第20話:帝国の魔装剣
睡眠勇者をお手に取って頂きありがとうございます!本作品は基本的に1日3話投稿で7:10、11:10、18:10になっております。それでは、睡眠勇者夢一郎もといはレイズの冒険を読んで頂ければ幸いです!
第20話:帝国の魔装剣
外はアルドス街の体感気温がまだ多少残っているのか秋なのにやや暑く感じる。道端の歩く人々はカミースのような中東スタイルや軽い長袖の人も多い。そして露店も乾燥食品が目立つことから多分ある程度の暑さなのだと自分も思わさせる。
警備局に着くまでに色々な露店商人に声をかけられたが会釈で断り、警備局へ着く。
「お前、ここから先は……その瞳……勇者の証か。帝王陛下に会う際は無礼のないようにな」
そう言われ、特にボディチェックされることも無く、城内に通される。
セングラード帝国城城内のロビーには素早くファランクス陣形が立てる状況で兵が立っており、2階からは狙撃班も複数名いるようだ。声をかけるだけでもとんでもない勇気が要りそうな中で僕は目の前の兵士の方に声をかける。
「あのぉ、すみません。帝王陛下は……」
「ぬぅ?」
筋肉ダルマで明らかな両手剣を2本背負いし、兜を外した甲冑で身を固めた兵士の方は睨みつけるように僕を見下す。
「あ、ごめんなさい……他の人に……」
「いや、待て。この風貌はよく怯えられるんだ。帝王陛下は中央の階段を登った後に2階の大階段を登った先だ。我が国の魔装勇者様は魔法に頼りすぎているからお灸をすえてくれると助かる」
まるで僕とは対照的だ。僕は剣技、彼は魔法。戦い方を見抜く必要があるな。魔法といっても色々あるが、どんな技で来るのかは実戦じゃないと分かりそうにないな……
「もしよろしければ帝国の魔装剣の戦闘スタイルとかお聞かせ願えないでしょうか?」
「うーむ……とにかく剣に魔法をまとわせて、高速かつ高威力だ。君が戦う時も木刀で打ち合うだろう。回避しながら一撃、不可能なら二撃以内にケリをつけないと厳しいかもしれんなぁ。魔装勇者様はダメージを受ける度に剣を振る速度が上がる職業の戦闘隊長だからな。くれぐれも油断しないように」
僕は深々と頭を下げて、その場を後にする。
階段を登り、王の間前へ着くと騎士隊長のような人から声をかけられる。
「お前は勇者か?それとも来客として来たか?」
なんだ、この質問は?僕の瞳を見れば勇者だと分かるはず。それなのに聞くということは何かを試している?
「僕はパラグレス王国の勇者のロードシア・パラグレア・レイズだ。魔装勇者と帝王陛下とお話がしたい」
「よし。通れ」
豪華な装飾の扉が開かれるとレッドカーペットに黄金の玉座、蒼のマント担う明らかに別格を放つ恐らく勇者と国王としての風格を持つ帝王陛下がまず目に入る。
「ほう、お前がパラグレス王国の勇者か。アルドス街の件は聞いている。大した頭脳と剣技の持ち主のようだな」
「お褒め頂き感謝の極み」
ヤバいよ……帝王陛下の圧力がすごい。瞳を合わせるのも怖いよ!
「お父様と目が合わせられないような勇者などこの魔装勇者のラオス・セングリア・ファーデスの仲間にすら当たらない」
「おい、ラオス。口が過ぎるぞ。失礼、レイズ王子。我が息子は魔法を用いた剣術では右に出る者はいないと自負している。そしてこの世たった1人にしか与えられない天命真勇者に相応しいと思っている。もし、貴殿が天命真勇者となり、熾天使の聖裁「セラフィムエクスカリバー」で魔王を倒すなら勇者決闘をしてもらう。誰が勇者かハッキリするだろう」
やはりと言うべきか戦う定めか。
「魔王は僕が倒します。その心に変わりはありません」
「フフフ・・・ハーハッハッハッハー!いいだろう!ラオスお前の出番だ。真の勇者とは何たるか見せてやれ!」
するとラオスは帝王に頭を伏せ、こっちへ来いと指で合図しながら闘技場のような所へ案内される。向かう最中も会話などはなく、お互いに力の読み合いのような感じだった。そして闘技場みたいな実戦競技場と書かれた看板を見て、ラオス勇者と向き合う。
お互い睨み合うように立つと2人の兵士の方からそれぞれに木刀を1本ずつ渡される。
「降参するまで打ち合うぞ。降参か死亡で相手の勝ちだ。それでいいな?」
「構わないよ」
僕は木刀を強く握りしめて、ライラの言葉を思い返す。″警戒しすぎるな″そして小柳先生の徹底的な回避をイメージし、ラオス氏を見て、動きを見出す。
「良い面構えだ。仲間にしてやってもいいぞ」
「仲間になるのは君の方だよ」
「そうか……」
僅かな怒りを感じた後に剣の道が見える。即座に左に身体をかたむけて闘技場の地面を砕くような勢いで木刀が叩かれる。次は右へ回避かな。
右へクルッと回ると僕の木刀をかするかのようにラオスの木刀が空気を切り裂く。
「次こそっ!!」
ラオスの剣が紅く光ながら、後退へバックステップする僕へ追い打ちをかけるように地面に何度も木刀を叩きつける……まだ壊れんか。
こうなったらちょっと煽るか……
再び襲いかかる高速の木の剣を回避すると僕の木の剣でコンと叩く。
「ラオス君、かわされてばっかりだよ?」
「我を侮辱するかぁぁ!!聖属性付与!!音速魔神斬り!!」
ラオス氏は飛び上がると同時に剣が紫色に輝く。ちょっとやり過ぎたかな、でも計画通りだ。これさえかわせば!!
「ああああああああぁぁぁ!!!」
ラオス氏の剣までおよそ50cm、かわすなら今しかない。脚に力を入れて大きく下がり、闘技場の地面を砕くと同時に僕はパラグレス王国式剣術『制裁の一撃』をかますため、一気にジャンプし、聖属性の付与を付けて、大技で疲れたラオス氏の首元をバコンっ!!と叩きつける。
カウンターを恐れた僕はまた素早く下がり、構え直す。
「こ、こ、降参だ……い、痛い……」
僕は礼をして、闘技場から去り、兵士の方の言う通りに王の間へ向かう。
陛下は明らかに不機嫌な様子で、僕を見る。
ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!ご拝読お疲れ様です!1日3話というスケジューリングなので前書きも後書きもテンプレートなのをご容赦ください。
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