1日目:幼なじみ
いつもと変わらない朝、いつもと変わらない日。
今日もいつもと同じように高校へ向かう俺達。
…俺?俺は風見 陣だ。茶髪(染めた)で短髪。軽く立ってる感じの髪型で、なかなかのイケメンさ!たぶん。身長は170…今年から17でこれは小さ…
ゴンッ!
「あだ!」
「ちょっと、大丈夫!?〜もう、ボーッとして歩いてるから電柱なんかにぶつかるのよ!」
こいつは俺の幼なじみの沙汰 愛理。結構仲の良い友達で、それ以上でも、それ以下でもない。髪型はセミロングで色は黒。顔は、一般人からかわいいと言われるような感じかな。俺は小さい頃から知ってるからよくわからん。そしてコイツ、なぜか俺より身長が2センチ高い!
「いや、ボーッとしてた訳じゃ…」
「まぁ陣が電柱よりモロイからしかたないかぁ。」
「どーゆう意味だ。」
「ダメ男って意味。」
おぃ。
「…あ!」
急に愛理が何かを思い出した様な顔をした。
「どうした?愛理。」
「確か今日学校休みだったわ!」
え?今日は水曜だよな?
「なにゆえ!?」
「トイレの工事でよ。知らなかったの?」
それだけでかよ!つーか何故トイレ工事!?
「連絡来てないぞ…てか、連絡網の俺の前は愛理じゃなかったか?」
「あ、忘れてた!イケネ☆」
愛理は自分の頭を軽く叩いた。なぜかはわからんが、スゴいムカついた。
「…まぁ、今日休みなら学校行っても意味ないし、家に戻るか。」
「あ、じゃーアタシも陣の家イコーっと!」
おぃおぃ、勘弁してくれ。とは言えない情けない俺…
トホホ…
―で、現在二人で俺の家にいます。
「おぃジンちゃん、麦茶おねがーい!」
遠慮ってもんを知らねーなコイツ…
「へいへい。」
言われるままに麦茶を取りに行く俺。
…あ、そうそう、親は今いないんだよね。親父の仕事関係で海外へ行ってんだ。だから一人暮しなのさ。
…お、麦茶みっけ。これを居間に持ってくのか。メンドイからコップとボトル両方持ってこー。
「ほらよ、麦茶。」
「おー、麦畑のお茶だね。」
いや、知らんから。
さて、コップにくんで…と。
「ほらよ。」
「お!気が利くねぇ♪」
じゃあ俺はテレビでも見るかな。
ポチッ
「いただきま〜す♪」
ゴク、ゴク、ゴク…
コトッ
「ふぃ〜やっと4分の1飲んだよ〜。」
遅っ!アレだけゴクゴク飲んどきながらまだ4分の1!?
そう思って、愛理の方を見ると…
「…っておぃぃぃぃい!何でボトルの方飲んでんだよ!!そこのコップにくんでやったろーがぁぁあ!!」
「まぁまぁ、落ち着きたまえ陣くん。今のはアレだ…ノリだよ!」
うるせーよ!
―そんなこんなで、メチャクチャな朝(?)でした。
俺がテレビでいい〇もを見てると
「おぃジ〜ン、お腹減ったよーう。」
と言ってきた。
コイツは昼飯まで家で食う気か?…まぁ良いけど。
「しゃーねぇな。…んで、何食いたいんだ?」
「テメーで考えろー!幼なじみだろー!」
無茶だろそれは。
「じゃあお前フリカケご飯な。」
「すいませんでした!パエリアが食べた…」
「ムリだ。」
「〜チャーハンが食べたいです。」
まぁ、チャーハンなら良いか。
「わかった、じゃあ作るからちょっとまってろ。」
そう言って、キッチンへ向かう俺。
「ちょっとってどれくらい?1分?5分?10分!?」
うるさい。
「いらないのか?」
「すいませんでした!」
フッ、俺の勝ちだな。
―――で、味付けして…と。よし、完成ー!
チャーハンを皿に盛り、愛理を呼ぶ。
「愛理、出来たぞ〜。」
お?反応したか。バタバタと走ってきたぞ。
「おつかれー!そしていただきぃ♪」
あ、愛理のやつ、チャーハン奪って居間まで持ってっちまった…まぁ良いか。
俺も早く居間に戻って食うかな。
…で、居間に戻ったのは良いんだが…俺のチャーハンがないぞ?
「おぃ愛理、俺のチャーハンはどうした?」
「ふぃらふぁーい。」
…?
「知らない…って言いたいのか?じゃあ今、口に入ってんのはどうした?」
…ゴクン!
「そこの皿から拾った。」
やべ、今何かが切れた気がするよ。
「あきらかに俺のだろーがぁぁぁあ!!」
「キャー!逃げろー!」
くそ、昼飯食い損ねた…
現在の時刻・6時過ぎ。
「あ〜そろそろ暗くなるね。」
お?帰る気になったか?
「そうだな。日も落ちてきたし。」
「だね〜。じゃあそろそろ帰るかな!親もうるさいだろうし。」
「じゃあ途中まで送ってやるよ。」
「お?アタシに惚れた?」
ふざけんな。
そーいや、愛理と俺の家は意外と近いんだよ。距離はたぶん3百メートルくらいだ。
今歩いてる場所は…ちょうど家と愛理の家の中間あたりだな。
「あ、この辺までで良いよ。」
「ん?そうか、わかった。」
「じゃあまた明日ね〜!」
「おう。気ィ付けて帰れよ〜。」
向こうが手を振ってきたんで俺も軽く手を振り、家に戻った。
「さてと…どうしたもんかね、これは。」
そう、さっき愛理が暴れたせいで居間がメチャクチャなんです。テーブルの上の部分が天井に刺さってたり、テレビのリモコンのボタンが全部取れてたり…
どんな状況だ!
「あいつを暴れさせたらダメだな……はぁ…。」