見ていたものの特に反対はしなかった。


その後、俺たちはギルド付属の宿舎に案内してもらった。


「なんか思っていたのと違うね〜」

「そうだな。見た目は少しデカ目のただの家だよな」


ギルドの宿舎はギルドの隣に立っており、ギルドと廊下でつながっている以外は特に変わった所のない民家のような建物だった。


トイレやお風呂、台所などは共用で、1人一部屋自分の部屋が割り当てられていた。


部屋はソコソコの広さではあるものの、机と椅子、ベッド、引き出し以外には何もなかった。


俺は特に荷物も持っていないのでやることなしに床の上に寝転びながら考え事をしていた。


すると、

「リリーナ入りま〜す!」

相変わらず元気なリリーナがいきなり部屋に入って来た。


「おい、入る前にノックぐらいしような!」

「いいじゃんか〜。それよりユーキ、今日はお疲れ様〜」


「リリーナもな。ほんといろいろありすぎて疲れたよ。」


「ほんと疲れたよ〜」

そうぼやきながらリリーナは俺のベットに登ってあぐらをかいて座る。


「おまえな、人のベットに乗るなよ…」


「へへへ〜、細かいこと気にしない気にしない。でもこれからどうなるのかな?とりあえず職にはつけたわけだし、帰る方法でも探す?」


「どうやって探すつもりだ?」


「うーん、わからない!もしかしたら帰れるかもしれないし、一生こっちかもしれないし。だけど私、1人でこっちに来ることにならないでよかったな〜。後少しでもユーキが来店してるのが遅かったらさ…」


どうなんだろうか?

もし、あのタイミングに俺たちが一緒にいなかったら異世界転移は起こったのだろうか?

もしもあの場所にいたのが他の人たちだったらどうだったんだろうか?


もし、ならばの妄想がとめどなく思い浮かぶのを押しとどめて俺は手を叩いた。


「ま、何にせよとりあえず職、住は満たしたわけだ。明日にでも服を買いに行けば衣職住全て完璧だな」


「そのショクとは漢字が違う気がするけど……

それはそうと私たちまだご飯食べてないよね?」


「そうだな。さっきアイナさんが今日の分は買って来てくれるって言ってたから大丈夫だと思うぞ。」


「へ〜そうなんだ」


そう言いながらリリーナは天井を見上げそのまま固まった…


「あ!私やばいことに気づいたかも!」


「どうしたんだ?」


「私たち異世界に来たわけじゃん!

だけど町では獣人も見かけないし、特にすごい技が使えるわけでもないし、魔法も使ってる人いなかったからなさそうだし、そのくせ魔物はいるし、スマホもテレビもないし…

なんか酷いじゃん!」


何が酷いんだよ…

異世界に飛ばされた時点で既に酷いと思うけど…


「おまえは何を望んでいるんだ?」


「えっと…、異世界チートでヒャッホーウ!?」

「そんな話現実にあるかよ…」


「魔法使いならいますわよ?」

「フホッ!?」


突然背後から声がして、俺は情けない声を上げてしまった。


振り返ると背の高いお姉さんがドアから顔をのぞかせている。


「ッて!誰ですか?」


「あらごめんなさいね?私はテレサっていうの。隣の部屋に住んでいる魅力的なお姉さんよ〜。」


普通自分で魅力的とか言うか……?


「あなたたちが今日新しく入った子たちよね?エルマンさんが勧誘した子が珍しく期待株だって話題になってたのよ」


あのギルド長、エルマンっていうのか…


「はじめまして、ユーキって言います。」

「リリーナです。」


そんな会話をしながら俺のベッドへと向かうテレサさん。


「よっこいしょ」

「なんでのベットに勝手に腰掛けているんですか!」


「いいじゃないの〜、怒ると髪、抜けるわよ?」

「俺はまだそんな歳じゃありません!」


俺の部屋なのに俺だけが床に座っている状況が、何だかみじめに思えてきた。


「ほんとにみんな勝手だよな…」

そうぼやきながら俺もベッドの端に座ろうとすると、


「ダメよ、このベッドの上は今、男子禁制よ?」


「だから俺のベッドなんですけど!?」


「あら、リリーナちゃん、ユーキくんったら私たちと同じベッドを使いたいですって!あらやだ襲われちゃう〜。きゃー!」


はぁ……


1人で盛り上がっているテレサさんを無視して俺は床の上に座りなおした。


どうして、リリーナといい、エルマンさんと言い、テレサさんと言い、俺の周りの人はこうもキャラが濃いのだろう…


「はい!はい!しつも〜ん。さっきテレサさんは魔法使いがいるって言っていたけど本当ですか?」


「ええ、ただ魔法使いの素質があるかどうかは神殿で見てもらわないといけないし、才能があるのも100人に1人くらいだから、本当に地方の田舎だとわざわざ調べるために大都市に出てこないしね。だから知らなくても当たり前だわよ。」


「そうなんですか。で、その神殿ってこの近くだとどこにあるんですか?」


「うーん、この近くだと隣のブルメークの町の神殿ね。今度の休みの日買い物でブルメークまで行くから連れて言ってあげるわよ?」


「本当ですか?ありがとうございます!」


その時ドアが開いてアイナさんが入って来た。

「みなさん、夕食を買って来ましたよ。」


「うわ!やったハスリッシュサンドよ!」

「テレサ、あんたの分はありませんよ」


「えー、残念ね。ちょっと食べたくなったから買いに行ってくるわ」


そう言いながらテレサさんは僕の部屋から出て言った。


「アイナさん、ありがとうございます。」


アイナさんの持って帰って来た紙袋の中にはマッグのダブルバーガーサイズの包み紙が4つ入っていた。

包み紙を開けてみると分厚い肉をパンで挟んだものが出て来た。。


「アイナさん、これは?」


「ハスリッシュサンドと言ってゴブリンの肉をパンで挟んで揚げたものです。

最近流行りはじめた食べ物で、ゴブリンと聞いて嫌がる人も多いんですが意外と美味しいんですよ。」


ゴブリン…あれ本当に美味しいのか?


試しに一口かじってみる。

「ッ!………」


一口食べた瞬間、口の中にジュワッと肉ジルが溢れ出した。

揚げられたゴブリンの肉はとても柔らかく、口の中でとろけるように消えて行く。


「ゴブリンって…高級食材なのかな?」


「そんなわけないんじゃない?どこにでもいそうだし〜。でも本当に美味しいね!」


その後、アイナさんは俺たちに明日の予定を告げて出て行った。


「ふー、疲れたな。リリーナ、俺はもう寝るしお前もそろそろ戻って寝ろよ。」


「はーい。それじゃあユーキ、バイバ〜イ」


「おう、また明日」


リリーナは自分の部屋に戻って行った。


リリーナが出て言った後、俺はベッドに寝転んで考えた。


もしかしたら……

いや、やっぱ無理だろう。まあ、やって見る価値はあるか。


『ステータスオープン』


ダメ元でやってみたのに目の前にウインドウが出てきた。

そして……


「まじ、かよ………」


次回、異世界無双?開始!

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