第4話:寂しがり屋なメイドさんとモーニングICU
睡眠勇者をお手に取って頂きありがとうございます!本作品は基本的に1日3話投稿で7:10、11:10、18:10になっております。それでは、睡眠勇者夢一郎もといはレイズの冒険を読んで頂ければ幸いです!
第4話:寂しがり屋なメイドさんとモーニングICU
「勇者レイズ様、旅立ち前の最後の寝る前のお着替えと体洗いをさせていただきませんか?」
自分で出来るよ。と喉前まで来たがクラリスの瞳には寂しさの様な感情を感じる目だった。記憶を探ると幼い頃から同年代のメイドとして生きてきた。つまり彼女は15歳、共に生きてきた事もあるのか最後の業務をしたいのか、僕には推測しか出来なかった。
「じゃあ、お願いしようかな」
「はい!お任せください!」
私室の入浴室には既にお湯が張ってあり、バラも浮かんでいた。
着替え中だけは部屋の外にいて欲しいと頼み、僕は椅子に座りながら同じ年齢の女の子に体を洗ってもらっていた。病院でも看護師さんが身体を拭いてくれるが、同年代の女の子だとやはりドキドキする。
「クラリス、君は今後どうするの?」
身体を拭く手が止まる。聞いちゃまずかったか……
「レイズ様が帰ってくるまでメイドとしての技能を高めるつもりです。ですが……本当は寂しいですね。しばらくは殿下の元でお世話になる予定もあります」
再び身体を拭く手が動く。
「そうか……帰ったらまた着替えさせてもらえる?」
「はい、ぜひ!」
入浴中も彼女は濡れてもいい専用のメイド服を着ながら浴槽前に立っていた。申し訳なさを感じながらも人生で数回しか入ったことの無い浴槽は大変居心地が良く長風呂をしてしまう。
そして火照った身体をクラリスが拭いてくれる。手馴れた作業だが気持ちがこもっているのがよく分かる。そして着替えさせてもらうとクラリスはモジモジしだし、頬を赤らめる。
「どうかした?クラリス」
「今晩だけ勇者様と寝てもいいですか?いえ……レイズ様のそばに居たいです」
再びドキドキし始め、どう答えるか悩む。同じ年齢の女の子と一緒に寝る経験など縁のない話だと思っていたからだ。
「僕はそういう……その大人な事はできないけど……一緒に寝るだけなら……」
「ご好意に感謝いたします……」
僕は気にしたら今まで抑えてきた性欲が爆発するかと思ったので目を瞑り、無心、無心と心で唱え続けるが明らかに服を脱ぐような布が擦れる音が聞こえる。
「ク……クラリス!?」
「あ、その……メイド服が濡れていたので……下着は履いてるので安心してください」
あー今晩ヤバいかもな……口調が崩れるほどの性欲の中で僕は眠りにつく。
機械音が鳴り響く中で僕の意識は戻る。
あ、ここは病院か。でもなんか雰囲気が……
「気がついた?!夢一郎君!」
なんだか懐かしい男性の声が聞こえる。
「えーと……僕はなんでこの集中治療室みたいな所に……」
「2日前の夜に急性脳炎を起こして危うく死にかけたんだよ」
「てことは今後リハビリ生活ですか?」
小柳先生は黙る。何か言いづらい時はいつもこうだ。
「実は……」
黒咲先生という世界的権威のお医者さんの話と覚醒不明症の話を聞かされた。そして僕も夢の話をした。
「僕も脳神経内科が専門じゃないから分からないけど多分ある種の妄想と夢の間のような状態だと思うけど……うーん……難しいね」
「でもあの夢は……なんかもう1つの現実のように感じましたね」
「夢一郎君が不快だったりしたら、夢を見る時間を減らす薬とかも投与できるけどどうする?」
「また続きを見れるかもしれないので大丈夫です」
ほとんど直感だがあの夢の続きはまた見れる気がする。僕にとってのゲームとも言えるし、もう1つの現実とも言えるあの夢を見たい。
しばらくして病院食を食べると王宮で食べた食事との格差を感じ、今度はあの世界で何を食べようか考え始める。そんな事をしていると父と母が慌てて病室に入ってくる。
「「夢一郎!」」
「父さん……母さん……なんか懐かしいなぁ」
「夢一郎ごめんな……集中治療室はパソコン持ち込み禁止って言われたから持って来れないんだ」
「気にしなくていいよ。それよりも……ちょっと疲れたから寝てもいい?」
「うん、お母さんもお父さんも事情は小柳先生から聞いてるからゆっくり休んで」
「ありがとう……」
僕は重たい眠気と共に意識が遠のく。
ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!ご拝読お疲れ様です!1日3話というスケジューリングなので前書きも後書きもテンプレートなのをご容赦ください。
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