第23話:命の重みを知った勇者様
睡眠勇者をお手に取って頂きありがとうございます!本作品は基本的に1日3話投稿で7:10、11:10、18:10になっております。それでは、睡眠勇者夢一郎もといはレイズの冒険を読んで頂ければ幸いです!
第23話:命の重みを知った勇者様
「ライラ、僕の仲間になってくれてありがとう。ラインハルトさんもラオスもこれから頑張ろう。さぁ、とりあえず乾杯だ!」
僕以外めちゃくちゃ強いこの4人パーティは各々の飲み物で乾杯し、午前零時まで飲み明かす。
その後は4人用の303号室に部屋を変えてもらい、4人でベッドに寝ると僕の意識は深く沈む。
目が覚めると黒髪ロングストレートの女医さんと小柳先生がいた。
「小柳先生……この方が前に仰っていた……」
「そうだよ。脳神経内科の世界的権威の1人の黒咲先生だよ」
黒咲先生はこちらを振り向くと一瞬既視感を覚える。まぁデジャブなんてちょくちょくあるものだ。
「初めまして黒咲です。普段は小児科での脳神経内科をやっております。医学研究の方では覚醒不明症について研究しており、時乃川君は夢の世界で冒険していると聞きました。それは本当ですか?」
僕ははい。と答え、その後もいくつかの夢に関する質問を答えると黒咲先生は何かに気がついたようだ。
「やはり、覚醒不明症の典型的な夢の世界ですね。あの世界には神の使いと呼ばれる人達から夢で死んだら現実でも死ぬと伝えられた子供達も何人か聞きました。それに心当たりは?」
あーそういえばと思い、大陸横断鉄道の話をする。
「それもですか……分かりました。治療法が確立次第あるいは新たな対処療法が見つかりり次第小柳先生に伝えておきます。それでは私はこれで」
去っていく姿にも何かデジャブのようなものを感じる。なんだろう、この既視感は……
「小柳先生、両刃刀の使い方を詳しく教えてください」
「もしかして夢一郎君の彼女にプレゼントしたっていう?」
小柳先生はニコニコしながらからかってくる。
「彼女じゃ……彼女にしたいですけど!とりあえず両刃刀の使い方を教えてください!」
小柳先生はしばらく考え、答える。
「えーと三尺刀なんだよね?となると引き抜くだけでも難しいよ。だけど前にも話した通り、僕は武術が得意だから僕なら全身で鞘を下げて、左手で鞘を引いて、右手で全力で斬る感じかな。亜音速以上で抜刀術を使うならこの技術は必須だと思って」
亜音速で抜刀できるんだ……前々から思っていたが、小柳先生って事実上の武士なのではと思ってしまう。
抜刀について色々考えていると突然意識が消えて、目が覚めると宿屋だった。
「レイズ!大変だぞ!前国王派がクーデターを起こしたぞ!」
僕は何がなんだか混乱してしまい、落ち着くのに数分かかる。
「ラインハルトさん、撤退ルートに心当たりは?」
ラインハルトさんはすぐに答える。
「鉄道は爆破され、使用不能。飛行船団も国家非常事態宣言により停泊です」
「レイズ!俺のお父様を守ってくれないか?お前の強さを借りたい!」
僕は考える。捨てられた上でもお父さんを助けたい。その気持ちを尊重したい。
「皆、よく聞いて欲しい。我々レイズ勇者パーティはクーデター戦力の撃滅支援を行う。殺害はそれぞれの意思に任せる。だけどくれぐれも命を落とさないようにね!」
僕達はホテルを飛び出すと帝国街のあちこちから火の手が上がり、激しい銃声が聞こえる。そして人の肉が焦げた匂いというのかなんとも耐え難い匂いだ。
帝国城の方を見ると城門でギリギリの戦闘が続いていた。
「走っても間に合うか……」
「レイズ様ご一行!こちらをお使いください!」
ホテルの店主が4頭の馬を出してくれる。
「ありがとうございます!お礼はまた後ほど!皆行くぞ!!」
坂を落石の如く下りながら、クーデター軍の騎兵隊と鉢合わせる。相手はライフル2名、長剣4名だった。ライラはすぐに反応し、ライフル兵を射殺する。
「勇者様!ご慈悲は無用です!」
僕は頷きながら長剣の騎兵隊員の剣を弾くと同時に白薔薇の剣で相手の心臓を突き刺す。初めての人殺しに僕は恐怖に飲み込まれそうになるが自分に「やるしかない。やらなければ大切な人たちを失う」と言い聞かせ、次々に来る凶刃を白薔薇の剣で弾き、首や肩を切り落とす。自分の中の大切な何を失いそうになるとラインハルトさんが声をかける。
「勇者様、人殺しに慣れたら人間失格ですよ。敬意を持って、相手の命を奪うことを忘れてはなりません」
「ハアハア……ありがとうラインハルトさん……居合術の基本を忘れてました」
「後ろ頂きぃぃ!!」
ラインハルトさんの後ろから大きな斧が振りかざされるが、ラインハルトさんは動かない。危ないと声を出す前にライラのライフル弾が数発、相手の斧と腕と頭が吹き飛ぶ。
「アスタル魔爵!レイズ勇者様!すぐに帝国城へ向かうぞ!ラオス勇者が先に行ったから間に合わないと死ぬぞ!」
僕達は、馬で走りながら、城門に着くと防衛隊は壊滅しているようだ。槍で突き殺された衛兵や肩からバッサリ斬られて、失血死したと思われる衛兵。
「レイズ!固まるな!すぐに城内に入るぞ!!」
ライラが怒声に近い声を上げて帝国城へ突入すると複数の発砲音と共に僕らに凶弾が飛んでくるが手前で止まる。ラインハルトさんの魔法だ。
「ライフル部隊は私が食い止めます!レイズ様とライラ様はラオス様の元へ!」
ラインハルトが見せる初めての苦悶の表情に緊迫感が高まり、玉座へと向かう。すると帝王陛下を守るラオスと前国王と思われる高級そうな剣を持つ者、複数名の上級兵士が立っていた。
先に階段を登りきったのはライラだった。そこに居たのは……
ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!ご拝読お疲れ様です!1日3話というスケジューリングなので前書きも後書きもテンプレートなのをご容赦ください。
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