第25話:花と水の都サーンライトへの旅路
睡眠勇者をお手に取って頂きありがとうございます!本作品は基本的に1日3話投稿で7:10、11:10、18:10になっております。それでは、睡眠勇者夢一郎もといはレイズの冒険を読んで頂ければ幸いです!
第25話:花と水の都サーンライトへの旅路
僕はずっと大海を空から眺めていた。無限に広がる海に心を躍らせながら。
僕達が居るのは勇者パーティ特別待遇室のラウンジで3パーティしか入れない。しかも追加料金は1人2000ルドシアだが鉄道で貰ったパスポートのおかげで無料だ。ラインハルトさんは相変わらず高級酒をタダ飲み、ライラは個室で仮眠を取り、ラオスは僕の隣の席で懐刀とも言える回転式拳銃の調整をしていた。
「そんなに海が珍しいか?」
「なんて言うんだろう、この自然の奇跡がとても新鮮に思えるんだ」
「まぁ、分からなくもないな」
僕はコーヒーを飲み、一息付くと物々しそうなマント付きの鎧に身を固めた5人の人々が入ってくる。明らかに普通じゃない。何故なら鎧の胸の所に世界防衛軍の幹部証が付いているからだ。
そして予想通りこちらに来る。
「失礼、レイズ勇者で間違いないかな?」
「はい、あなた方は……」
「申し遅れました。私はアルノア世界防衛軍エルリード大陸防衛部最高司令官アールドーヴァス防衛中将です。後ろの4人は世界防衛軍枢機委員会の直属の護衛です」
威圧感に僕は緊張しながら、名刺を作るべきだったと後悔する。やはり、挨拶は肝心だがアールドーヴァス中将以外かなり怖い見た目だ。威圧感というか殺気が凄い。
「それで中将閣下は僕に何の御用でしょうか?」
「あぁ、失礼。アルドスの防衛と帝国でのクーデター軍の撃滅、目を見張る戦績と本来なら我々が行わねばならない任務を引き受けたことに感謝を申し上げたくて」
「いえいえ。僕は守りたい人達を守っただけです」
中将閣下は笑いながら膝を下ろし、礼を捧げる。
「ここまで謙虚な勇者は初めて謁見出来ました。何かあれば我々をお頼りください。ロストアン第3位護衛騎士、例の書類を」
ロストアンと呼ばれた騎士はマントの内側からカバンを取りだし、書類を見せる。
「第5次魔王討伐隊壊滅……」
「えぇ、この世界では記録にある限り、10回魔王を倒してます。そしてその内の6回を倒しているのが世界最強の軍事列強国家グラン・フェルドリード皇国の勇者なのですが先日現在の魔王の5回目の討伐隊を派遣しましたが瀕死の仲間がパーティ壊滅を報告してきました。その後から魔物の動きが活発になり、これはレイズ様とラオス様の心の中に留めておいて欲しいのですがセングラード帝国でのクーデターは魔物が起こしたとされています」
ラオスも流石に驚きの表情を見せる。前国王の主導でなければ一体誰が……そして魔物の目的。なにか強大な影が動こうとするのを感じた。
「クーデターの首謀の魔物に見当はついているのですか?」
「残念ながらそこまでは……しかし前国王が現職だった頃から繋がりがあったようです」
状況が変化していく中で僕はここからどう話そうか悩む。
「中将閣下はこれからどのような任務を?」
「サーンライトで開かれる六大陸総合防衛会議に出席予定です」
僕はなるほど、ご苦労様です。と控えめに返して、これ以上の質問を避ける。無論ラオスも黙ったままだ。
世界防衛軍の幹部達はそのまま勇者ラウンジを退出し、やはりこれも予想通りかラインハルトさんが寄ってくる。
「ねぇねぇ、どんな話をしてたのかな〜?」
「アルドス街の防衛とクーデター軍の鎮圧に感謝だって」
だが彼は納得いってないご様子だ。まぁ、会話時間的に当然か。
「本当〜?それにしては長い話だったけど?」
まずいなぁ、どう誤魔化すか……
「父上の身を案じてくれた。それだけのことだ」
ラオスがまさかの助け舟を出して、ラインハルトさんもなるほどね。と返して再び飲酒に興じる。
「ねぇ、ラオス。もし首謀者がモンスターだとしたら心当たりはある?」
彼はコーヒーを1口含み、しばらくの沈黙の末に答える。
「魔参謀ネビュルレギュースト……奴なら……」
「参謀モンスターが国王を動かした可能性が?」
「それは……」
すると船内に放送が入る。
「間もなくサーンライト、サーンライトに着きます。お忘れ物等ございませんようにお気を付けください〜」
「また今度話そう。だがその時はレイズ、お前にも協力してもらうぞ」
「分かった。その時は任せて欲しい」
そして視界の端から個室のドアが開き、まだ眠たそうなライラが現れる。
「おはよう、ライラ」
「あぁおはよう勇者様。ラオスもおはよう。アスタル魔爵も元気そうだな」
「ライラ嬢はまだ眠たそうだな」
寝起きは誰だって眠いだろとほぼ正論をラオスに返した後で4人で飛行船から降りる。
そこには様々な花の花畑があり、綺麗な水も流れていた。セングラード帝国とはまた違った感動を覚え、僕は辺りを見回す。
「レイズ様こちらです」
紳士モードのラインハルトさんが道案内をしてくれて、サーンライト城まで問題なく到着する。サーンライト城前には他にも複数の勇者パーティが集まっており、この国の国王との謁見を望んでいるようだった。
「ラインハルトさんはここに来たことがあるの?」
「数回ほどございます」
突然、野太い男の声が聞こえる。
ラインハルトさんの目の色が変わり、怒りと同時に僅かな恐怖が僕には見えた。
ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!ご拝読お疲れ様です!1日3話というスケジューリングなので前書きも後書きもテンプレートなのをご容赦ください。
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