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学園α  作者: 鎖月
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序章

登場人物


水茂(ミナモ) 影大(ショウタ) (男)

主人公。中学三年、成績は中の上。



近葉(チカバ) 名緒(ナオ)(男)

影大の友人。容姿端麗で誰からも好かれているものの、影大への態度が異常なせいで同性愛者なのではないかと噂されている。



映木(ウツリギ) 真名(マナ)(女)

真名は鏡山学園理事長、



映木(ウツリギ) (ハヤト)(男)

真名の息子。若くして学園の事務の仕事を引き受けたり、生徒会長の仕事もこなしている。

「...理事長、今年の募集定員は何人にいたしますか?」


パソコンの明かりだけがついている暗い部屋の中で、鏡山学園の学園長である映木準は目の前にいる女性に話しかけていた。


「ん~、そうねぇ。去年は何人だったかしら?」


理事長なんだからそれくらい覚えとけよ...と心の中で愚痴をこぼしつつ、隼は質問に答える。


「180名の募集に対し応募は全員で360名。最終的な入学者数は179名です。」


「なるほどねぇ...。」


隼の話を聞きながら、理事長である映木真名は考えこむ。


大体、理事長の入学者募集定員と、それに伴う入学試験はぶっ飛びすぎている。


とある年はどこぞの芸能オーディションだと突っ込みたくなるような、歌やダンスの審査。


また別の年では、教師でも解けないような超難題を解かせたりと...。


準は、理事長の思い付き実行する入学試験に、溜息がでるばかりだった。


「...で、どうなさいますか?」


改めて視線を理事長に向けると、理事長の口元に僅かな笑みを浮かべていることに気づき、不意に背筋に寒気が走る。


「(これは...やべえやつだ。)」


無意識に、分かった。


「そうねぇ、今年は──人。かな?」


「...は!?」


*********************


 「なあ影大!進学について、なにか決めた?」


晴れた日の午後特有の暖かな日差しが差し込む時間。もうすぐ進学先の最終決定をしなければならないこの時期に、僕は未だ進学先を決められずにい た。


「んー、なぁんにも。先生にも急かされてるんだけど、緊張感をまるで感じないというか...。」


「いや、そんなこと言えてるのはお前だけだよ。」


確かに。周りを見てみれば、試験に向けての勉強をしている人で教室が埋まっていた。空席なんてほとんど見当たらない。


そんな中、何故僕と目の前のコイツ。近葉名緒は余裕で会話をしているのかというと、僕はさっき話していた通り進学先すら決めていないから。


名緒はとっくに推薦枠をもらい、進学先が決まっているからだ。


はぁ、と小さく溜息をついて机にうつぶせる。進学かぁ...。


そろそろ本当に決めないと、三者面談で誤魔化すのは、もう無理だよな。

そう考えるとまた溜息が出そうになる。


と、その時。


廊下がやけに騒がしくなっていることに気づいた。珍しいな、最近になってから皆教室か図書館に籠りっぱなしだったのに。


「下級生でもきてるのかな?見に行ってみようぜ。」


「え、ちょっ...!?」


名緒に腕を引かれ、俺は躓くように教室を飛び出した。


教室から出てみると、僕の目の前に黒スーツの男が一人。その周りを、一定の距離をあけて生徒たちが囲んでいる。という状態を目の当たりにする。


「うわぁ、黒スーツにサングラスって....。おっかないなぁ」


名緒が僕の横から黒スーツの男を見ている。確かにおっかないかも...。


「...ん?」


「うっ...!?」


バチリと、黒スーツと目が合った気がした。サングラス越しにうっすら見えた瞳はつり上がっていて、睨まれているような感覚だ。ゾクッと背筋に悪寒を感じる。


「どうしたんだよ影大、ほら額から汗が...」


そう言いながら、名緒がハンカチで僕の額をふいてくる


「い、いいよ名緒そういうのさ...。」


そしてこういうとき、名緒は僕に対して世話を焼きすぎなんだ。陰で某ホモマンガ、「セカ○イから出てきた二人」とか言われてるの、知らないのかよ...


「でもほら、汗かいて体冷やすと風ひくから。」


「大袈裟なんだって...」


そんなやり取りをしながら、ふと視線を感じる。近葉も同じことを感じたらしく、後ろを振り返る。


そこに、さっきまで生徒に囲まれていたはずの黒スーツがいた。


「うおぁっ!?/っ!?」


「あー、すまない。その...友人の粋を越えた戯れの最中に...」


「違うわ!!」


なんつーギャップだよ!?まさか黒スーツにこんなツッコミすることになるとは思ってもなかったわ!!


「え、あ。その声は映木さん。こんにちは。」


僕と一緒に驚いていたはずの近葉が、何かに気づいた様子で黒スーツに笑顔で挨拶してる。


「あ、お前...推薦枠でウチに入学が決まってる...名前は確か」


「近葉です、近葉名緒。」


「そうそう。ホント、運が良かったな。」


「これも、理事長先生の目に偶然止まったおかげですね。感謝しています。」


「...あのぉ。」


なんか二人で話が始まったし。僕置いてけぼり?


「...あ、すみません。影大が妬いてるみたいなんでこの辺で。」


「妬いてないし!」


「ん、妬いてないね。」


近葉はいつもこうだ。僕のいうことに納得してくれるものの、僕自身が納得できない。なんかこう、子供扱いされてるっていうか...


「コホン、俺はお前らに用事があるんだが。」


「「...え??」」


僕と近葉は顔を見合わせる。


「...あー、もうすぐ来るかと」


「??」


「誰がですか?」


「私が」


「「!?」」


僕の後ろから女の人の声が聞こえてくる。唐突すぎて驚いた僕は、あからさまに目を見開いていた。


「あ、理事長。遅いですよ。」


「ごめんなさい?若すぎて幼さが残る中学生を見るのって、楽しくって」


「そーですか。」


「え、あ......」


僕はあんぐり口を開けたまま、理事長と呼ばれた女の人を見た。


「ハァイ、君名前は?」


「み、水茂影大です!」


理事長と呼ばれた女の人とバッチリ目がった僕は、ドギマギしながら名を名乗る。


「ふーん、君進学先は?」


「決まってないです。」


「ふーん?」


それだけ聞くと、理事長と呼ばれたその人は黒スーツを引っ張り、小さな声で何か話し出した。


「(か、母さんまさか...)」


「(あら、一人くらいいいじゃない。)」


「(それはこれまで試験を受けて

落ちてきた生徒に対して失礼だっつの!)」


「(真面目か!)」


「(母さんが不真面目過ぎるんだよ!!)」


「(まあまあ良いじゃない。理事長命令)」


「(....はぁ。)」


「あの、大丈夫ですか?」


二人のやり取りが、雰囲気からして漫才に見えた僕はとりあえず声をかけてみる。


「....大丈夫だ。理事長と学校に関わる話をしていた。」


「そ、そうですか。」


「ねえねえ君!水茂影大君だったわね?」


「あ、はい。」


「君、我が鏡山学園にいらっしゃいな。」


「....え?」


...彼女のこの一言が、僕の進学先を決めるきっかけとなる。


(序章完結)




あとがき


はい、序章終了いたしました。本編では影大の高校生活について書いていくので、まずは高校入るきっかけでも書いてみようと思いたったわけです。


それでは僕の自己紹介でも。


僕は鎖月といいます。以後お見知り置きを。


普段は朗読やゲーム実況、歌ってみた等をやらせていただいています。


といっても、小説はだいぶ前から書いてるんですよ?


今回こうしてオリジナル長編を書くに至ったのも、偶然の重なりというか...


まあ、その話は追々。


さて、お次は主人公である水茂影大について本人からお話していただきましょう。


影大君、お願いします。


「呼ばれましたー。皆さんどうも、水茂影大です。序章では中三ですが、本編では高校一年生です。」


はい、それではいくつか質問していきますね。


「どうぞ。変な質問はよしてくれよ。」


分かってます(笑)では一つ目。


Q1映木準を初めて見たときの印象を教えてください。


「んー、怖い。黒スーツにサングラスだぜ?どこぞのSPだよ!」


確かに、まあ私のイメージ?理事長って偉いお方じゃないですか。


じゃあ次に行きましょう。


Q2ぶっちゃけ、水茂君は成績はどうなんですか?


「んぇ!?僕の成績?まあ、よくもなく。悪くもなく。という感じだね。」


そうかな?僕の設定では、悪くない成績だと思うんだけどな。


「じゃあ、僕の欲求ということにしたら?」


じゃあ、そうします(笑)


「この辺でいい?近葉とカラオケ行く約束してるんだよね。」


え、あ。ごめんなさい。じゃあ今回はここまで!


「それじゃあ、次回のフィニッシュトークでは誰が出てくるのか。」


お楽しみに!



*登場人物に対する質問、感想などありましたらよろしくお願いします!*


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