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射的大会

ジェニーがつぶやいていると、ピピンが駆け寄ってきた。

「ジェニー」

「おお、ピピン」

「ここの店で食べようと思ってさ。あそこに2人いるだろ」

ピピンが指をさすとサリアとお嬢様がペコリと頭を下げた。

「それにしても早くないか?ちゃんと休めたのか?」

「まあね。あ、それよりスリーセブンズって組織が動いている」

「え?そいつらならさっき会ったよ」

「は!?大丈夫だったのか?」

「ああ…。なんか弱そうだったし、私に会ってから何しに来たのか忘れたしって感じでどっか行っちゃったぞ」

「そ、そんなはずはない。あいつらはただ者じゃない奴らだぞ」

「まあ、いいじゃないか。それより寿司でも食べよう」

と、ピピンは竿寿しに入って、仕方なくジェニーも入った。

イスをピピンがもい一つ持ってきてジェニーの座る席にを作った。間もなく美織が丸い大きな皿を持ってきた。

テーブルに置かれると寿司がキラキラして見えた。

「おお、ありがとう」

と、ピピンが言うと美織が

「ごゆっこりどうぞ」

笑顔で言って離れて行った。

そして美味しい美味しいと言いながら食べること5分、ジェニーの手が止まった。

「って、そうじゃない!スリーセブンズだよ」

「大丈夫じゃない!!もし何かあったら」

「例えば?」

「例えばって…。そりゃ…爆発するとか?」

とその時、この射的場の周辺で爆発音と地響きがした。

「っ!!こいつは…」

「あいつらかもしれない…」

ジェニーが言うとピピンが立ち上がった。

「ピピンさん。行きますか?」

サリアが聞いた。

「行こう。寿司は食べ終わったか?」

見るとイカが一貫だけ残っている。

「イカか…。よし行こう」

それを口に入れて皆を立たせると店の外へ向かった。

「小太郎。ごちそうさま」

「おう、ありがとう。400コルだ」

「400…?高いな」

「ちょっとな。出張で着てるから」

「なるほどね」

400コル支払い屋台の通りに出た。

爆発音がした方を見ると黒い煙が上がっている。

「凄いな。あ、でもお嬢様を連れて行くのはやめておいた方がいいよな」

と、お嬢様を見た。

「私がお嬢様と一緒にいます」

とサリアが言った。

「ジェニーさんはスリーセブンズの事を知っているのでピピンとジェニーさんで行ってください」

「分かった。サリアも油断しないで気を付けるんだぞ」

「はい」

そう言うとサリアとお嬢様を残し、ピピンとジェニーは煙の上がっている方へ向かった。



「なんだ今の爆発は?」

「どこで爆発したんだ?」

などと周辺がザワザワしている。見たところ怪我人はいなさそうである。

「怪我人はいませんか!?」

この射的場の職員らしき人が声を上げている。

「この辺りにいそうか?」

ピピンが辺りを確認しながらジェニーに聞いた。

「いや。気配がない」

「ピピン・ザ・ホルン」

「っ!!」

聞きなれない女の声が上の方から聞こえた。

振り返り木の上を見ると、枝に黒いスーツを着た女が座っていた。

「お前は…」

女が枝から地面に降りて近づいてきた。殺気は感じられない。

「初めましてピピン・ザ・ホルン。私はスリーセブンズのロイス・カイトン。まさか本当にあの爆発に誘き寄せられるなんて思わなかったわ」

「今回の目的は何なの!?」

ジェニーは睨み付けながら言った。

「今回は特に何もないわ。あなたにこれを…」

とロイスはスーツのポケットから手紙をピピンに差し出した。

「これは?」

「いいから受け取りなさい」

だまって受け取ると

「何これ?」

手の中にある封筒はピンク色でラブレターのように見える。

「果たし状よ。今回のの目的はそれを渡すこと」

「いやいや、これどっからどう見てもラブレターだろ」

ピピンは笑いをこらえながら言った。

「失礼な。まあ確かにラブレターっぽく見えるのは否定しないけど」

「ほら見てみろよ」

「本当だな。ラブレターだ」

「と、とにかく!私の任務は終わったから帰るわ」

と、スタスタと歩いていってしまった。

「でもなんでこんなラブレターっぽいんだ?」

ピピンがピンク色の封筒を開けると中には普通の手紙が入っていた。

「カモフラージュか?」

ジェニーが呟いた。

「え?」

「いや。これは外から見たらラブレターだけど中身は果たし状…」

「そういう事なのか。怪しまれないように?」

「多分…」

「誰が怪しむんだよ」

「…いやー。誰かな?」

「まあいい。中身は」

ピピンが果たし状を開いた。

「タークポートタウンの事務所に手紙を入れた。必ず見るように」

「これ果たし状じゃないよ」

「え?」

ピピンから手紙を取り中身を見た。

「なんでこんな物をわざわざ渡しに来たんだ?」

「ん?もう一枚入ってるぞ」

ピピンが封筒の中から手紙を一枚出した。中はこれで空になった

「五日後の夕刻『シグカス V-72』を奪いに行く。覚えておくように」

「これは果たし状だな」

「そうだね。じゃあこっちは?」

ジェニーの持っている手紙をピピンが覗き込んだ。

「あ?これは差出人の名前か?」

ピピンは手紙の右下に小さく「L.P」と書かれているのに気づいた。

そして、果たし状の方には文章と同じ大きさで、文章の真下に「777」と書かれてある。

「本当だ。「L.P」か…」

「スリーセブンズの中に「L.P」っているのか?」

「いや。「L」はいるけど、「P」のつくやつなんか付くやつなんかいない」

「そうか…。妙だな」

「うん。でも事務所に戻ったら何か分かるんだろ?だったら今の所は置いといて大会に集中だな。分かった事は五日後に……って!襲撃されるんじゃん!!」

「あー。そだね」

「そだねって、指令本部とカブウェブに応援を頼まないと!」

と、その時ピピンは嫌な気配を感じた。

「その必要はない」

まぎれもないあの人の声だ。

「ちょ、長官!」

いつの間にか長官が隣にいた。

「果たし状か。五日後か。大変だな。『L』と『P』か。なぞだな」

--あなたが一番なぞな人物ですよ……

ピピンが心の中でつぶやいた。

「いつからいたんですか?」

「手紙が渡された辺りからだ。でもまあ、その『L.P』だが、それはおそらくスリーセブンズには関係ない人物だろう」

「なぜ分かりますか?」

「ワシの考えではその『L.P』という人物は事務所に手紙を入れた。そして、その事を早く知らせたかった。だが正体を見られたくない。そこで、スリーセブンズの封筒の中にしのばせた」

「なぜそんな事を…」

「この人物もそうとう謎に包まれてるな」

「でもあのロイスが持っていた封筒の中にこの手紙を入れるなんて相当の腕を持った人よね」

三人は頭を悩ませた。

「そうだ長官」

ピピンが何かひらめいた。

「どうした?」

「あの指令本部の衛星カメラの機械で事務所のポストに入れた人物を見ればいいんじゃないですか?」

「いや!ダメだ!!あれは犯罪が起きないようにとか犯人の足取りを見たりとかの重要な時じゃないと見てはいけない事になってるんだ」

ーーえ~。なんだその屁理屈は……


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