微風
我が名は哲学なり。
和を志す者なり。
我が母は煤けし白。
我が父は淀みし黒。
我、産声上げて幾年か。
真の理と知を今日も求む。
嗚呼。
彼の地に飢える童を見ゆ。
助けて、助けて、声を枯らす。
だが、乞うた助けは上の空。
そして何時しか灰と帰す。
嗚呼。
彼の地に倒れし兵を見ゆ
助けて、助けて、声を枯らす。
だが、乞うた助けは上の空。
そして何時しか土に帰す。
理を条理へと正す為、
我は我が顔に知恵を刻む。
其を見し風、荒ぶ、荒ぶ。
微風と成るは果て何時ぞや。