あるいはいろんな人とするのだろうか?
軍田が大きな丸い氷を一つ入れたので、僕も真似をした。そして少しからからとグラスを回して、温度を見てから、一口飲んだ。僕も同じようにした。
「うまいな。さて、じゃあそろそろ話しをさせてもらうか」
僕は突然テーブル席のおじいさんの上にかかっている額縁が気になった。なんなのだろうあれは?
「わざわざ付き合ってもらって悪いな。昨日は忙しかったんだろう? それにしても茜音は見つかってよかった。俺が公園で会った女の子だろう? ポケットから携帯を出した時に車の鍵を落としちゃったんだ。僕はそれに気がつかずに、そのままベンチを離れようとしたんだけど、それを拾って渡してくれたのが茜音ちゃんだった。その瞬間だけを友達の誰かは見たんじゃないかな? 『これ、落としましたよ』『あ、ありがとう』としか言ってないからね。何か犯罪性はあった?」
「いや、特にないみたいだ」
強いて言えば王さんが茜音ちゃんを保護していた経緯に犯罪性があったようにも思えるけど、今それを言ってもあまり意味はなさそうだ。
「それは良かった。これでも心配してたんだ。そうか」
軍田は少し難しい顔をした。
「その預かっている人に何か問題があるっていうことはないのか?」
僕は理恵さんについて少し考えた。奇妙なところがあるとすれば一箇所だけだ。昨日の夜みたいなことをあるいはいろんな人とするのだろうか? それを茜音ちゃんが見ていたとしたら、家を離れても仕方がないのかもしれない。
「何か心当たりがあるのか?」
僕が考え込んでいたので、軍田が聞いてきた。そんな風には見えなかった。考えすぎ、ということにしよう。実際はどうだかわからないけれど。
「いや、特には」
軍田はライム・クイーンに手を伸ばして少し飲んだ。
「まあ、いいだろう。とりあえずは俺の話を聞いてくれ」




