第27話:ライラの秘かな想い
睡眠勇者をお手に取って頂きありがとうございます!本作品は基本的に1日3話投稿で7:10、11:10、18:10になっております。それでは、睡眠勇者夢一郎もといはレイズの冒険を読んで頂ければ幸いです!
第27話:ライラの秘かな想い
今回の宿屋はスイートルームは庭園付きで5部屋あり、ラオスが自腹で1万ルドシアを払い、2泊する事にする。
重たい雰囲気の中で僕はいつか氷の女王を超えてみせると固く誓い、剣を研ぎながら、精神統一をしていた。
すると珍しくライラがラインハルトさんを呼び、庭園へと向かう。少し不安だったがライラとラインハルトさんの関係なら大丈夫だと自分に言い聞かせる。
私の心も決して平穏とは言いづらかった。勇者様は誰よりも仲間思いで悪い人間ですら殺すのを躊躇う。正直この世界では生き残るのは難しい。だから私は強くなりたかった。
「アスタル魔爵、私を鍛えてくれないだろうか?」
「ライラ様、その為には……」
彼は私の黒薔薇の剣を見て黙る。
「私は強くなれないのか……?」
「いえ、ちょっと気になっただけです。1つ教えるとすれば幻想刃無双という私が先程使った技があります」
初めて聞く技名に私の闘争心が反応する。それは守りたい者故か、強さへの欲求という元騎士としての欲求かは分からない。
「教えてくれ!たとえ時間がかかっても習得したい!」
アスタル魔爵はまた悩み顔の末に1つの条件を提示する。
「この幻想刃無双は絶対に黒薔薇の剣では行わないでください。命と交換になります。なので冥刀のみで行ってください。よろしいですね?」
「分かった。では、ご教授よろしくお願いします!」
私は久々に頭を下げて頼み込む。
「幻想刃無双は基本的に引き抜いた剣と自分の脳を一体化させるのが最も基本です。それをすると剣の声が聞こえるのでそこまでを第1段階、第2段階は剣に相手を斬れと命じながら同時に斬撃を極限まで現実とリンクさせるイメージを持つことです。これで使えるようにはなりますが斬撃数が増えればそれだけイメージ量も増えますし、脳への負担も尋常ではありません。それでもライラ様は望みますか?」
私は覚悟は決めてある。最初は隊長の命令で勇者様を守るつもりだった。だが今では彼の人柄に惚れた。優しくて、お人好しで目を離すと騙されてしまいそうなレイズ様をお守りしたい。
「はい、覚悟は出来ております」
そこからあまりにも質素で、ものすごい量のトレーニングが始まった。
僕は剣を研ぎ終わるとラオスの方を見る。とても綺麗な蒼と金の剣で大事そうに研いでいる。
「ラオス、その剣は?」
「あぁ、これか?これは精霊王の片手剣だ。俺が初めて自分の力で手に入れた剣で、セングラード帝国城の地下の精霊王の洞窟で精霊王から頂いた物だ」
「何か特殊能力とかあります?」
彼はうーんと考えると意外にも、無い!とはっきり言う。
「そんな凄い剣なのに特殊能力が無いなんて……」
「だけどまぁ……強いて言うなら丈夫って事かな……あーでも光属性の魔力を流した時に精霊の血を捧げよって聞こえたよ」
精霊王の片手剣なのに精霊の血を捧げよ?随分と残酷な王様だなぁ……
「今、不思議に思っただろ?これは城の地下書物で読んだんだが精霊王は精霊の血を好むらしい。理由としては精霊の源の信仰心を自分のものにして強くなれるからだとか」
「なるほどね。食事の前に入浴にする?」
「そうだな、俺がライラ嬢とラインハルトを呼んでくる」
僕はしばらく待っているとラインハルトさんにお姫様抱っこされているライラと共にラオスも現れた。
「ライラっ!」
「レイズ君〜ライラ様はお疲れだから寝かせてあげて〜」
と小声で囁く。
「ラインハルトさん、ライラは一体何を……?」
「本来なら吸血魔剣士しか使えない技を伝授してたんだけど驚くほど成長が早くてね。脳が疲れたみたいなんだよ〜僕もうビックリ〜」
ライラにそんな才能が……
「さて、ライラ嬢は寝かせておいて俺達は風呂でも入ろうぜ」
「僕は置き手紙だけ書いたら向かうよ」
僕はそう言って、2人を見送り、すぐにペンと洋紙に行き先を書く。
すると寝言なのかわざと言っているのかよく分からない声が聞こえる。
「レイズぅ……私が守ってやるぞぉ……」
「ライラ……」
僕はこれくらいなら許されるだろうという自己基準でライラの頭を撫でると再び「レイズぅ……くすぐったいぞぉ……」と言うのが愛おしく感じたが今は風呂に向かった。
ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!ご拝読お疲れ様です!1日3話というスケジューリングなので前書きも後書きもテンプレートなのをご容赦ください。
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