第17話:国際都市で食べるディナーとお金持ちでめちゃくちゃ強い吸血鬼の仲間
睡眠勇者をお手に取って頂きありがとうございます!本作品は基本的に1日3話投稿で7:10、11:10、18:10になっております。それでは、睡眠勇者夢一郎もといはレイズの冒険を読んで頂ければ幸いです!
第17話:国際都市で食べるディナーとお金持ちでめちゃくちゃ強い吸血鬼の仲間
ライラと部屋を出て、階段をコンコンと鳴らしながら食堂へと向かう。
食堂の前のドアには多言語で食堂と書いており、このセングラード帝国がいかに国際都市なのかが分かる。
ドアを開けると自動的にピピッというこの世界では聞き慣れない機械音と共に「レイズ様ご一行2名を感知、残り2回利用できますのでごゆっくりお過ごしください」と合成音声で鳴り驚いてしまう。
「ライラ……これ……」
「私がこの街に居た頃にはなかったがこの国際都市ならすぐにできるだろう。さぁ、食事にするぞ」
2人で席に座るとあの時の少女が、お辞儀をして、ピカピカに磨き上げられた銀食器とグラスをとても丁寧に並べてくれる。
「本日はご宿泊ありがとうございます。ご注文はノーマルディナーでよろしかったですか?」
まだたどたどしい言葉遣いではあったが僕はそんな頑張る子を見ると元気が出る。思わず少年期の自分を思い出す。
「うん、構わないよ。あとこれ僕の国での作法のチップっていうお礼のお金だから自由に使って」
僕は10ルドシアを渡すと少女は喜び、かわいらしく90°の礼をする。
「ライラ、ラインハルトさんの事なんだが……」
「言いたい事は分かるさ、何故パーティを沢山辞めただろ?」
ライラはその事まで知っていたのか。つまりお父様の賄賂疑惑が発覚以前に何度も辞めていたのか?
「うん、まぁね。ライラは知ってるの?」
「お父様から聞いている。なんでも勇者と共に武器を売るだけが目的だったらしい。あとは口調とかとも言っていたな。だがお父様が私の話をした時に私が勇者パーティに入ることがあれば全力でお守りしますとも言っていたらしい」
僕はグラスの水を飲みながら話を聞く。
「じゃあ、ライラ的にはラインハルトさんは信用出来る?」
「少なくとも仲間にしたくないとは思ってないぞ」
「なるほどねぇ、突然なんだけどさっきラインハルトさんがライラの血が美味しいって言っていたけど僕も飲んだら美味しいかな?」
お嬢様は睨みつけて一言。
「童貞勇者様にはまだ早い。次言ったら切り伏せる」
うん、逆に安心した。これでいつものレディな声で飲んでみる?なんて言われたらどうしようかと思っていた。そんな他愛もない話を少ししていると先ほどの少女がダイニングカーにハンバーグステーキとローストビーフのサラダ、数種類の塩に少し厚めにスライスされたパン、そしてコーンスープを二人分置いてくれる。さらに少女はダイニングカーの下からワインっぽいボトルを1本取り出す。
「ノンアルコールワインですのでご安心ください!50年熟成のシャルドス・ボルネードの赤ワインになります!」
「ありがとう。君ならきっと立派なホテルマンになれるよ」
「勇者様の言う通りだ。君はサービスが良いし、明るいのが何よりの優秀な証拠だ。勇者様と共にこの街を離れる時にまた来よう」
すると彼女は今日1番の笑顔で一言。
「ありがとうございます!!また当ホテルをご利用ください!!……あ!明日チェックアウトする時はお母さんが同じ事を言うかも……」
「「大丈夫だよ、気にしないからね」」
珍しくライラと言葉が合い、お互い照れながら、彼女が一礼し、僕達は静かに食事を摂る。
別に不仲では無いが2人の静かな冷戦を破壊したのは意外にも銀髪長髪の吸血鬼だった。
「勇者様、ライラ様。ドリンクをおつぎします」
「「ありがとう」」
「え?ラインハルトさん?」
「アスタル魔爵?」
2人で驚くとその間にもノンアルコールワインを美味しそうに眺めながらおつぎする吸血鬼は疑問に答える。
「書類仕事が終わりましたので、お傍に居ようと思いまして」
「そ、それはありがとう……ラインハルトさんも飲む?」
「勇者様のお気遣い感謝いたします」
ラインハルトさんは服の後ろからマイグラスを取りだしてついだ後に香りを楽しんでから、軽く1口飲み、その後は味わうようにゆっくりと飲む。
「アスタル魔爵がまさかグラスを常に持ち歩いてるとは意外でした。吸血鬼は皆そうなのですか?」
「大体の吸血鬼は持ち歩きます。腕時計と武器、マイグラスは吸血鬼の基本装備です」
「え?腕時計あるのですか?少し見せて頂いても……?」
僕は思わず気になって聞いてしまう。
「こちらです。オーダーメイドの特注品で高級鉱物のみで造られております」
その腕時計はバンドと外縁は銀色だがダイアル(文字盤)は蒼色だが高級感があり、文字は水晶だろうか?時計の針は金色。ルドシアでいくらするのか聞いてみる。
「この時計いくらしましたか?」
「2億5000万ルドシアです。勇者様」
どうやらこの吸血鬼様は僕の想像以上にお金持ちらしい。
食後はイチゴのジェラートが出されて、食べ終わると3人で浴場まで向かい、男女で分かれる。
「はぁ〜堅苦しい口調も疲れるな〜」
「それがラインハルトさんの本性ならそれでいいと思うけどね」
「え〜でも僕にこの街に暮らせる許可と販売先まで出してくれた人のお嬢様だよ?礼節は弁えないと」
今更、なんだとも思いながらガラス瓶に入ったシャンプーとボディーソープで身体を洗い、終わるのはほぼ2人同時だった。
「ねぇ、ラインハルトさん」
「どうしたのかな〜?」
「剣技はどれくらい扱える?」
すると初めて彼の慌てる顔を見ながらも熟考し始める。
「吸血魔剣士さ……」
「嘘はダメだよ?」
「はい……吸血魔剣士の中で第10位です……」
「本当?」
ラインハルトさんは試したがりそうに、ニヤつきながら問う。
「嘘なら今度僕と剣で打ち合う?」
「あ、いや。ちょっとつよいなぁと思って……」
「それならよかった〜。吸血鬼の剣技6000年の歴史を叩き込んであげるよ〜」
6000年の歴史の重さをこの軽口で言うのは正直どうかと思ったが、技術はぜひ、頂きたいと思った。
ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!ご拝読お疲れ様です!1日3話というスケジューリングなので前書きも後書きもテンプレートなのをご容赦ください。
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